”トイレで踏ん張ると破水する?”妊娠中のお悩みNo.1!便秘と痔 Q&A
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妊娠すると、体に様々な変化が見られるようになります。妊娠中にありがちなお悩みで、最も多く聞かれるのは便秘と痔。妊娠前に便秘や痔とは無縁だった人でも、悩む人が多いです。今回は、そんな便秘と痔に関するQ&Aを産婦人科医の小川隆吉先生に答えていただきました。先輩ママの便秘対策法も紹介します。
妊娠中の「便秘・痔」ココが気になるQ&A
妊娠中は便秘になりやすく、便秘が続くと痔になりやすい傾向があります。悪化しないように予防や改善を心がけましょう。
便秘と痔を予防するには、食物繊維たっぷりの食事が基本。症状が悪化したときには、産院に相談しましょう。
Q 便秘でいきんでも赤ちゃんは出てこない?
A 規則的な陣痛が始まらないかぎり、腹圧をかけていきんでも赤ちゃんが出てくることはありません。ただし、排便時に強くいきむのを繰り返すと、痔の原因になるので気をつけて。
Q おなかが大きくなるにつれ便秘がちに。よくあること?
A 妊娠中は女性ホルモンの影響で腸の動きが鈍るとともに、日に日に大きくなる子宮に腸を圧迫されて便秘に悩む人が多くなります。妊娠して運動量が減るのも便秘になる原因の一つです。
Q 便が何日も出ないままだと赤ちゃんに何か影響する?
A 便が腸内にたまっていても、赤ちゃんが苦しくなることはありません。便秘でつらいのはママ自身なので、医師に相談して妊娠中でも安全に飲める便秘薬を処方してもらいましょう。
Q 薬に頼らず、便秘を解消する方法は?
A 朝起きぬけに1杯の水を飲み、きちんと朝食をとりましょう。食物繊維が豊富な根菜や海藻、乳酸菌を含む発酵食品を食べて、適度な運動をすると効果的。
Q 便を出そうと踏ん張りすぎたら、破水しちゃわない?
A 赤ちゃんを包んでいる卵膜はとても丈夫です。予定日間近にお産の兆候として破水することはありますが、排便時にかたい便を出そうと踏ん張ったくらいで破水しないので大丈夫。
Q 痔になってしまいました。出産で悪化するの?
A 腟と肛門は近い位置にあり、赤ちゃんは便を押し出すように出てきます。ママが出産時に強くいきんだはずみで、いぼ痔が外に飛び出すケースもあるため、妊娠中は便秘を悪化させないことが大切。
先輩ママの「これで乗り切った!」便秘対策
先輩ママはどうやって便秘を乗り切ったのでしょうか? リアルな対策法を伝授します。
便秘対策①毎日バナナ
妊娠して便秘に。お通じが3日以上出ないこともありましたが、バナナなどを毎日食べたら便秘が解消!(産後7カ月)
便秘対策②処方薬
妊娠してから便秘がさらに悪化。2週間も出ない日が続いたので不安になり、産院で薬を処方してもらいました。(産後6カ月)
便秘対策③痔には座薬
排便時に少量の血が!受診したら切れ痔と診断されました。坐薬をもらって水分補給を心がけたら治りました。(産後10カ月)
妊娠すると体のあらゆる部分が変化して、便秘、尿もれ、腰痛などの不快な症状が起こりやすくなります。症状の程度には個人差がありますが、いずれも妊娠によるホルモンの変化や、全身をめぐる血液量の増加、大きな子宮が周囲の臓器を圧迫するのが原因。気になる症状のあれこれはママの体へと変化しているしるし。便秘や痔が気になる場合は妊婦健診の際に相談しましょう。(文・たまごクラブ編集部)
■監修:小川クリニック 院長 小川隆吉先生
1975年日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
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