妊娠高血圧症候群に注意が必要な人は?チェックポイント&今日からできる予防法6
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妊娠高血圧症候群は、ママと赤ちゃんの命の危険にかかわる怖い病気です。今回は、妊娠高血圧症候群に注意が必要な人のタイプと、今日からできる高血圧の予防法について、産婦人科医の小川隆吉先生に教えていただきました。
「妊娠高血圧症候群」に注意が必要なタイプ
下記の症状で当てはまるものが多い人は、注意が必要です。
☑妊娠初期の血圧が高め
妊娠初期に収縮期血圧130~139㎜Hgあるいは拡張期血圧80~89㎜Hgの場合。
☑高血圧の家系(当時は妊娠中毒症)だった
血縁に高血圧の人がいると、遺伝的なものや、生活習慣が似ているなどの要因があります。
☑実母が妊娠高血圧症候群
☑高年または若年出産
高年齢は生活習慣病になりやすく、15才以下では体が未熟なためリスクが高くなります。
☑肥満
BMI25以上の人はリスクが上がります。BMI=体重〈kg〉÷(身長×身長〈m〉)
☑腎臓に持病がある
☑料理の味つけが濃い
☑日ごろから運動不足
☑生活リズムが不規則
☑ストレスが多い生活
過労などの肉体的ストレスのみならず、精神的なストレスも要因となります。
☑初めてのお産
妊娠中の高血圧予防のために今日からできること6つ
上記の「妊娠高血圧症候群に注意が必要」に当てはまった人は、次の6つのことを今日から実践してください。当てはまらなかった人にも、もちろんおすすめです。
【1】<基本>妊婦健診は定期的に必ず受ける
妊娠高血圧症候群は、早期発見・早期治療が肝心。それには、妊婦健診を定期的に必ず受けることが重要で、基本中の基本といえます。健診は長いと4週間も間隔が空くため、家庭でもできる限り血圧のチェックを!
【2】1日30分のウォーキングなど適度な運動を
妊娠高血圧症候群の発症リスクにもなる急激な体重増加を防ぐためにも、適度な運動を取り入れることは大切。専門家が指導するマタニティスポーツに参加できない場合は、1日30分のウォーキングなどもおすすめです。
【3】塩分は1日10g以下。まったくとらないのもNG!
塩分の多い食事は高血圧の原因になりやすいため、1日10g以下の7~8gを目安に、控えめに摂取して。調味料や薬味を工夫して使用し、薄味に努めましょう。ただし、極端にとらないと血液循環に支障をきたすので注意を。
【4】睡眠不足や過労を避け、ストレスを減らす
過労やストレスも発症リスクの一つ。とくに仕事をしている妊婦さんは、多忙で睡眠や休養を十分にとれていなかったりストレスをため込んでいるようなケースも。周囲の協力を得て、心身をリフレッシュさせましょう。
【5】急激な体重増加を避ける
肥満は心臓に負担がかかるため、妊娠高血圧症候群の発症リスクが高くなります。妊娠中に急激に体重が増えると、もともと肥満でなくても同じ影響があります。体重増加は1カ月に1㎏を目安とし、低カロリーの食事を心がけて。
【6】トマト、ブロッコリー、アボカド、ナッツなどをとる
ビタミンCやE、またカルシウムなどの栄養素には、妊娠高血圧症候群の予防につながる効果があります。豊富に含むトマトやブロッコリー、アボカド、ナッツ、小魚などの食品をバランスよく摂取して発症を予防しましょう。
「妊娠高血圧症候群に注意が必要なタイプ」に当てはまり、心配な人は家でも血圧を測ると早期発見につながります。もともと高血圧などの持病を抱えている人は、妊娠高血圧症候群により注意が必要ですが、体重管理の徹底や減塩・低カロリー・高タンパクの食生活を心がけるなど、自分でできる予防対策もあるので実践しましょう。(文・たまごクラブ編集部)
■監修:小川クリニック 院長 小川隆吉先生
日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
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