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今、”パパ見知り”が増えている!? 「8カ月不安」は愛着形成の表れ? いつ頃落ち着くの?【専門家】

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注意のために泣いているアジアの空腹の少年は、彼を慰めようとしている両親を怒鳴ります。アジアのコンセプトにおける親
※写真はイメージです
twinsterphoto/gettyimages

それまであやすとニコニコ笑っていた赤ちゃんが、あるときから急にパパを嫌がったり、抱っこされると泣いたりすることがあります。このように赤ちゃんの成長にともなって表れる「パパ見知り」は、いつごろから、なぜ起こるのか、発達心理学に詳しい昭和女子大学の石井正子先生に話を聞きました。

赤ちゃんの人見知りとはどんなもの?

――まず、赤ちゃんの人見知りとは、いつごろどのように始まるものなのか教えてください。

石井先生(以下敬称略) 赤ちゃんの人見知りは、発達心理学的には「8カ月不安」ともいわれ、見知らぬ人を怖がって泣いたり、拒絶したりする行動です。ほとんどの赤ちゃんに見られ、6〜8カ月くらいから1才半くらいまで続くことが多いです。これは、いつもお世話をしてくれる身近な人と愛着関係を築けていることと、身近な人とほかの人を区別できるようになった認知能力の発達、2つの面で赤ちゃんが順調な発達をしている証拠です。

――ほとんどの赤ちゃんが人見知りをするといっても、その表れ方・見え方には違いがあるように感じますが。

石井 人見知りに限らず、私たちが示す特性の多くは、生まれたときから持っている特性(遺伝的要因)と、生後の環境(環境要因)のかけ算だといわれています。
ただし遺伝の影響を強く受ける特性(髪の色や身長)もあれば、環境の影響を強く受ける特性(言語、食習慣)もあります。人見知りの表れ方の強弱は、その両方が影響しているといえるでしょう。
敏感で警戒心が強い赤ちゃんは多くの人に人見知りを示しますし、どちらかというと、おおらかで好奇心の強い赤ちゃんは、人見知りをしても現れ方があまり激しくはないものです。

赤ちゃんはママとパパとの微妙な違いを感じ取っている

――では、パパが赤ちゃんに泣かれてしまうなどの「パパ見知り」について教えてください。

石井 パパ見知りは、人見知りと同様にパパが抱っこしようとすると嫌がったり泣いたりする状況ですが、もしかすると一般的な人見知りとは少し違うかもしれません。パパ見知りが起こってしまうのは、赤ちゃんにパパがかかわろうとしているという行為が、裏目に出ている可能性はあると思います。

――裏目に出ている、とはどういうことでしょうか。

石井 実は、赤ちゃんとの愛着形成において、「エントレインメント(同期行動)」が重要な役割を果たすと考えられています。これは、赤ちゃんの行動と養育者の働きかけが同期してタイミングよくやり取りが繰り返される現象のことです。
例えば、授乳のときに赤ちゃんがときどきおっぱいを吸うのをやめてお母さんを見つめることがあります(これは人間の赤ちゃんだけに見られ、猿の赤ちゃんはおっぱいを飲むのを途中でやめません)。お母さんはそれに呼応して「おなかいっぱいかな?」「もうちょっと飲んで」などと話しかけると、赤ちゃんは安心してまたおっぱいを飲み始めるというようなやりとりがありますが、このような同期行動のやりとりのなかで、お母さんは、赤ちゃんの感情を敏感に感じ取って上手に対応する方法を身に着けていきます。赤ちゃんの感情を養育者が上手に理解して、調整してあげることを「情動調律」と言います。

育休を取って毎日それなりに長い時間を赤ちゃんと一緒にいるなら違うかもしれませんが、赤ちゃんと一緒に過ごす時間や経験が少なくなりがちなパパは、赤ちゃんの気分を感じ取って、それに合わせてあやしたり、話しかけたりする「情動調律」を身につけるのには時間がかかるかもしれません。赤ちゃんによっては、世話をしてくれる人がママでもパパでも、それほど気にしないという場合もあるでしょうが、微妙な抱き方の違いや、声かけの違いに敏感に反応する赤ちゃんもいます。

パパが抱っこすると赤ちゃんが泣いてしまうのは、赤ちゃんからしたら、ママに抱かれて気持ちがいい状態でいるのに、パパが抱っこすることでちょっと居心地が悪い状態になるからです。そこでぐずったり泣いたりするのは、赤ちゃんにとって自然な気持ちですよね。

パパ見知りは、パパが子育てにかかわろうとする姿勢の表れ

――赤ちゃんのお世話をしたいと思っているパパにとっては、ショックな気持ちになりますね。

石井 「パパ見知り」という言葉は、ここ20年ほどで広まったようですが、パパが子育てに積極的にかかわるようになったことの結果かもしれません。
「仕事をして家計を支えるのが父親の役割、子育ては母親の仕事」とされていた男女役割分業が当たり前だった高度経済成長期には、そもそも父親が乳児期の赤ちゃんにかかわる機会は少なかったので、「パパ見知り」など問題にもならなかったのだと思います。たまにしか子どもに会えないパパに子どもが人見知りを示したとしても、パパ自身も育児は自分の仕事じゃないと思っていればそれほどショックを受けることはありません。

それが最近では育児休業を取得するパパも増え、赤ちゃんのお世話に参加するようになって初めて、赤ちゃんに人見知りをされる・されないということが問題になってきたのでしょう。赤ちゃんの「パパ見知り」が気になるのは、家族の中でパパが積極的にママを助けたい、赤ちゃんのときから子育てにかかわりたいという姿勢の表れだと思います。抱っこひもで赤ちゃんを連れたパパの姿をよく見るようになりましたよね。

――では、パパ見知りはどのくらいの時期で落ち着きますか?

石井 個人差はありますが、一般的な人見知りは2〜3才で落ち着いてきます。この時期の子どもの大きな特徴は言葉の理解力が急激に発達することです。言葉で記憶ができるようになり、言葉での説明が少しずつ理解できるようになる。すると、不必要な恐怖や不安を抱くことが減ってきます。

たとえば、言葉がわかるようになってきた赤ちゃんに「今日はおばあちゃんが、あなたの大好きなおもちゃを持って遊びにくるよ」と話し、写真を見せたりすると、赤ちゃんの頭の中におばあちゃんのイメージができます。すると、実際おばあちゃんに会ったとき、突然現れた見知らぬ人ではなく、この人はおばあちゃんだ、と理解できるわけです。だから、言葉が使えるようになり、イメージが記憶できるようになることは、人見知り行動が落ち着くこととすごく関係があると思います。
過去の記憶や未来のできごとを言葉で明確にイメージできると不安や恐怖は減るんですね。初めての人に会うときなどは、あらかじめ説明をしてあげるのはとても大切です。

まだ言葉が話せない時期の赤ちゃんにも、パパとかかわるときに「今日はパパと一緒に遊ぼうね」「パパとこんなところにお出かけするよ」と、伝えてあげると赤ちゃんの安心にもつながります。パパ見知りが起こるのは、赤ちゃんの大切な発達段階のひとつですから、おおらかな気持ちで成長を見守ってほしいと思います。

お話・監修/石井正子(いしいまさこ)先生 

取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

大好きなわが子のお世話をしようとしても、泣かれたり嫌がられたりするとパパはショックを受けるかもしれません。でも、パパ見知りは赤ちゃんの成長過程の行動のひとつなので、気にしすぎなくても大丈夫。ほかの方法で育児をサポートしましょう。赤ちゃんがパパ見知りをしなくてもいいくらい、パパと赤ちゃんが一緒に過ごす時間がとれるような社会になるといいですね。お互いに協力しあって、赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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