”さかご”と診断…さかごを直す生活習慣&産院で指導される方法は?
eldinhoid/gettyimages
さかごと診断されたら、できるだけ早めに直したいですよね。今回は、さかごを直すために生活の中で意識できること、産院で指導されることのある方法について、産婦人科医の小川隆吉先生に教えていただきました。
子宮の筋肉を緊張させないことが大切
赤ちゃんに頭を下にした姿勢に直ってもらうには、動きやすいように子宮内の環境を整えてあげることが必要です。それには、子宮の筋肉を緊張させないことが大切。ママ自身がリラックスして、体を冷やさないように心がけてください。子宮の筋肉がやわらかく伸びやすくなれば、赤ちゃんも自由に動き回ることが可能です。
ママが生活の中でできること
疲労や冷えは、おなかの張りの原因になります。リラックスして体の血流がよくなると、張りが緩和し、さかごが直りやすくなります。また、あまり深刻にならず、さかごも個性と考えて。
さかごを直す5つの生活テク
まずは、下記の5つを生活の中で意識してみましょう。
1.イライラせずリラックス
2.無理しすぎない。動きすぎない
3.おなかの赤ちゃんに「頭はこっちだよ~」と話しかける
4.身体を冷やす食事や飲み物を控える
5.足元や腰まわりを温める
産院で指導されることのある方法
※必ず医師の指導の下に行いましょう
さかご直しを行うかどうかは、産院の方針によって違ってきます。また、ママの体調によって行えないこともあるため、医師に相談を。自宅で手軽にできる方法もありますが、おなかが張りやすくなる場合もあるので、無理は禁物です。早産傾向のある人や羊水(ようすい)の少ない人などが行うと、トラブルの原因になる可能性も。いずれも、必ず主治医の許可を得て、医師や専門家の指導のもとに行いましょう。
【1】横向きで寝る:側臥位(そくがい)
赤ちゃんが回転しやすいように、赤ちゃんの背中側を上にし、その反対側を下にして横向きに寝る方法。ただし、健診時に赤ちゃんの向きがわかっても、就寝時には変わっている可能性もあります。
【2】腰を高くする:骨盤高位(こつばんこうい)
腰の下に枕を入れ腰を高くした状態で、10~15分あお向けに寝る方法。その後、骨盤ベルトで固定する方法もあります。いずれも、おなかが張ってきたときは中止しましょう。
【3】その他の方法:さかご体操、外回転術、鍼、灸
「さかご体操(胸膝位<きょうしつい>)」は、ひざと胸を床につけ、おしりを高く持ち上げる姿勢を保つ体操が知られています。
また、行える施設は限られていますが、医師がママのおなかの外側から手で赤ちゃんを回転させる「外回転術」という方法も。これは、万一に備えて、緊急帝王切開に切り替えられる準備を整えてから行います。
そのほか、鍼(はり)や灸(きゅう)でツボを刺激し、体内の血流を促して子宮筋肉の緊張を緩和することで、さかごを直す方法なども行われています。
イライラしたり、動きすぎておなかがかたく張った状態が続いたり、体が冷えていると赤ちゃんが回転しづらいので、日ごろからリラックスして、体を温めることを意識してゆったり過ごしましょう。さかご直しやさかご体操をしていいかどうかは、体調や産院の方針にも寄るので、必ず医師に相談してください。(文・たまごクラブ編集部)
■監修:小川クリニック 院長 小川隆吉先生
日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。