妊娠中に知っておきたい保活のジョーシキ9
まだまだ厳しい地域も多い保育園への入園。保活(子どもを保育園に入れるための活動)をスタートさせる前に、ちょっと予備知識を入れておくと、その後の保活がしやすくなります。そこで、保活事情に詳しく、7才・1才の母でご自身も最近保活を経験した山下真実さんに「保活における9つのジョーシキ」について聞きました。
常識1:保育園には認可と認可外がある
「認可保育園」とは、園児1人あたりの保育士の数や園児1人あたりの広さ、建物の防災設備など、国が定めた認可基準を満たした施設のこと。一方「認可外保育園」は、認可保育園以外の施設を指します。認可外保育園の中には、東京都の「認証保育園」や川崎市の「認定保育園」など、自治体が定めた独自の基準を満たした保育園もあります。
常識2:認可保育園は自治体に申し込み、指数と優先項目で内定者が決まる
認可保育園にも公立と私立がありますが、どちらも自治体に申し込み、各自治体が独自で定める指数の高い人順に内定します(=承諾)。指数は就労状況などの基本指数と、きょうだいの有無や祖父母の状況など、家庭の状況で加点・減点される調整指数を合算。入園希望者が同指数の場合は居住年数や世帯年収などの優先項目で決まります。
常識3:先着順や抽選、面談など、認可外保育園の選考方法・保育料は園次第
認可外保育園は、各園にそれぞれ申し込みをし、各園で選考します。その選考方法は園によって異なり先着順の園、面談による選考が行われる園などさまざま。また、認可の保育料は、各自治体が設定し、保護者の収入に応じて決まるのに対し、認可外は園にまかされています。一般的には、認可に比べて高額になるケースが多いです。
常識4:認可・認可外とも預かり年齢や時間、定員は園によって違う
認可にも、小規模保育園と言われる0~2才クラスのみの園や就学前まで通える5才クラスまでの園、少人数を家庭的な環境で保育する保育ママなどがあります。認可の場合、保育時間は通勤時間と勤務時間で決まりますが、延長保育などの預かり時間も園で異なります。クラスの定員も園ごとに異なり、入りやすさにも影響します。
常識5:0才クラスは、1才クラスより入りやすい
たとえば、0才クラスの定員が「5」、1才クラスの定員が「7」の園の場合、0才クラスに在籍していた子が全員進級すると、1才で募集される枠は「2」。つまり、1才の募集人数は少なくなりがちです。さらに、入園希望者も増えるため、1才クラスは激戦に。ただし、0才クラスがなく、1才クラスからの園は1才児の募集は比較的多めです。
常識6:4月入園を逃すと年度途中の入園はかなりキビしい
育休は、子が1才の誕生日を迎える前日までが基本。育休明けと同時に保育園に入れて仕事復帰を…と考える人も多いでしょうが、待機児童の多い現状では、年度途中に認可に入れる可能性はゼロではないものの、かなりキビしい状況です。入りやすさは4月入園が断然上。年度途中入園をめざすなら、認可外を数多く当たるのが賢明です。
常識7:残念ながら誕生月によって有利・不利がある
妊活中から保活は始まっていると言われることがあるように、残念ながら、赤ちゃんの誕生月によって、保活に有利・不利があります。有利な誕生月(おおむね4~7月生まれ)は有利さを生かして指数の加点をねらう、不利な誕生月は早めに視点を変えて自分に合う認可外保育園を探すなど、誕生月にあった保活をすることが大切。なお、一部自治体では不利が解消されるような対策をしていることも。
常識8:第一子は、認可保育園に入りづらい
多くの自治体で設けている調整指数や優先項目に、きょうだいがいることや、きょうだいで同時に申し込むことによる加点があります。きょうだいの年齢制限や同園志望の場合に限るなどの条件があることもありますが、年齢が近いきょうだいがいる場合は有利になることが多く、第一子は保育園に入りづらいと言われます。
常識9:認可・認可外とも、保育園の見学は妊娠中からできる
生まれてもないのに見学なんて…と思うかもしれませんが、認可・認可外とも、妊娠中に入園申し込みはできなくても、見学はOKのところがほとんど。体の調子がいいなら、単身で動ける妊娠中に行くほうが、産後よりもラクです。また、見学は認可の入園申し込みが始まる秋に近づくにつれて込むので、春夏の見学はおすすめです。
保活をスタートする前に、最低限これだけ知っておけば、役所の窓口で自分の状況を相談したり、募集要項を読んだりするのにも役立つはずです。保活はとにかく情報戦。産休・育休を取得して、産後職場に復帰する予定のある妊婦さんは、早めに役所で相談して自分の状況を把握し、体調が許せば、見学など妊娠中にできることを早めにしておきましょう。(文・たまごクラブ編集部)
■参考:たまごクラブ 2018年6月号「保活は誕生月によって戦略が変わります!」