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現代の子育てをちょっとラクにするのに必要なこと。映画『あそびのレンズ』プロデューサー・植田泰さんインタビュー

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孤育て、ワンオペ、仕事との両立…子育てって、本当に一筋縄ではいかなくて、他の家族はどうやってるの?と思うことがたくさんあります。自身の子育て経験から「遊びとコミュニティの繋がりの大切さを伝えたい」という想いから作られた映画「あそびのレンズ」は、多くのママ・パパからの共感を集めています。子育てをちょっとラクにする方法を、プロデューサーの植田泰さんと考えてみました。

相原 里紗
コミュニケーションプランナー/保育士
会社員時代に保育士の国家資格を取得。園勤務の傍らで都内の親子向けに外遊びプログラムを数多く実施。子育てに軸足を移すべくフリーランスになり、子育て教育の分野でプランナーとして活動中。4歳、2歳男子の母。

親だけだと苦しくなるから、地域に子育て仲間をつくる

ーワンオペ育児をする働く母親をメインにストーリーが進みますね。私もそうですが、在宅ワークが増えたことで共感する人も多いと思います。

植田さん(以下、敬称略):私自身フリーランスで自宅で仕事をしていたので、その時の実体験を脚本に落とし込みました。撮影はコロナ前の時期だったんですが、在宅ワークが一般的になる時代に変化しましたよね。子どもが家にいて仕事をするのは本当に大変。私は子どもと一緒に寝落ちして、夜中の3時に起きて仕事をしていました。

ー植田さん自身が子育ての当事者だったのですね。

植田:我が家は家事をお互いの得意なことでパートナーと分担していて、食事づくりと子どもの対応が主に私の担当でした。イクメンという言葉が流行り出した頃ですが、イクメンと呼ばれるのは抵抗感がありましたね。育児や家事を「手伝う」んじゃなくて、子育てが面白くて楽しいので主体的にやっていました。なので、男性ですが「主婦あるある」に共感することも多いんですよ。

とはいえ、仕事をしながらの育児には限界を感じていました。そんな時、世田谷で野外保育をしている保育園との運命的な(笑)出会いがあって救われました。その保育園は親同士のつながりをとても大切にしていて、休日に一緒に遊んだり、預け合いをしたり、保育園の行事や合宿がたくさんあったんです。他の子どもと一緒にいると、子ども同士で遊んで親から離れてくれるので、すごく楽なんです。コミュニティで子育てすることの大切さを身にしみて感じましたね。親と子だけで子育てを抱え込んじゃうと苦しくなっちゃう。子どもにとっては、親の笑顔がなによりハッピーですからね。

映画の中では、主人公が子育てを通して、近所のお店の店主、近所に住むおじいさん、プレーパーク(冒険遊び場)にいる人に出会う中で、少しずつ肩の力を抜いていきます。私自身は保育園やプレーパークでコミュニティに繋がることができましたが、子育てひろばでも、児童館でも、地域に一歩出ていろんな人と繋がることが、親の安心感や余裕になり、子どもの幸せに繋がっていくと思います。子どもにとっても、斜めの関係の大人がいっぱいいることは、成長過程でとてもプラスになりますから。

あそび=生きること。あそんでいる姿を見ると、信じて手放せる

ー家の中や職場、プレーパークや公園など、子どもたちが真剣な目で遊ぶシーンも印象的でした。

植田:子ども役のふうこのシーンも含めて、子どものあそびのシーンは、ほとんどがドキュメンタリーで撮っています。自然に遊びが盛り上がってくるまで待ちの姿勢の撮影の連続で、「いつまで撮り続けるんですか?」とカメラマンさんに言われることもあったくらい、子どもたちのありのままの姿を追いかけました。

ー映画のテーマも「地域で子育て」「あそびと育ち」と二つありますが、地域とつながることは、遊びとも関係しているのでしょうか?

植田:このプロジェクトのビジョンは「子どもが自由に遊べる環境を地域に広げること」。子どもの自由な遊びを保障するには、まずは大人が子どもの遊びを受け止めることが必要です。ただ、心に余裕がないとなかなか難しいですよね。そのためには、まずは親同士繋がって肩の荷を下ろして、そして横に繋がって地域みんなで子育てを共有する。そうすれば、子どもたちは安心して自由に遊び出します。
「安全・安心」や周りの目を気にしすぎると、「何とかしなきゃ」って子どもをコントロールしがちですが、小さな失敗を積み重ねる経験を子どもから奪ってしまうと、子どもの生きる力・育つ力を損なってしまうことになります。だから、周りと手を取り合って、大人が子どものやりたいことを邪魔しなくてもいい環境をつくるんです。あそぶ子どもの姿を見て親がその子の生きる力を信じて手放してあげられたら、子どもは自分の人生を自分の足で歩めるようになると思っています。

ー子どもを信じて手放す…ちょっと難しそうにも聞こえます。

子どもとの関係が、育てる・育てられるという垂直の関係から、一緒に育ち合う「仲間」になれば、イライラもぐんと減って、結果的に子育てがラクに楽しくなりますよ!

地域の子育て仲間と製作!仲間を広げる「あそびのレンズ」

ー植田さんは本職はグラフィックデザイナーをされているとのことですが、なぜ映画をつくろうと思ったのでしょうか?

植田:野外保育でしょっちゅう遊びに行っていたプレーパークとの出会いがそもそものきっかけですね。プレーパークは「自分の責任で自由に遊ぶ」あそび場なんですが、その良さをもっと多くの人に知ってもらいたいと思って、プレーパークに集うパパママと一緒に「ビオキッズ」という外遊びをテーマにした野外フェスを2013年にはじめました。以降7年間で10回開催して、毎回3000人以上の来場者で賑わう地域のお祭りになりましたが、イベントは場所限定で1日だけのこと。「楽しかったね」で終わってしまうというジレンマも感じていました。そこで、もっと人が繋がる、メッセージを広げる方法がないかなと考えていたときに監督との出会いがあって、映画プロジェクトがスタートしました。

ー映画の今後の展開は?

植田:劇場上映が終わったら、その後は自主上映会を広げていこうと計画しています。もちろん各地で上映するのを観てもらえるだけでも嬉しいんですけど、「いいな」と思ったら、自分の住む地域で上映会を企画して、語り合う場を作ってほしいです。上映を通して地域に仲間を作って、子育てについて、遊びと育ちについて、深めるきっかけにしてもらえたらそれが一番嬉しいですね。ぜひ、ムーブメントの一員になってください。

■植田 泰
2013年より世田谷区の羽根木公園で外遊びをテーマにした野外フェス「ビオキッズ」を主催。世田谷における民間発の外遊び啓発事業として成果をあげる。 2013年より地域のボランティアグループと共に目黒区において子育てひろばcoccoloを運営。 2016年に設立した一般社団法人 日本プレイワーク協会の立ち上げに奔走し、子どもの遊び環境を作る専門知識「プレイワーク」の啓発に携わる。 本作が初プロデュース作品。本職はグラフィックデザイナー。

映画「あそびのレンズ」詳細情報

東京都世田谷にある冒険遊び場(プレーパーク)に集う、育児中のお父さんお母さんが企画・製作に携わった長編映画。子どもとの暮らしや仕事に翻弄されながらも、周囲との関わりによって少しずつ変化する家族の姿を描き出し、子育てについて考える物語となっている。音楽は「ロバと音楽座」の松本雅隆と「チリンとドロン」「SAKEROCK」で知られる田中馨が担当。「台風家族」で知られる市井昌秀監督の元で学んだ、佐伯龍蔵が監督した。

2022年3月25日(金)~4月7日(木)で下北沢シモキターエキマエーシネマ『K2』にて地元世田谷区にて凱旋上映。期間中は子育てや教育にまつわるさまざまなゲストトークが予定されている。その他、詳細は公式サイトhttps://asobinolens.com/ へ。

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点からイベントが中止・延期となる可能性があります。実施に関する最新情報は映画公式サイトでご確認ください。

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