夫の趣味が受け入れられない!主婦を悩ます夫の高額&危険な趣味
今回のテーマは、趣味にかかるお金についてです。子どもの教育資金や家のローンなど優先するものがあると、趣味に回せるお金は後回しになることもありますよね。口コミサイト「ウィメンズパーク」に寄せられたママの悩みは、夫がお金がかかる上に危険そうな趣味をはじめようとしているという内容です。そこに集まったママたちの声を紹介するとともに、ファイナンシャルプランナーの菅原直子さんにアドバイスをいただきました。
バイクの免許を取って乗りたいという夫。賛成する? 反対する?
――まずは、ママの悩みを紹介します。
「夫が急に大型免許を取ってバイクを購入したいと言っています。コロナの影響で飲み会がほとんどなくなり、また半年前に禁煙して小遣いがあまるようになったのもキッカケの一つだと思います。
バイクは自分の小遣いの範囲内でやるから、家計には迷惑かけないと言っています。でも、すぐに『良いよ』とは言えなくて、以下のやりとりがずっと続いています。
・事故が怖いから心配→それは車でも一緒と言われます
・これから子どもたちにもお金かかるのに、趣味にそんなにお金を費やしていいのか→小遣いの範囲内でやるから大丈夫
・今まで、釣り、キャンプ、筋トレと、いろいろな趣味をしてきたが、飽き性で全部1年ほどで全くやらなくなった→飽きるかもしれないけど、バイクに乗らなくなったら売るからいい
私は無趣味で、いろいろとやりたいことを見つける夫がうらやましい気持ちと、自分は生活をやりくりすることを考えるのが優先で、自分のことにお金を使うことは後回しになっているのにという気持ち、小遣いの範囲内でやっているとはいえ、腹立たしく思っている部分もあると思います。
みなさんだったら、どうしますか?」
――この悩みに対して、ママたちから様々なアドバイスが集まりました。
■ 車と違ってバイクの危険性は比べものにならない
「事故の危険は車とは全然一緒じゃないです。
車は、そこそこの事故なら車体が守ってくれますが、バイクは体丸出しですから、体への被害の大きさは比べものになりません。
ただ、それ以外の部分を読めば、客観的には『いいんじゃないの?』と思います。
家計には影響のないようにと言っているんだし、飽きたら売ると言ってるんだし?
『自分は専業主婦で生活をやりくりすることを考えるのが先で、自分のことにお金を使うことは後回しになっている』なら、お子さんが大きくなってきたときに、少し自分の収入を得る道を模索して、自分のことにお金を使えるようにしたらいいのでは、と思います」
■ これから、どれくらいお金がかかるか、数字を見せては?
「本来、夫が40万円自由に使うなら、妻も同額使うべし!と私は考えるほうなのですが、そのあたりも相手にちゃんと考えさせたほうがいいと思います。
お子さんにかかるお金にしても、漠然と『たくさんお金がかかります』ではダメ。
中学の入学費用・諸経費・高校・大学でかかるお金など、子どもにかかる金額は調べたらすぐにわかります。
それらを紙に記入して、きちんと見せること。おそらく最低部分を計算しても、青くなる金額です。そして、『さあ、この金額をどうやって捻出しようか』と相談。それがクリアできたら、趣味のお金も認められるのではないでしょうか」
■ お小遣いの範囲内でと言っているのならいいのでは
「小遣いでやってる範囲ならいいと思います。
たまには後ろに乗せてもらってお出かけしてはいかがですか。楽しいですよ。
ただ今後、馴染みのバイクショップ、ツーリング仲間との付き合いなど、相手の世界が広がるかと思います。小遣いだけで足りるのでしょうか。
けれども、酒、タバコ、ギャンブルより、とっても健康的ですよね。安全運転で、家計を脅かすほどのことをしなければいいと思います。だって、彼の人生です。死ぬ間際にバイク乗りたかったなーなんて言われたくないし、逆もしかり。
私は料理が趣味ですが、死ぬことはないだろうけど、道具とかのことを、あれこれ言われたら舌打ちもんですよ。『100均のものじゃ嫌なの。好きなものを使いたいの。家計を脅かすほど、そろえてないでしょ?』って言い返しますよ。
人はいつ死ぬかなんてわからないし、人生は一度きり。法に触れてるわけじゃなくて、普段しっかり稼いでるなら、私は好きにしていいと思います」
■ そもそも大の大人が自分の小遣いの中でやることに許可が必要?
「そもそも、大の大人が自分の小遣い内の趣味について、相手に『認めてもらう』ものなのでしょうか?(一部の主婦の方の『小遣いをあげる』という言い方に似てて違和感?)
うちはお互いに趣味を持っていますが、使う金額も常識範囲内ですし、仕事も家事分担も子育てもそれぞれやっていますし、相手の許可をもらうってことが私にはあまり理解できかねます。
社会人が趣味を持つことには、素直に賛成です。友人も増えるし、視野も世界も広がるので。ちなみに若い頃は私もバイク乗りだったので、少しうらやましくはありますね。無茶な乗り方しなければ、いいと思いますけども……」
■ 本当は夫と一緒の趣味が持ちたくてモヤモヤしているのでは?
「相談者さんは本当は夫と二人で一緒の趣味を持ちたいのでは?自分だけ一人置いていかれるような感覚があるのではないしょうか?
もしそうなら、ご自身がバイクに乗らなくても、目的地までは車で行って、待ち合わせて一緒に温泉宿に泊まるとか、そういう楽しみ方もできませんか?」
大人の小遣いは基本的に本人が自由に使えるもの。でも…
いろいろな意見が出ましたね。家庭の状況なども様々で一概にこれが正しいという回答は難しいかもしれません。
趣味にかける金額と家計との関係や、ルール決めなどについて、ファイナンシャルプランナーの菅原直子さんにこのような場合どう考えるべきかお聞きしました。
「大人の『小遣い』は、基本生活費などからは切り離して、妻や夫がパートナーに相談することなく自由に使えるお金と考えるのが普通です。つまり、小遣いの範囲であれば、基本的にどのような趣味を持つのもOKです。もちろん、法律に反したり、パートナーの心身を傷つけるようなものはNGですが。
今回の相談は『バイク』の危険性がキーポイントでしょう。共働きであってもなくても、共働きの収入額が異なっていても、家庭は二人で協力して維持していくものです。片方がいなくなってしまうと、残された側の負担は大きくなってしまいます。子どもがいればなおさらです。
そのため、バイクを趣味にするのなら、事故のリスクへの備えを、夫自身にしてもらえばよいと考えます。備えのための費用も小遣いから出してもらうのです。事故の際に夫の体を守るためのバイク用スーツやバイク用エアバックの代金、死亡や障害が残った場合に、
家族の生活を維持できるだけの保障や事故相手に補償するための保険料などの費用が想定されます。
また、購入費とは別にバイクを維持するための費用が発生します。税金やマンション住まいの場合は、駐車場代が必要になることもありますから、これらも小遣いに含めてもらいます。
ただ、趣味はその人がその人らしく生きるために必要なものですし、夫に夫らしくいてもらう経費と割り切って、保険料は家計費で負担してもいいかもしれません。
なお、子どもの成長とともに、食費などの基本生活費や教育費が増えても小遣い額を維持できるかどうか、そもそも、現在の小遣い額が妥当かどうかは、夫婦で確かめてみることをお勧めします。
キャッシュフロー表を作成し、夫婦で家計の将来像を見通してみましょう。
キャッシュフロー表については参考になるリンクも紹介しますね。」
(お話/菅原直子さん)
リスクの費用や維持費などまで含めると確かにスッキリするかもしれません。認識のズレもよく話し合いたいですね。
※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」の投稿を再編集したものです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
(取材/文・橋本真理子)
菅原 直子さん
PROFILE
ファイナンシャル・プランナー。外資系生命保険会社の勤務・代理店を経て1997年FP資格取得・独立。わが子の成長にあわせて教育資金関連に注力し、各地の高校で保護者・生徒向けの進学費用に関する講演多数。現在は子育て世帯からの教育費を中心とした家計相談に加え、高齢者や独立しない子どものいる家族のライフプラン相談も。「働けない子どものお金を考える会」「子どもにかけるお金を考える会」メンバー。
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