つわり中、周りがみんな敵に見えてしまったお話【妊娠なめてました日記#1】
こんにちは!ひよこエッグと申します。2015年3月に娘・ひなを出産しました。
「妊娠なめてました日記」では、わたしが初めて経験した妊娠・出産のことを書いていければと思っています。
第1話 つわり中、周りがみんな敵に見えてしまったお話
みなさん、つわりはどんな感じでしたか?
わたしは「においつわり」で、あらゆる匂いに対して吐き気をもよおすタイプでした。
起きている間はずっと吐き気と戦う。好きな食べ物も食べられない。
そんな日々を過ごしていると心に余裕がなくなってきて、周りの人全てが敵に思えてきてしまいました。
今回は、そのときのことについてお話しさせてください。
当時、職場の隣の席の先輩がエスニック料理大好きな人で、毎日のように匂いのキツいお弁当を食べていました。
先輩につわりのことは伝えているのに、どうしてこんなに匂うものをわざわざわたしの隣で食べるんだろう。
どこで何を食べようと自由だし今考えると完全に被害妄想なのですが、当時は本気で「嫌がらせなの…?」と思ってしまいました。
またあるとき、お昼にカットりんごを買いに行ったときのことです。
わたしはつわり中カットりんごしか食べることができませんでした。
食べるとさっぱりして、お腹も満たされる。しかも剥かなくていい。
カットりんごはわたしにとって神様のような存在でした。
そんなカットりんご、この日は残り1個しかありませんでした。
「良かった…!」
そう思って手を伸ばした瞬間、
横から来た女性にサッと持ってかれてしまいました。
「お願いだから譲ってください!わたしはカットりんごしか食べられない身体なんです…」
そんなことを言う勇気もなく、
涼しい顔でカットりんごをレジに持って行く女性を横目に少し泣きました。
いろんなことが重なり、「励まして欲しい」と思い夫にメッセージをしても、既読スルーの嵐。
「私のことなんてどうでもいいのかな…」
もやもやはたまる一方でした。
「こんなに辛いのに誰も私の気持ちをわかってくれない」
「結局みんな自分のことしか考えていないんだ。」
そんな黒い感情で押しつぶされそうになりながら電車でうなだれていると、
前に座っていたおばちゃんが席を譲ってくれました。
妊娠してからずっと鞄にマタニティーマークを付けていたのですが、声をかけてもらったのはこれが初めてです。
席に座ると、
「つわりでしょ?辛いわよね」「私もつわり中姑にいびられて大変だったのよ」「今度孫が産まれるのよ〜。人生あっという間よ。」
と、いろんな話をしてくれました。
そして電車を降りるときに、
「よく頑張ってて偉いね。もうすぐ辛いのは終わるからね。」
と言ってもらい、心の中にあった黒い感情がスーッと消えて行きました。
「そっか。わたし、誰かに頑張ってるねって言って欲しかったんだ。」
家に帰ると、テーブルの上に大量のカットりんごが置いてありました。
夫がコンビニをはしごして、ありったけのカットりんごを買ってきてくれていたのです。
「これでしばらく買わなくてすみますね」と得意気に言っていたのですが、カットりんごは日持ちしないので、2日ほどで全て食べきってしまいました。
残念でしたが、その気持ちがとっても嬉しかったです。
つわり中、「こんなに辛いのに周りの人はなんで理解してくれないんだろう」と思っていたのですが、周りのことを理解していなかったのはわたし自身だったのかもしれません。
もちろん嫌なこともたくさんあるけれど、思っている以上に世界は優しくて、思いやりに溢れているんだなとつわりを通じて実感しました。
最後に、わたしから今つわりの方に一言伝えさせてください。
「毎日、本当に頑張っていますね。」
わたしもつらかったです。
でも、この地獄のようなつわりを乗り切って会える赤ちゃんの可愛さはひとしおでした。
終わりが見えなくて本当に苦しい時期ですが、周りに甘えられるところは甘えて、どうかご無理なさらないでくださいね。
[ひよこエッグ]
都内在住のワーママ。
2015年3月産まれの娘と夫の3人家族。
子育ての記録をブログやインスタグラムで公開中。
ブログ:ひよこエッグつうしん
インスタグラム:@hiyokoegg11
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