川崎フロンターレ 小林悠選手に聞く「僕が歯の健康を大切にする理由」
歯の健康は誰にとっても大切なものですが、とくにトップアスリートは、歯がそのパフォーマンスに大きな影響を与えるといわれています。川崎フロンターレの小林悠選手も、歯の大切さを強く実感したという1人。いったい何があったのか、小林選手に聞きました。
ケガが続いていた小林選手にチームトレーナーが…
川崎フロンターレ
小林悠選手
1987年生まれ。東京都町田市出身。Jリーグ・川崎フロンターレ所属。ポジションはフォワード。攻撃の核となり貪欲(どんよく)にゴールをねらい、時には献身的なハードワークでチームをけん引する。3人の男の子のパパで、Jリーグきってのイクメン。
――小林選手は練習や試合の際、マウスピースをつけているそうですね
2016年ごろだったと思いますが、筋肉系のトラブルが続いたことがあったんです。体のことは人一倍気をつけていましたが、何度も肉離れが再発して。そのとき、チームのトレーナーから「歯並びやかみ合わせが原因でケガをすることがあるから、マウスピースを試してみたら」とすすめられたのがきっかけです。
つけてみると、体のバランスがよくなって、グッと力を入れられるようになったのか、筋肉系のケガはかなり減りました。今では、マウスピースをしていないと不安になるほどで、運動中は欠かせません。
――歯が体のバランスと関係しているんですね
もともと歯並びはいいので、深く気にしてなかったのですが、全力で走るときや相手との接触プレイのときなど、思っている以上に歯を食いしばっているのだと思います。
歯の大切さを知って、今は、ちゃんと定期的に健診に行って、ホワイトニングを含め、ケアを続けています。小さいころはむし歯があっても、歯医者さんに行くのがいやでいやでしかたがなかったんですけどね(笑)。
疲労はその日のうちに解消。9時間は寝ます
――歯のほかに、アスリートとしてどんなことに気をつけていらっしゃいますか?
基本的なことですが、疲労はできるだけその日のうちに解消するようにしています。練習や試合後はストレッチをしてアイスバスに入り、疲労を回復させて、血液を循環させる。疲労の蓄積がケガにつながると思うので。
加えて、毎日、ひざまわりの筋力トレーニングも欠かせないですね。僕の場合、ひざのケガが多く手術もしていて、かなり痛んでいる状態なので。ひざに負担をかけずにプレイできる体づくりは意識的に行っています。
あとは、十分な睡眠。寝室に入ったらスマホを触らず、寝ちゃいます。毎日9時間くらい寝てるかな。
――食事面ではどうですか?
食事でのケアは、奥さんの料理を食べること。管理栄養士の資格を持っていて、毎日、コンディションに合わせたバランスのいい食事を作ってくれるんです。
あとは、アスリートとしては当たり前のことですが、体に悪いことはしない(笑)。本当はお菓子とか甘いものが大好きなんですが、シーズン中はがまんしています。その代わり、オフに入ったら数日は思いっきり食べます。
夢に向かって頑張れる原動力は、親への感謝
――小林選手は3人の男の子のパパでもあります。子育てで気をつけていることはありますか?
頭ごなしに言うのではなく、ちゃんと言葉で説明するようにしています。たとえば、嫌いなものを食べたくないと言ったら、どうして残してはいけないのかを説明します。嫌いだったとしても、体にとって大事な栄養が入っているから、食べなくてはいけないんだよって。
僕自身は小さいころから好き嫌いはなかったのですが、それは、食事を残すのは失礼、出されたものは全部食べるという教えで育ったからなんです。だから僕も、子どもには感謝をして食べるようにとも教えています。
――お子さんの歯みがきはどうでしょう?
子どもたちの仕上げみがきは僕もやってます! 子どもたちは自分から口を開けていい子にしてくれますよ。何かの絵本を見ていたときに、「ムシバイキンがいるんだよ!」って教えたことがあって。歯みがきのとき、「ムシバイキンをとらなきゃ!」って言っていたのがよかったのかもしれません。
あとは、僕が自分の経験から、「むし歯になると本当に大変だよ」「注射より全然痛いから」「歯みがきだけはしっかりやろうね」って言い聞かせたので、その影響もあるのかな。
むし歯予防になるキシリトールガムもよくかんでいますよ。僕は車にキシリトールガムを常備して、練習の行き帰りにかむのが習慣なんですが、子どもも知ってるので、車に乗った途端「ガム!ガム!」って(笑)。
――小林選手にあこがれている子どもたちがたくさんいます。伝えたいメッセージはありますか
夢を大きく持ってほしいということと、お父さんやお母さんにしっかり感謝できる子になってほしいということですね。小さいうちに気づくのはむずかしいと思いますが、ごはんが出てくるのは当たり前じゃないんだよ、っていうのは伝えたい。
僕は母子家庭だったこともあって、幼いながらに母を幸せにしたいと思っていました。母の背中、母が頑張っている姿をずっと見てきたので、サッカー選手になってお金を稼ぎたい! 僕も頑張らなくては!という気持ちを強く持ち続けることができた。結果、まわりの人に優しくなれるし、人間としても成長できるんだと思います。
親になった今、子どもたちにしっかりとした背中を見せたい。だから、より一層、サッカーを頑張っているって感じですね。
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