切迫早産と診断…自宅安静中にコレやってもOK?NG? 医師に聞くべき11項目
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切迫早産と診断されたら、おなかの中で赤ちゃんを1日でも長く育てるために、安静な生活が必要です。一言で安静と言っても、自宅で安静にするのか、入院して安静にするのかは、切迫早産の症状によって異なります。今回は、自宅安静と入院安静の注意するポイントについて、産婦人科医の小川隆吉先生に教えていただきました。
切迫早産と診断されたら、まずやることは?
早産を防ぐために、医師の指示に従って安静を心がけてください。おなかの張りがある人は、張り止め薬を処方されます。働く妊婦さんは「母性健康管理指導事項連絡カード」を利用して、仕事を軽減してもらいましょう。症状が進むと、入院が必要となります。
早産とは?
妊娠22週~36週に出産してしまうこと。低体重で体が未成熟な状態で生まれた赤ちゃんは、呼吸障害などさまざまな問題が起こりやすくなります。
切迫早産とは?
妊娠22週以降に、おなかの張りや出血、子宮頸管が短くなるなどの症状が見られますが、安静にして治療を受けることにより、妊娠継続が可能です。
入院になるケース
下記の3つの症状があるときは、早産を予防するために入院治療が必要となります。
●おなかが張る
●子宮頸管が短くなっている
●子宮頸管が開いてきている
おなかの張りが強い場合は、医師の判断で張り止めの点滴が行われることもあります。自宅での安静が難しい人も、入院となるでしょう。
「自宅安静」での注意点:行動範囲には個人差。セックスはNG!
症状が軽い人は、自宅安静を指示されます。家事をしてもOKと許可された場合も、セックスはNGです。
「買い物は徒歩圏内で」
「シャワーはOKだけど、入浴はNG」
というケースもあるため、してもいいことを医師に確認しましょう。
OK? NG? 医師に確認することリスト
☑起き上がる
☑洗濯、洗濯物干し
☑布団の上げ下ろし
☑調理・炊事
☑シャワー
☑おふろ
☑掃除
☑散歩
☑仕事の自宅作業
☑家の階段の上り下り
☑近所への買い物
自宅安静解除後はどう過ごす?
引き続き「無理しない」を心がけましょう。おなかの張りがなくなった安静解除後も、早産しやすい状態は続いています。入院準備やベビーグッズの用意を早めにしておきましょう。入院安静を経て36週に退院した人は、規則的なおなかの張りが起きたら陣痛と考えて。
切迫早産の診断を受けて、安静生活を送る妊婦さんには、パパや家族の理解と協力が不可欠です。自宅安静といっても、ずっと寝たきりでトイレ以外は動いてはダメと言われる人や、洗濯や料理程度ならOKと言われる人もいます。自宅安静の診断を受けた時には、医師にしっかりと生活レベルを確認し、パパや家族に協力してもらいましょう。自宅安静と言われても、2人目の妊娠で上の子を見てもらえなかったり、家事などを引き受けてもらえない場合には、おなかの赤ちゃんのためにも医師と相談して入院も検討を。(文・たまごクラブ編集部)
■監修:小川クリニック 院長 小川隆吉先生
日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
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