【発表】2022年赤ちゃんの名前ランキング「碧」が初の1位に。先行きが不安定な今、名づけに込めた親の想いとは?
「たまひよ」では、2005年から毎年、赤ちゃんの名前に関する調査を実施しており、このたび「たまひよ 赤ちゃんの名前ランキング2022」を発表しました。今回は、2022年1月〜9月に生まれた新生児297,255人を対象に、名前や名前の読み、漢字などについて調査。最新の人気名前ランキングをダイジェストで紹介します。
全体ランキング:1位は男の子は「碧」(初)、女の子は「陽葵」(7年連続)
男の子は「碧」(主な読み「あお」)が昨年の7位から順位を上げて、初めての1位を獲得。2位から5位にランクインした名前は昨年もTOP5入りしていたもので、根強い人気があることがうかがえます。
女の子は「陽葵」(主な読み「ひまり」)が7年連続で1位に。5位にランクインした「詩」(主な読み「うた」)は、昨年の17位から大幅にランクアップしました。
【男の子編】名前ランキング 1位は「碧」
【男の子編】名前ランキング 1位は「碧」
男の子の傾向
「碧」(主な読み「あお」)は、一昨年の13位、昨年の7位から順位を大きく上げて、初の1位に輝きました。「あお」の他に、「あおい」と読むケースも。緑がかった青色を意味する文字で、青く美しい海や青々した樹木など、澄んだ自然の美しさをイメージさせることが人気を集めたのではないかと考えられます。
昨年は一文字の名前がトップ10のうち7つを占めましたが、今年は一文字の名前と二文字の名前が5つずつランクイン。「碧」「蒼」「蓮」「湊」「樹」など、一文字の名前も画数の多い漢字が選ばれており、しっかりと存在感を発揮する名前の人気が高くなっています。
1位 碧/あお(昨年7位↑)
2位 陽翔/はると(昨年2位→)
3位 蒼/あおい(昨年3位→)
4位 朝陽/あさひ(昨年5位↑)
5位 蓮/れん(昨年1位↓)
6位 湊/みなと(昨年5位↓)
7位 結翔/ゆいと(昨年18位↑)
8位 悠真/ゆうま(昨年15位↑)
9位 陽向/ひなた(昨年12位↑)
10位 樹/いつき(昨年4位↓)
【女の子編】名前ランキング 1位は「陽葵」
【女の子編】名前ランキング 1位は「陽葵」
女の子の傾向
「陽葵」(主な読み「ひまり」)が、7年連続で1位を獲得。「太陽のように明るく」「向日葵のようにまっすぐと」といった願いが込められた名前として人気が定着しつつあります。
トップ10には、「葵」「菜」「芽」「莉」「茉」といった「くさかんむり」の漢字を用いた名前が多くランクイン。文字が持つ柔らかで優しく、凛とした印象や、草花が成長していくイメージなどが、女の子の名前にふさわしいと考えられているようです。
男の子と同様に、一文字の名前・二文字の名前のいずれの場合でも画数の多い漢字が選ばれる傾向にあり、名字と名前のバランスを見たときに、地に足のついた堅実なイメージの名前が好まれる風潮が見て取れます。
1位 陽葵/ひまり(昨年1位→)
2位 凛/りん(昨年3位↑)
3位 結菜/ゆいな(昨年9位↑)
4位 芽依/めい(昨年4位→)
5位 詩/うた(昨年17位↑)
6位 陽菜/ひな(昨年6位→)
7位 葵/あおい(昨年5位↓)
8位 莉子/りこ(昨年8位→)
9位 紬/つむぎ(昨年1位↓)
10位 咲茉/えま(昨年18位↑)
読みランキング:男の子「はると」が14年連続1位。女の子「えま」は2年連続1位。
男の子は「はると」が14年連続の1位を獲得。「りく」は昨年に続いての2位で、高い人気が継続していることがうかがえます。
女の子は「えま」が2年連続で1位に。「えま」は海外でも通じる名前、外国の人にも発音しやすい名前として人気を集めています。5位の「りお」は、昨年の12位から順位を上げてのTOP5入りとなりました。
ジェンダーレスな名前では、昨年に続き「あおい」「ひなた」が人気
男女共通の名前としては、1位「あおい」、2位「ひなた」が安定した人気を誇っています。なお、TOP5には入りませんでしたが、男の子の名前として人気が高まったことを受けて「あお」が6位にランクインしています。
漢字ランキング:男の子「翔」が3年連続1位。女の子「莉」が初の1位に。
男の子のTOP5は順位の入れ替わりはあるものの、昨年と同じ漢字がランクイン。女の子も上位4つの漢字は昨年と同じラインナップですが、今年は「莉」の人気が上昇するという結果になりました。
名づけで重視したこと:1位は「読み・音の響き」、2位「画数」、3位「漢字の持つ意味」
毎日、何度も呼びかける名前だからこそ「読み・音の響き」をもっとも重視するという結果になりました。
たまひよのアプリユーザーの名づけに関するアンケートに寄せられた声をご紹介します。
「音の響きが第一でした。顔を見て呼んだときしっくりくるかや、爽やかで優しい響きがいいなと思い名前を決めました。漢字に関しては姓名判断の結果と、夫婦の名前と並べて書いてしっくりくるかで決めました」
「彩り豊かな人生を送れますように。音の響き→漢字(画数含め)の順で決めました」
「男女どちらでも使えるハルという響きを使いたかった。5月生まれであり、新緑のように瑞々しく健やかに育ってほしいという願いを込めた」
「呼びやすさや響きを重視し、姓と相性がよく分かりやすい漢字にしました。将来、自分の名前を相手に伝えやすいように」
2022年トピックス:シンプルな名前が好まれ、目新しさよりも堅実さを重視する傾向
2022年の名づけの傾向について、「たまひよ しあわせ名前研究所」顧問の栗原里央子先生は、「不安定な世界情勢や長引くコロナ禍を受けて、名づけにおいては目新しさよりも堅実さを重視する方が増えたように思います」と話します。
空や海、植物などを連想させる開放感のある名前が人気
かつては凝った名前が流行った時期もありましたが、2022年は耳にスッと入ってくるシンプルな響きの名前が好まれる傾向がみられました。
「先行きが不透明な時代だからこそ、堅実な名前を授けることで、地に足のついた実り多い人生を歩んでほしいという親御さんの想いが読み取れます。トップ10には、男の子は空や海を連想させる漢字、女の子は植物や太陽を連想させる漢字を使った名前が多くランクインしました。コロナ禍で窮屈な生活が続いているからこそ、大きく羽ばたいてほしい、草花のようにすくすくと成長してほしいといった願いを、開放感のある名前に託したママ・パパが多かったのではないでしょうか」(栗原先生)
画数の多い漢字を使うことで安定感を重視
上位にランキングした名前には、画数の多い、しっかりした漢字が使われているものが目立つのも2022年の名づけの特徴です。
「姓名の文字の画数を『天格・人格・地格・外格・総格』の5つの部位ごとに見て姓名判断をする『五格』の考え方では、名にあたる部分の画数の合計を『地格』と呼びます。この『地格』がどっしりと安定しているのは、お子さんの成長にとって、とても良いことです。どの漢字を選ぶかを熟考して名づけをしたママ・パパが多いことがうかがえて喜ばしいですね」(栗原先生)
トップ10圏外では、古風な文字・響きの名前がランクアップ
トップ10には入りませんでしたが、「伊織/いおり(男の子18位)」「翠/すい(女の子16位)」「琴葉/ことは(女の子17位)」など、古風な漢字・響きを生かした名前も多く見られました。2022年は寅年だったこともあり、男の子では「琥太郎(53位)、虎太郎(83位)/こたろう」「大雅(38位)、大河(65位)/たいが」といった名前が例年よりも上位にランクインしています。
「少子化が進み、子どもが生まれることが特別なことになりつつある現在では、家族全員で名づけについて話し合い、おじいちゃんやおばあちゃんの意見が反映されるケースも少なくありません。そのような背景が、古風な文字・響きを好む傾向につながっているのではないでしょうか。また近年はパパが名づけに積極的に関わるケースが増えてきていると感じます。名づけという育児のスタート地点から、ママとパパがしっかり話し合い、二人で一緒に取り組むようになってきていることは、とても良い傾向ですね。2022年生まれのお子さんが、ママとパパの愛情がたっぷり込められた名前とともに、幸せな人生を歩むことを願っています」(栗原先生)
お話・監修/栗原里央子先生 取材・文/安永美穂、たまひよONLINE編集部
お話・監修/栗原里央子先生
PROFILE
たまひよ しあわせ名前研究所 顧問。易学をはじめ命名・姓名判断・人相・気学・風水学・生年月日によるバイオリズム周期などを合わせた総合的な鑑定で定評がある。『世界にたったひとつの赤ちゃんの名前』(高橋書店)など著書多数。
【調査概要】
●調査名称 「たまひよ 赤ちゃんの名前ランキング2022」
●調査内容 2022年1月1日~2022年9月27日に生まれた赤ちゃんの名前
●調査対象 「たまひよ」の商品・サービスを利用されたお客さまのお子さま(回答は任意)
●調査対象数 297,255名(男の子149,152名、女の子148,103名)
●調査項目 名前の読み、漢字など ※同一の漢字の組み合わせで複数の読みがある場合、最も多い読みを紹介
●調査名称 「たまひよ お子さまの名づけに関するアンケート」
●調査期間 2022年10月12日~ 2022年10月17日
●調査対象 たまひよのアプリ(まいにちのたまひよ)利用者
●調査対象数3,906名
●調査項目 名づけで重視したこと、赤ちゃんの名前の由来など