ワーキング妊婦の【体調不良】どうやって伝えるのが正解?
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妊娠中は、体調の変化が起きがち。とくに、仕事をしているワーキング妊婦さんにとって、「体調が悪いんだけど言いづらい・・・」というシーンも多いのでは? 伝え方によっては、相手を嫌な気持ちにさせたり、自分の立場を悪くしたりしてしまうことも。そこで、女性のキャリア・働き方の専門家、毛利優子さんに「上手な伝え方」を教えていただきました。
まず直面する「つわり」という壁。体調がすぐれないときは?
ワーキング妊婦さんが、まずぶつかる壁が「つわり」。体調不良の原因としてダントツです。でも、そのつらさ、なかなか周囲には理解してもらえないことも・・・。つらいとき、どのように現状を伝えたらよいか、また通勤がつらいときにどう申し出たらいいかなどを伺いました。
妊娠を知っている同僚にはどう伝える?
「まず同僚に仕事の進ちょく状況を伝えた上で、『今日、体調が悪いのですが、早退してもよろしいですか』と相談しましょう。相手が先輩などで言いづらい場合は、上司から伝えてもらう方法も。ただ、必ずそのあとでお礼の気持ちを伝えましょう」
妊娠を知らない取引先にはどう伝える?
「『本日、体調不良のため、打ち合わせに出席できなくなりました』など、まずは『妊娠』ではなく、『体調不良』という言葉でやんわりと伝えて。取引先との親密度にもよりますが、メールだけでなく、電話で話すほうが誠意が伝わります」
通勤がつらくて時差通勤にしたいとき、上手に申し出るには?
「“母性健康管理指導事項連絡カード”は、通勤緩和や職務内容の軽減などの指導を、医師や助産師が記入する用紙。それを提出することで、現状を職場に的確に伝えられます。『たいへん申し訳ないのですが、●●の症状があり、医師からこのような診断をされました。通勤中も途中下車してしまう状況なので、時差通勤などの処置をご検討いただけませんか』と、カードとともに医師の指示であることを上司に伝えましょう」
つわり以外にも想定される体のトラブル。どう伝える?
つわりが終わっても、おなかの張りやむくみがあったり、自宅安静が指示されたり、妊娠中は体のトラブルがつきもの。体がつらくて仕事量や内容を考慮してもらいたいときや、会社を休まざるを得ないときなどの、上手な伝え方も教えていただきました。
体がしんどいときの上手な伝え方は?
「『私はつらいんです』と、感情的に訴えるのはNG。あくまでも客観的に、『医師から言われたのですが、今の時期は●●の症状が出やすくなるようなんです』と、冷静に体調や状況を伝えるほうが理解されやすいもの。
また、仕事でかかわりの深い同僚には、起こり得るトラブルや突発的な事態をあらかじめ伝えておくことも大事。妊娠は病気ではありませんが、つわりやおなかの張りなど、予測できる症状を事前に伝えておくことで、周囲は心構えができて、安心できるものです」
自宅安静を指示されたときは、どうすればいい?
「仕事を休む事態になったら、まず直属の上司におわびと感謝の気持ちを伝えましょう。その上で同僚にもひと言、メールを送っておくとGOOD。
『この度は体調不良で突然お休みすることになって、申し訳ございません。医師より切迫早産と診断され、しばらく自宅安静を指示されました』という内容とともに、『〇〇さんにもご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいですが、体調が落ち着き、復帰した折には頑張りますので、しばらくの間、どうぞよろしくお願いいたします』という気持ちを伝えると、好印象です」
伝え方ひとつで、周囲の印象や自分の評価が変わることが多々あります。無用なトラブルを避けるためにも、ぜひ参考にしてください。(文・たまごクラブ編集部)
■監修/Flexible Career代表 毛利優子さん