「妊娠報告」忙しい職場に、妊活中の友人にどう伝える? 専門家に聞く
妊娠したことを周囲にどう報告したらよいのか。夫の両親には? ただせさえ忙しい職場は? 体調や赤ちゃんの成長も気になり、伝える相手やタイミングに悩むというママの声がよく届きます。だれに、どのような順番で、どんなことを伝えたらいいか、少しでも参考になればとNPO法人日本サービスマナー協会認定マナー講師の中村裕美子さんにアドバイスしてもらいました。また、要望の多かった感じのいい一言フレーズも例としてお届けします。
妊娠によって影響を及ぼす人には早めに伝えて
妊娠中にお世話になる人、影響を及ぼす人を優先して伝えましょう。まず、両親と義父母にはサポートしてもらうことが出てきますから、最初に伝えて。次に、働いている場合は直属の上司です。「安定期に入ってからのほうが安心?」と考えるかもしれませんが、妊娠初期は体調が変化しやすく、対応してもらうためにも早めの報告がおすすめです。そのあとは、同僚や友人の順で、影響度や付き合いの深い人から。同時期に伝えたほうが、「私だけ知らなかった」という言われずに済みます。
●両親・義父母に伝えるタイミングの注意点
関係性や住まいの距離にもよりますが、できれば電話で直接の報告をおすすめします。義父母はパパに伝えてもらっても問題ありませんが、ママがひと言加えるとベター。また、双方の報告にあまり時間差をつけず、妊娠判明後なるべく早く伝えるのが望ましいでしょう。
●職場に伝えるタイミングの注意点
赤ちゃんの心拍が確認されたら、なるべく早い時期に、直属の上司に対面で伝えることをおすすめします。事前にメールで、個別に話す時間をつくってもらうようお願いしてから報告を。仕事に影響を及ぼす可能性のある同僚にも、直属の上司のあとに報告しましょう。
●友人に伝えるタイミングの注意点
頻回に会っている友人には、つわりが落ち着いたころに電話やメール、LINEなどで報告を。グループの場合は、同時期に伝えることが鉄則ですが、グループの中に独身や妊活中の友人がいて、配慮したい場合は、一斉ではなく個別に報告するほうがベターの場合も。
妊娠週数や予定日、今の体調なども報告を
妊娠報告時は、まず現在の週数と体調、出産予定日の基本情報を伝えましょう。さらに、両親や義父母、上司など、サポートをお願いする相手には、いつごろどんなサポートが必要になりそうか、わかる範囲での見通しも加えて。とくに、職場にワーキングマザーの前例がない場合は、上司側もわからないことが多いので、つわりや切迫流産など起こり得ることも伝えておくと◎。また、友人や同僚への報告では、相手が妊活中だったり、パートナーが妊活中という人もいるかもしれません。テンションが高めの報告よりも、事実のみをシンプルに伝えるほうがスマートです。
相手別 伝えておきたいことと感じのいいひと言
●両親・義父母に伝えておきたいこと
・今の週数と体調、出産予定日
・どの産院で健診を受けているか
・どこで出産するか
・里帰りや産後のサポートの予定
・親戚やきょうだいに伝えるタイミング
●感じのいいひと言フレーズ
「これからお世話になると思います。よろしくお願いします」
お互いの両親に、「子どもを授かった喜び」や「サポートのお願い」を“夫婦として伝える”気持ちが大切。きょうだいや親戚にいつ、どう伝えるか夫婦で話しておき、両親に相談しておくとトラブルが避けられます。
●上司に伝えておきたいこと
・今の週数と体調、出産予定日
・産休、育休を取得するか、退職か
・今後の体調で起こり得ることと、そうなった場合にできること、できないこと
・職場のほかの人への報告のタイミング
●感じのいいひと言フレーズ
「これからご相談させていただくことが増えると思います。よろしくお願いいたします」
妊娠中の体調は、自分の思い通りに管理できません。「無理ができなくなること」、「理解をお願いしたいこと」を謙虚な気持ちで伝えましょう。また、早い時期の公表を控えたい場合も、きちんと伝えて。
●友人に伝えておきたいこと
・今の週数と体調、出産予定日
●感じのいいひと言フレーズ
「ちょっとバタバタしてしまうけど、これからもよろしくね」
妊活中の友人には、事実のみを伝えるにとどめたほうがいい場合も。また、体調によっては妊娠前のように頻繁に連絡がとれなくなる可能性もあります。それでも今後、関係性を続けたいという気持ちを伝えて。
報告する相手との関係性や、妊娠経過、体調など、個々の事情はさまざまあるため、妊娠報告に正解はありません。「相手とどんな関係でいたいのか」、「自分が相手の立場だったらどう感じるか」を考えながら、報告ができるといいですね。
(文/たまごクラブ編集部)
監修/NPO法人 日本サービスマナー協会 認定マナー講師 中村裕美子さん