残暑にも注意!「熱中症」「めまい」など、妊婦さんが気をつけたい症状と対処法【産婦人科医】
まだまだ続きそうな残暑。体調のアップダウンがある初期妊婦さんにとってはつらい季節かもしれません。そんな季節の「気になる妊娠初期の症状」について、産婦人科医の中川一平先生に、注意したい症状と対処法を教えてもらいました。
気になる症状1「熱中症・脱水症状」
妊娠中は普段よりも熱中症を起こしやすく、重症化しやすいといえます。また、妊娠すると体の中をめぐる血液量が増えるので、脱水症状にも注意。とくに妊娠初期は、つわりで水分が不足しがちです。小まめに水分を補給して、熱中症予防を心がけましょう。
もし、水を飲むこともままならないほどつわりが重いときは、かかりつけ医に相談を。また、つわりで横になっていることが多い場合は、血栓予防ためにストレッチをするといいでしょう。ベッドに横になったままの体勢でOKなので、足首から足先をパタパタと動かして。円を描くように回すのも◎。
気になる症状2「めまい・立ちくらみ」
めまいや立ちくらみが起きると、貧血だと思う妊婦さんが多いですが、実は貧血が原因ではないことがほとんどです。妊娠中は子宮にたくさん血液を送っていることや、急な動きによって脳に行く血液が減少することによって起こります。一時的なめまいや立ちくらみで、休めばおさまる場合は心配ありません。
ただし、転倒には注意が必要。外出中にめまいや立ちくらみがあったら、何かにつかまろうとするのではなく、転ばないようにその場にしゃがみましょう。休んでもめまい・立ちくらみが治まらない場合は、ほかの原因が考えられるので、産院に相談を。
気になる症状3「胃腸炎」
暑い時期は細菌、真菌などが増殖しやすい環境。さらに、妊娠中は普段より感染を起こしやすい状態です。なるべく生ものは避けて、しっかり加熱して食べましょう。
万が一、胃腸炎になってしまったら、産科に相談の上、内科を受診します。下痢や嘔吐によって水分が不足しがちになるので、水分補給に気をつけましょう。
取材・文/たまごクラブ編集部
妊娠初期は、体調の変化にとまどうことも多いかもしれません。予防を心がけたいですが、これらの症状が出てしまったときに慌てずに対処できるようにしておきましょう。
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参考/『初めてのたまごクラブ』2022年夏号「ママとおなかの赤ちゃんのやることすべて 夏編」
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