「さかご」と言われると帝王切開になるの?診断されてできること【医師監修】
健診で「さかごですね」といわれたら不安になるもの。さかごだと何が心配? ママ自身で直すことはできるの? 帝京大学医学部附属病院・笹森幸文先生(産婦人科教授、総合周産期母子医療センター長)に聞きました。
さかごってどういう状態?
妊娠後期になると、おなかの赤ちゃんは重い頭を下(子宮口)に向けた「頭位」という姿勢に落ち着くのが一般的。一方で、おしりや足を子宮口に向けた状態が「さかご(骨盤位)」です。
妊娠中期ごろまでは、子宮内に余裕があるので、赤ちゃんは自由に動き、頭位になったりさかごになったりしますが、赤ちゃんが成長して子宮内が狭くなると、頭位に戻らない可能性もあります。さかごの診断時期は、施設や産院の方針により異なりますが、30週くらいから「さかご」の診断をされることが多いでしょう。
さかごだと何が心配?
●妊娠中
さかごだからといって妊娠経過に影響することはないので安心してください。
●出産
出産時はリスクがあります。お産のとき、いちばん大きな頭が最後に骨盤を通過するため、難産の心配があります。また、臍帯(臍の緒)が先に出てくる臍帯脱出を起こし、急激に胎児の状態が悪化することも。そのため、出産方法に帝王切開をすすめられることが多いです。
さかごと言われたときに、できること
さかごを100%直す確実な方法はなく、ママができるのはさかごが直りやすい環境づくり。ポイントはママ自身が自分をいたわることです。
●体を温める&入浴などでリラックス
おなかの張りに気をつけてください。冷えやストレスなどでおなかが張ると子宮が収縮しておなかの赤ちゃんが回りにくくなります。無理をしない・頑張りすぎないことがいちばん大切です。
体の冷え対策としては、冷房の冷やしすぎに注意。足元が冷えないよう靴下の着用を。また、入浴はシャワーで済ませず、ゆっくり湯船につかってリラックス&保温を。冷たいものの食べ過ぎにも気をつけましょう。
●産院の指導に従って
産院の方針によっては、赤ちゃんの回転を促す「さかご体操」や、赤ちゃんがどちらの方向に向いているかを確認し、それによって寝方を変えるなどの方法を指導されることもあります。いずれも、産院の指導に従って行うもの。絶対に自己判断で行わないで!
また、医師がママのおなかの上から赤ちゃんに手を添え、子宮内の赤ちゃんを回転させて位置を直す「外回転術」という方法を行う産院もあります。
監修/笹森幸文先生 取材・文/樋口由夏、たまごクラブ編集部
妊娠後期になってさかごが直らないと不安になるママもいるでしょう。ママ自身ができることはあまりありませんが、リラックスして過ごすことが大切。産院の指示にしたがいつつ、不安なことがあれば産院に相談をしましょう。
参考/『後期のたまごクラブ』2025年冬号「お産までの時間を有効活用する!妊娠後期にやることのすべて」
※掲載している情報は2024年10月現在のものです。
『後期のたまごクラブ』2025年冬号では、巻頭大特集「お産までの時間を有効活用する!妊娠後期にやることのすべて」があります。妊娠後期のさまざまな不安を解決するヒントがあるのでチェックしてみて。