【パパ向けに徹底解説】知っておきたい!ミルクの作り方・授乳の方法・哺乳びんの洗い方
新生児期の赤ちゃんへの授乳は約3時間おき、母乳の場合、1回の授乳時間の平均は、片方10分の計20分程度。新生児期のふにゃふにゃの赤ちゃんの抱っこに苦戦しながら授乳をし、授乳後にはげっぷをさせ、さらにおむつ替えなどをしていると、1時間くらいあっという間に経ってしまい、それを1日に何度も繰り返します。
母乳育児はママ中心になりますが、ミルクならパパもあげることができます。産後のママの体調がすぐれない時などのために、ミルク育児についてパパが知っておくことはとても大切です。また、パパと赤ちゃんのふれ合える特別な時間にもなります。そこで今回は、はじめてパパになる方のために「ミルクの作り方」「授乳の方法」「哺乳びんの洗い方」を徹底解説!このページを読んで、頼れるパパを目指しましょう。
【ミルクの作り方】粉ミルクの調乳方法からチェック!
まずは、粉ミルクの調乳方法を解説します。一見するとやることが多くて難しそうに見えるかもしれませんが、ひとつずつ丁寧にやれば大丈夫。慣れればすぐできるようになりますよ。
また、赤ちゃんがぐずり出す前に「そろそろかな」というタイミングでミルクを作り始めるのも大切なポイント。赤ちゃんがギャン泣きしてから、焦って作ることがないようにするのもスムーズに調乳するポイントです。
Step1 手を洗う
調乳の前には必ず手を洗いましょう。石鹸と水で手を洗い、清潔な手拭きや使い捨てのペーパータオルで水をふき取ります。
Step2 飲用水を沸かす
水道水を沸騰させたお湯を使うのが基本ですが、ミネラルウォーターを使う場合は、軟水のものを使いましょう。硬水のミネラルウォーターは、赤ちゃんの体に負担をかけるので使わないようにしましょう。電気ポットを使う場合は、スイッチが切れるまで待ちます。火を使う場合は、ぐらぐらと沸騰していることを確認しましょう。
ウォーターサーバーがあるご家庭なら、お湯をそのまま使えるのでお手軽です。この機会に導入を検討するのもおすすめです。
Step3 水と粉ミルクの必要な量を確かめる
粉ミルクの容器に書いてある説明文を読んで、水と粉ミルクの必要な量を確認します。粉ミルクの量は多くても少なくてもいけないので、しっかりと専用スプーンすりきりで正確に!
Step4 哺乳びんにお湯を注ぐ
洗浄・殺菌した哺乳びんに、正確な量のお湯を注ぎます。お湯は一度沸騰させたあと、70度~80度に冷ましたお湯をStep3で確認した正確な量の粉ミルクが入った哺乳びんに加えます。Step2での説明と重複しますが、ウォーターサーバーならそのままお湯を使えるので便利です。
洗浄・殺菌の方法はこのページの最後にまとめてありますので、ぜひ参考にしてみてください。
Step5 哺乳びんを振って、中身を混ぜる
哺乳びんにキャップとフードをつけて、軽くゆすってミルクを溶かします。フードをつけないと、中の熱いお湯が飛び出すことがあるので注意してください。
哺乳びんを回すようにゆすると、泡が立ちにくいのでおすすめです。
Step6 哺乳びんを冷ます
混ざったら、水道からの流水にあて、授乳できる温度まで冷まします。目安としては、腕の内側にミルクを数滴当ててみて熱いと感じないくらいです。
流水にあてる際は、水が中に入ってしまわないよう、哺乳びんのキャップより下の部分にあてるのがポイントです。
Step7 哺乳びんの外側についた水をふき取って、完成!
清潔なタオルや使い捨てのペーパータオルで哺乳びんの外側についた水をふき取れば完成です!
次の項目では、授乳方法を解説します。
【授乳の方法】いよいよ授乳!飲ませ方・抱き方のコツを解説
ミルクの準備ができたらいよいよ授乳です。最初は小さな赤ちゃんを抱っこしてミルクをあげるのが不安かもしれません。けれど、決して難しいことではないのでご安心を。授乳は赤ちゃんとのコミュニケーションの時間。しっかりと赤ちゃんの様子を見ながら、ミルクをあげましょう。
Point1 腕で首を支えるようにして、上体を起こして抱っこする
横抱きが基本です。飲ませやすく飲みやすい姿勢を保つのがポイントですが、緊張しているとだんだんとパパの姿勢が前かがみになりやすく、腰や背中が痛くなってしまいます。授乳クッションなどを使うのもよいでしょう。赤ちゃんの頭がうしろに下がらないよう、少し上体を起こすように抱っこすると、パパも赤ちゃんもお互いに楽です。
Point2 乳首をしっかりとくわえさせる
赤ちゃんの口を大きく開いて、乳首をしっかりとくわえさせましょう。唇が乳首を覆うように外に出ていると、うまく吸うことができます。
Point3 哺乳びんは必ず立てる
哺乳びんをねかせると、乳首から空気が入ってしまい、赤ちゃんはミルクと一緒に空気も飲んでしまいます。空気をたくさん飲んでしまうと、後でミルクを吐きやすくなるので、乳首の中は、ミルクでいっぱいにしておきましょう。
また、哺乳びんの中に気泡があればミルクを飲めている証拠です。哺乳びんをパパの手できつく締めすぎると、赤ちゃんが吸ったときにミルクが出てこないので調節を。
Point4 赤ちゃんに話しかける
赤ちゃんは、パパの声を聞いているものです。ミルクを飲ませる時は、「上手に飲めてるね~」「おいしい?」など話しかけながら飲ませましょう。赤ちゃんとパパの距離が縮まっていくのを感じられるはずです。
Point5 飲み終わったら、げっぷを出させる
赤ちゃんはミルクを飲むときに、一緒に空気を吸い込んでいます。そのままにすると、寝返りなどで体を動かした際に吐き戻してしまうことがあるので、防ぐためにげっぷをして空気を出させます。
ミルクを飲み終わったら、子どものあごが肩にくる位まで縦抱きにし、背中を下から上に軽くさするか、軽くトントンとたたいてゲップをさせてください。(子どもの胃は「とっくり型」なので、横になってげっぷをすると、ミルクもいっしょに出てしまうので、縦抱きでげっぷをさせます)必ずしもげっぷが出るわけではないので、なかなか出ないときは無理に出そうとしなくても大丈夫です。
Point6 飲み残したミルクは捨てましょう
調乳したミルクはあたたかく、細菌が繁殖しやすい状態。時間をおいて飲ませるのはやめましょう。少しもったいなく感じるかもしれませんが、飲み残しは捨てます。
【哺乳びんの洗い方】哺乳びん・乳首の洗い方と消毒法を解説
免疫力・抵抗力が低い赤ちゃんの身体をさまざまな病気から守るためにも、ミルクをあげたら、使い終わった哺乳びんは都度きれいに洗い、しっかりと消毒することが大切です。最後に哺乳びん・乳首の洗い方と、消毒の方法を解説します。
哺乳びん・乳首の洗い方
Step1 水で洗い流す
まずは流水で、哺乳びんのミルクをざっと洗い流します。
Step2 ブラシで丁寧に洗う
ブラシと洗剤で、哺乳びんを洗います。哺乳びん専用洗剤があれば、それを使うといいでしょう。ミルクのかすが残らないように、丁寧に洗います。びんの口は汚れが貯まりやすいので、内側も外側も特に丁寧に洗いましょう。
ガラス製の哺乳びんはナイロンブラシを、プラスチック製の哺乳びんはスポンジブラシを使います。
Step3 洗い流す
ひと通りこすり洗いが終わり、汚れが取れたら洗い流しましょう。洗剤が残ると赤ちゃんに良くないので、しっかりとすすぐのがポイントです。
Step4 乳首を洗う
乳首は小さく、複雑な形をしているため、専用の小型ブラシがあると便利です。内側の穴の部分もしっかりと洗います。裏返せる部分は裏返して洗いますが、無理をすると意外と簡単に破れてしまうので、特にパパは力を入れ過ぎないように注意しましょう。
消毒方法
洗い終わったら、最後に哺乳びんを消毒します。消毒が必要な理由は、免疫力・抵抗力が低い赤ちゃんの身体を、さまざまな病気から守るためです。食中毒を引き起こす雑菌の中には、洗剤で落としきれないものがたくさんあるとされているので、しっかりと消毒して赤ちゃんを守りましょう。
消毒方法には煮沸・つけ置き・電子レンジを使うやり方と、3つのパターンがあり、それぞれに特徴があります。煮沸は経済的ですが手間がかかります。つけ置きは手間はあまりかかりませんが、消毒液が必要。電子レンジは専用容器が必要ですが、短時間でできるといったメリットがあります。どのやり方でも消毒はできるので、自分に合った方法を選ぶのが大切です。
・手間はかかるけど、コスパ良し!煮沸消毒
鍋にお湯を沸騰させて、哺乳びん、びんばさみ(びんばさみがあると便利ですが、ない場合は箸でOK)、乳首を入れる容器などを入れます。入れておく時間の目安は、哺乳びんや乳首の素材がガラス、プラスチック、シリコン、ゴムなどによっても違うので、説明書を確認してください。一緒に入れておいたびんばさみか箸を使って、引き上げます。
特別な機材は必要なく、哺乳びんが入る大きさの鍋さえあれば消毒できるので、コスパが良いというメリットがあります。
・つけ込むだけなので簡単!つけ置き消毒
専用の容器などに消毒液を作り、洗浄後の哺乳びんと乳首を浸します。ベビー食器の消毒などにも使えるので、便利です。
薬剤を購入するので割高感があるかもしれませんが、消毒に光熱費がかからないという利点も。つけ込んだまま保管し、ミルクを作る時に取り出すだけなので、手間がかかりません。忙しい人におすすめの消毒方法です。
・専用ケースで手軽に!電子レンジで消毒
専用ケースを電子レンジに入れて、加熱すると消毒が完了!
専用ケースに洗った哺乳びんをセットするだけなので、とっても簡単。消毒しながら他の作業をすることもできます。専用ケースの購入費用はかかりますが、消毒後はそのまま保管ケースにもなるので、無駄がありません。
【これだけは押さえておきたい!】ミルク育児の基本のルール
「ミルクの作り方」「授乳の方法」「哺乳びんの洗い方」と説明してきましたが、最後にパパが間違いやすいポイントをおさらいしましょう。
【ルール1】水道水でOK。硬水のミネラルウォーターはNG
水道水を沸騰させたお湯を使うのが基本。硬水のミネラルウォーターは赤ちゃんの体に負担をかけるので使わないで。
【ルール2】お湯は沸騰させてから70度以上のお湯で溶かす
細菌やウイルスから守るために、沸騰したあと70度以上に冷ましたお湯を使って、粉ミルクを溶かします。
【ルール3】飲み残しは必ず捨てる
飲み残したミルクは、冷蔵庫で保管していても、乳首を替えたとしても、雑菌が繁殖する可能性があります。必ず捨てましょう。
【ルール4】作り置きはNG
ぐずったときにすぐに飲ませられるようにと、作り置きをするのは絶対にNG。時間がたったミルクは、たとえ冷蔵庫で保管したとしても衛生面が心配。必ず、飲ませる直前に作りましょう。
【ルール5】濃さを勝手に変えない
必ず粉ミルクの容器に書かれている指定濃度を守って。濃かったり薄かったりすると、赤ちゃんの腎臓の負担になります。
【ルール6】粉ミルク缶は冷暗な場所に保管を
開封した粉ミルク缶は、高温多湿、直射日光を避けた場所で保管して。ただし、冷蔵庫や冷凍保存もNG。必ず、商品に記載されている保存方法をご確認ください。
参考:「HAPPY育児生活ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
母乳育児はどうしてもママ中心になってしまいがちですが、パパにもできることはあります。産後すぐのママの体は怪我をしたのに近いような状態になっており、昼も夜も休みなく赤ちゃんのお世話をするのはとても大変なことです。ママの体調がすぐれないなど、場合によっては、搾乳機やミルクを使って、パパが授乳をするということも。ママがゆっくり休めるように準備をしておくことは大切です。育児を夫婦で上手に分担すれば、お互い無理しすぎることなく、赤ちゃんと一緒に毎日を楽しく過ごせます。「ミルクはパパに任せた!」と言ってもらえる、頼れるパパを目指して、楽しくがんばりましょう。
監修/浜脇文子先生 文・構成/大村卓也(メディアハウス) たまひよメディア編集部
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