おなかの赤ちゃんの成長に欠かせない「葉酸」。毎日の食事で上手にとるコツ&レシピも紹介
妊娠すると、おなかの赤ちゃんへの栄養が気になるものです。とくに「葉酸」はおなかの赤ちゃんの成長を助けてくれる重要な栄養素です。毎日の食事から上手にとりましょう。
そもそも、葉酸ってどんなもの?
日本人がとりづらく、不足しがちと言われる栄養素のひとつが「葉酸」。体の調子を整える働きをするビタミンB群の仲間で、水に溶けやすく(水溶性)、熱に弱いといわれています。そのため、食事から十分にとりにくい性質がありますが、コツをつかめば大丈夫です。
葉酸はどんな働きをするの?
葉酸はDNAの合成にかかわり、おなかの赤ちゃんの体の形成に重要な働きをするため、とくに細胞分裂が盛んな妊娠初期の摂取が強くすすめられてきました。加えて、最近の研究で流産のみならず、上位胎盤早期剝離(じょういたいばんそうきはくり)や妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)といった妊娠中期や後期の早産の原因となるトラブルの予防にもつながることがわかってきたのです。葉酸は、妊娠初期に限らず、妊娠期間を通じて長く摂取することがとても大切です。
(指導:日本医科大学多摩永山病院 院長 産婦人科医 中井章人先生)
葉酸を多く含む食材と、しっかりとるコツは?
葉酸は、ほうれん草などの色の濃い、葉物野菜に多く含まれます。果物や豆類にもある程度含まれていますが、とにかく緑黄色野菜を意識して食べるのが、葉酸をたくさんとるための近道です。ゆでたりすると半分ほどに減ってしまうこともあるので、「妊娠中は緑黄色野菜を普段の倍くらい食べる!」というくらいの気持ちでいるといいでしょう。いろいろな種類をバランスよく食べましょう。
葉酸を多く含む食材
青ねぎ、アスパラガス、アボカド、枝豆、オクラ、貝割れ菜、小松菜、春菊、豆苗、納豆、にら、パセリ、ブロッコリー、ほうれん草、帆立て貝、水菜、モロヘイヤ、焼きのり など
葉酸がとれるメニュー例
■アスパラガスの肉巻き水菜添え(1人あたり葉酸230㎍)
※写真上
材料(2人分)
アスパラガス…約10本(200g)
水菜…大1 株(50g)
豚ばら薄切り肉…約10枚(250g)
塩・こしょう…各適量
片栗粉…適量
A
しょうゆ…大さじ1
酒・みりん…各大さじ3
サラダ油…大さじ1
作り方
1 アスパラガスはへたのかたい部分
とはかまを除き、塩(分量外)を入れた湯でゆでる。水菜はざく切りにする。豚ばら薄切り肉は広げて塩、こしょうをふる。Aを混ぜ合わせてたれを作る。
2 豚ばら薄切り肉にアスパラガスを
のせ、端から巻き、片栗粉をまぶす。
3 フライパンにサラダ油を熱し、②を焼く。転がしながら全体を焼き、Aを加えてからめる。
4 ③を皿に盛り、①の水菜を添える。
■のりと落とし卵のスープ(1人あたり葉酸71㎍)
※写真下
材料(2人分)と作り方
1 鍋に水( 2 カップ)、鶏ガラスープの素(大さじ1/2)、しょうゆ(小さじ1 )を入れて火にかけ、沸騰したら卵( 2 個)を割り落とす。
2 卵がお好みのかたさになったら塩・こしょう(各適量)で味をととのえ、手でちぎった焼きのり(全型2 枚)を加える。
監修/栄養士・フードコーディネーター ほりえさちこさん 文/たまごクラブ編集部 撮影/武井メグミ
葉酸はサプリメントなどで補う方法もありますが、基本は毎日の食事からしっかりとりたいもの。「妊娠中は緑黄色野菜を普段の倍食べる!」を念頭に、いろんなメニューで食べましょう。
参考:『初めてのたまごクラブ2022年夏号』「献立一つで160㎍以上とれる!「簡単葉酸おかず1week」
●掲載している情報は22年6月現在のものです。
『初めてのたまごクラブ』2022年夏号には、「献立一つで160㎍以上とれる!「簡単葉酸おかず1week」があります。
ほりえさちこさん
PROFILE
栄養士・フードコーディネーター。雑誌やテレビを中心に、おいしくて簡単なおうちごはんを提案。