トラブル続出!前期破水、心拍数低下、吸引分娩でやっと…
ライターの“Milk”です。私には、30歳と25歳のすでに成人した2人の息子がいます。実は、もうすぐ結婚した息子夫婦に赤ちゃんが誕生する予定。私も、息子たちを産んだ時のことを思い出さずにはいられません。トラブル続出だった私の出産体験を3回に分けてお話します。
破水して入院するも、子宮口が開かず促進剤を投与
あれは、予定日を8日過ぎ、41週目に入った日の午前6時のこと。前期破水を起こしました。破水後に、すぐ産まれるケースもあると聞いていたので、慌てて夫が車で産院に連れて行ってくれました。即入院となりましたが、不安と同時に、「いよいよ始まる!」と、決戦に挑むような気持になりました。
入院したのはいいですが、ベッドの上で何時間待っても、陣痛は来ない、子宮口も開かないという状況。私は、じれったく感じながら横になっていました。「立ち会い出産」を予定していた夫も、かなりソワソワした様子。結局、陣痛促進剤を打つことになり、陣痛がきたのは入院して12時間過ぎた頃でした。
赤ちゃんの心拍数が下がる…その恐怖に似た不安
入院から20時間後、分娩台に移動。しばらくすると、医師から告げられたのは、赤ちゃんの心拍数が下がっているということでした。その時の恐怖に近い感覚は今でも覚えています。
医師から「体勢が横向きだと心拍数が正常になるようなので、その状態で片足を開くことができますか?」と言われました。そんな辛い態勢でいきむなんて絶対無理。しかし、赤ちゃんの心拍数が下がるのは、心拍計の音で私にも分かりました。
1時間ほど横向きの状態で陣痛に耐えていると、「様子を見て帝王切開も決断しないといけない…」と医師と助産師さんたちの話し声が…。
不安で押しつぶされそうになりましたが、赤ちゃんの生命力を信じて祈る想いで「辛いのは私だけじゃない、赤ちゃんも外に出ようと必死で頑張っている」と、心の中で呟きながら陣痛逃しをしていました。
医師たちの必死さに後押しされ、吸引分娩で無事出産
午前5時半、陣痛の波がピークに。医師が「このまま普通分娩で」と決断し、心から安堵しました。体勢を仰向けに戻して会陰切開され、医師からいきむタイミングや呼吸についての指示を受けた後、吸引分娩となりました。
何度いきんだのでしょうか、時間もどれだけかかったのでしょう。助産師さんが私のおなかに乗って、赤ちゃんを押し出してくれています。「しっかりいきんで!」の声と、医師や助産師の方々の必死さに、私の気持ちが後押しされました。
「赤ちゃんお願い、産まれてきて!」と、私の意識は、産道を出ようと頑張っている赤ちゃんだけに集中していました。そして、最後のひと踏ん張り。分娩台に移動してから約4時間後、やっと生まれました!
産声が聞こえない!へその緒が二重巻きの赤ちゃん…
産まれてすぐには、「おぎゃあ」と元気な産声が聞こえませんでした。赤ちゃんを私にちゃんと見せてくれないばかりか、何やら叩く音まで聞こえます。不安にさいなまされつつ、呆然としていた私。
その不安を打ち消してくれたのが、「男の子ですよ。へその緒が二重に巻いていたけど、もう大丈夫よ」という助産師さんの優しい声でした。へその緒が赤ちゃんに巻きついた「臍帯巻絡(さいたいけんらく)」があったために、出産までの時間もかかり、赤ちゃんの心拍数も下がる原因となったようでした。
赤ちゃんはそのまま保育器に入れられたため、私の枕元にすぐ赤ちゃんを寝かせてくれるという状況にはなりませんでした。それでも、私の中には周りの人すべてに感謝したい気持ちが溢れてきました。ところが、産後の母体にも異変が生じていたのです。
(シリーズ2へつづく)
[Milk*プロフィール]
息子2人の母。手作りが趣味でアートフラワーを創作する傍ら、在宅ライターと外勤のダブルワークで飛び回っています。母が病床になったのがきっかけで、介護マッサージや音楽レクリエーションも勉強中です。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。