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将来の健康にも影響!?【年齢別】子どもの歯並びをよくする乳歯ケア

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歯並びは、赤ちゃんのうちからケアをしていくことがとても重要だということをご存じでしょうか。永久歯が生えてから歯を矯正するのは費用も時間もかかります。将来にわたって健康にも影響する歯並び。気をつけたいことを赤ちゃんの歯のケアに詳しい専門家に聞きました。

乳歯のときの歯並びが、子どもの長生きと一生の健康の元になる!?

お答えいただいたのは
テクノポートデンタルクリニック院長
倉治ななえ先生

歯並びやかみ合わせが悪いと、毎日の食事のときにしっかりかむことができません。子どものあごや顔の骨はよくかむことで成長するのですが、かめないと、その成長を妨げることになります。結果、将来、本格的な不正咬合(ふせいこうごう・上下の歯がきちんとかみ合っていない状態)になり、矯正が必要になる可能性もあります。反対に、4歳ころまでに、正しい姿勢でよくかむ習慣が身についたお子さんでは、あごの骨が大きく育つため、将来、きれいな歯並びと正しいかみ合わせを手に入れることにつながるといえます。

乳歯のころから正しい姿勢で、一口30回(=右で10回、左で10回、両方で10回計30回)かむ習慣を身につけましょう。そうすると、あごの骨がしっかり発育するため、きれいな歯並びと正しいかみ合わせの「永久歯列」が獲得しやすくなります。歯並びがきれいな人は歯磨きがやりやすいので、むし歯や歯周病のリスクも低下。その結果、歯を失う可能性が低くなり「8020(80歳で20本以上の歯を維持すること)」達成もより容易になるため、高齢者になっても自分の歯で食事をとることができます。

つまり、きれいな歯並びと正しいかみ合わせが、子どもが生涯にわたって健康で長生きすることにつながるのです。そのスタートが、乳歯のころの歯並びとかみ合わせにあるなんて、知らない方も多いかもしれません。小さなお子さまのママ・パパには、毎日の歯並びとかみ合わせがその子の将来の健康状態を作っているのだと思いながら、歯みがきや食生活、食事中の姿勢など考えていただけたらうれしいです。

【0~2歳までのケア】おしゃぶりは2歳で卒業したい。指しゃぶりは?

乳歯が生えはじめ、20本の乳歯のうち16本ほどが生えてくるのが2歳。きれいな歯並びのために、2歳ごろまでに気をつけたいポイントは次の4つです。

【ポイント1】乳歯をむし歯にしない
この時期にもっとも大切なのは、乳歯をむし歯にしないこと。一本でもむし歯になるとその歯でかむことを避けるため、片側だけあごの骨の発育が阻害されてしまいます。骨格が左右、あるいは前後で不均衡になり、結果的に悪い歯並びの子に育ってしまいます。

【ポイント2】おしゃぶりや指しゃぶりを放置しない
成長中の子どものあごの骨は、まるでやわらかい粘土のよう。おしゃぶりが続けばおしゃぶりの形に、指しゃぶりが続けば指の形に、歯並びや骨格も変形します。おしゃぶりは2歳まで、指しゃぶりは4歳までに卒業することが望ましいです。どうしても続くようなら、歯医者さんに相談しましょう。おしゃぶりや指だけでなく、ストローやおもちゃ、自分の服のそでやつめ、下唇や舌をかむくせも同様です。

【ポイント3】鼻呼吸を身につける
成長中に口呼吸が続くと、開咬(かいこう・上下の前歯の間にすき間ができること。食べ物がかみ切れないことも)になる可能性も。口呼吸の原因は、鼻づまりであることが多いです。耳鼻科医と相談して鼻呼吸が身につくようにしましょう。

【ポイント4】母乳と哺乳びんに気をつける
授乳においては母乳哺育または、母乳と同じような働きの哺乳びん用乳首を選ぶことで、正しい舌の使い方をこの時期に覚えさせましょう。

さらに、子どもの寝方が歯並びに影響することも。いつも同じ側のほおを布団につけて寝ている子は、そちらのあごの骨の発育が不足することがあります。寝返りを打って長時間にならなければ大丈夫ですが、できるだけ上を向いて大の字でのびのび寝られるといいですね。

【3~5歳までのケア】かむ力がきれいな歯並びをつくる!

2歳までのケアと同様ですが、将来のきれいな歯並びのためには、乳歯をむし歯にしないこと。むし歯で歯の側面に1mm穴があいたとしたら、その分、歯槽骨の幅を1mm失ったと考えましょう。当然、歯並びにも影響します。

お子さんの歯をむし歯にしないためには、歯磨き、正しい食生活、フッ素で歯質強化、定期的な健診を歯医者さんで受けること、そして、キシリトールを取り入れることです。キシリトールはむし歯の原因の酸を発生しないので、むし歯予防に役立ちます。甘いもの好きなお子さんのおやつや歯みがき後のごほうびに追加してはいかがでしょうか。フッ素とキシリトールを併用することで、再石灰化効果も高まります。

そして、何より大切なのは、よくかむことです。成長中の子どものあごの骨は、かめばかむほど成長して大きく育ちます。十分に成長した「歯槽骨(しそうこつ・歯を支える骨)」では、永久歯の生えかわりも順調で、歯が正しい位置に並びやすくなります。よくかむことこそ、きれいな歯並びの原動力。子どもがよくかめるよう、日々の姿勢と食生活にはこだわりたいですね。

食事のときは正面をむき、一口30回を目安にかむよう促しましょう。正しい姿勢で、楽しくいただくことで唾液(だえき)もたくさん出て、消化やあごの骨の発育を助け、さらにむし歯予防にも役立ちます。これらは大人の方にも通じる考え方なので、ぜひご家族で実践してみてください。

参考図書
「夢は矯正いらず 子育てできれいな歯並びを!」(倉治ななえ著/主婦の友社)
「歯並びのよい子に育てるために―子育て歯科医からお母さんへ―」(倉治ななえ著/わかば出版)
「図解 むし歯・歯周病の最新知識と予防法」(倉治ななえ監修/日東書院)

甘いのにむし歯予防が期待できるキシリトールって? 詳しくはこちら>


知っておきたいことがいっぱい
\100年生きる時代だから/「子どもの歯とお口問題をちゃんと考える会」サイトはこちら>


子どものために、知っておいたほうが絶対いい! むし歯とキシリトールについて こちらもチェック!

協力/株式会社ロッテ

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