こんな時期だからこそ 妊婦さん「席ゆずります」マークが広がり中
「マタニティマーク」の“ゆずる側”バージョンのマークがあるって知っていましたか? 電車やバスで妊婦に席をゆずりたい人が意思表示のために身に着ける「席ゆずりますマーク」、SNSなどを通してじわじわ広がっています。このマークを考案した現役パパ、椎野祐輔さん(31才)にお話を聞きました。
席をゆずる側もゆずられる側も、勇気を出しやすくなるアイテムを
(椎野祐輔さん 以下敬称略) 昨年11月、妊娠9カ月の妻と一緒に電車に乗っているとき、優先席に座っていたおばあちゃんが妻に席をゆずってくれたんです。
妻はマタニティマークをつけていて、すでにおなかも目立つ時期。座席には若い人も座っていましたが、結果的にお年寄りに負担をかけてしまった。
席をゆずる側も、ゆずられる側も、声をかけるには勇気が必要だなと。その勇気を出しやすくなるアイテムとして、マークを作ることを思いつきました。
「このマークで『どうぞ』のひと言を言い出しやすくなった」
(椎野) 翌日から製作を開始。今年1月上旬にはSNSを通して非営利目的での販売を始めました。おかげさまで老若男女問わず、ご購入いただいています。クリニックや企業からの引き合いも。
ヘルプマーク所持者やご高齢の方など席をゆずられる側の方からの反響もいただいています。
「このマークをつけることで『どうぞ』のひと言を言い出しやすくなりました」「座ったとき、周囲に席を必要としている人がいないか気にするようになった」といった声や、経産婦(けいさんぷ)さんから「妊婦だったころ、たくさんの方に席をゆずっていただきました。今度は私がゆずる番です」「私が妊娠していたころ、このマークがあったらどれだけ救われていただろう」という声も寄せられていて、効果を実感しています。
少しでも妊婦さんが安心できる環境づくりの助けになれば
(椎野) このマークをだれにいちばんつけてほしいか考えたとき、通勤や通学の方だと思ったので、通勤・通学バッグにつけやすいように、色や材質や形をできる限りスマートなデザインにしました。
マークを見た人が一発で用途が理解できることが最重要と考え、できる限り大きい文字でメッセージを入れています。
また、最近、妊婦の方が攻撃のターゲットにされたり、ベビーカー問題などがあったりで、妊婦さんが生きづらい世の中に感じます。このマークの存在は、妊婦さんが安心できる環境づくりにもなると考えています。
文/たまごクラブ編集部
「席ゆずりますマーク」は、オンラインを中心に非営利で販売中です。実費相当分380円(税込)+送料120円(全国一律)。詳しくは「席ゆずりますマーク」のホームページに掲載されている。
参考/『初めてのたまごクラブ2020年夏号』「企画名 たまごの殻さわぎ」