今年も始まるコロナ禍での中学受験!受験先輩母に聞く、学校見学ができない中雰囲気を知る方法は?
今回のテーマは、コロナ禍での学校見学についてです。
コロナ禍も3年目となり、いろいろなシチュエーションで悩みが起きています。そこで、口コミサイト「ウィメンズパーク」からママの声を聞くとともに、教育事情に詳しい鳥居りんこさんにアドバイスいただきました。
学校見学に行きたいのに機会が制限されてしまい、困った…
コロナ禍で中学受験を考えている家庭のこんな悩みが寄せられていました。
「皆さん教えてください。
コロナになるまでは例年、文化祭や体育祭など行事なら見に来て良いと言っていた学校もたくさんあり、早い段階から学校の雰囲気を見に行けていましたよね。でも、今は6年生からと限定され、人数制限もあります。
うちは来年5年生ですが、そろそろ学校を見に行きたいと考えています。学校の雰囲気を知るために、行事のときや学校見学会以外に知る方法はないのでしょうか」
この声に、いろいろな解決法が提案されました。
■塾で個別に学校説明会をしてくれる場合も
「大手の塾に通っているなら、塾で学校説明会をやってくださるところもありますよ。
また、受験情報雑誌のバックナンバーをそろえている塾も多いので、気になる学校が載っている雑誌を借りて、読んでみたりしてはどうでしょうか」
■ 最寄駅で降りて、なんとなく学校周辺を見て回っても
「志望の学校の最寄り駅などで登下校風景をなんとなく観察してはどうでしょうか?
広がって歩いていたり、制服の着崩しなどが見られる場合は、学校でのご指導が少ないのかなとかがわかります。逆に朝、駅に先生方や生徒会の方々が立っていたりする場合はご指導が厳しい学校なのかもしれません…。
また、お子さんに似た雰囲気の学生が多く見受けられるようであれば、その学校がお子さんにあっているように思います」
■ すぐに定員は埋まってしまうので、HPは頻繁にチェック!
「私も同じ学年です。文化祭等がないので説明会のみですが、今年、見られる所はできるだけ見ました。親だけ参加もありました。今年はイレギュラーでしたので、突然、情報がアップされて、いつの間にか埋まっている学校も多いようです。6年生になると、実際に観に行く時間はかなり取れなくなります。見る機会のなかった学校は、その前まで行ってみた所もあります。環境や生徒さんの雰囲気を知ることができます。
文化祭などの見学も予約制の所が多いようですから、学校のHPを頻繁にチェックすることをおすすめします」
■ 個別に訪問できるか、問い合わせてみても
「個別に訪問できるかどうかを問い合わせてみたらどうでしょうか?
そのときに、校内の雰囲気も知りたいので、なるべく普段の日に見学をしたいと言ってみたらいいと思います。うちは、個別に訪問をできるか問い合わせて、おじゃまさせていただいた経験があります。そのときに案内していただいたのが校長先生でした。個別にアプローチするのもいいと思いますよ」
個別に対応してくれる学校もあるので、いろいろトライしてみて
いろいろなアドバイスがありましたね。著書もあり、中学受験に関する相談にのっている鳥居りんこさんに、なかなか学校へ行けない場合の校風を知る方法など、コロナ禍の学校見学についてお話をお聞きしました。
「今年の首都圏の中学入試の受験者数は過去2番目の高水準。数字上では小学校卒業生の5人に1人以上が受験したことになっています。中学受験は『特殊な人』のものではなく、ホントにポピュラーになっているってことですよね。
中学受験の良さのひとつに『学校選び放題!』ということがあるんですよ。
どの学校であろうと『入試本番で合格最低点を超えてくれたら、漏れなく合格!』が“ウリ”なんでね。基本的には、どなた様も、それぞれの“推しスクール”に進学できるチャンスが頂けるってことですね。
もちろん、持ち偏差値と難易度ってのは大いに関係しますが、同じ偏差値帯であっても、教育理念は各校で全く違うんです。『子どもの教育は環境次第』という『孟母三遷』の教え通り、学習環境は選びたいもの。できれば、我が子の性格に合ったところに行かせたいわけですよ。
それで、保護者は子どもが低学年のうちから学校説明会やら文化祭やらに顔を出し『学校の品定め』をするのがセオリーだったのですが、ご承知のようにコロナ禍。
オープンスクールは吹っ飛び、文化祭などの公開行事もすべてオンライン、対面でやる方式の“普通の説明会”は予約制のため、人気ミュージシャンのライブ並に入手困難な状態が続きました。
私の元にすら『そもそもログインできず』『入力中に画面がフリーズ』との不満が殺到していたような状況。(これは各中高一貫校も把握してますので、今年はシステム自体が改善されるとは思います)
その声の一部を拾いますと、以下のような流れができていたくらいです。
『たかが説明会で、なんで、こんなに親の神経を削ってくれんねん!(怒)』という怨念が湧き起こる(この時点で親はめちゃムカついている)
↓
『やっと取れた! 涙が出そう!』
↓
『行ってみた』
↓
『クソほどつまらん説明会だった。ふざけんな! どんだけ、仕事潰したと思ってんねん!?(怒)』
↓
『そうだ! りんこにぶつけて憂さを晴らしておこう!』
中学受験って大変なんです。
でもね、『本当に我が子を預けて大丈夫か?』を確認するためには、どうしても実際に現地に足を運ばないといけないわけですよ。
中学受験は結婚みたいなもんなんですが、今どき、結婚相手を写真だけで選ぶ人はいないので、実際にお会いして相性を見るじゃないですか? それと同じですが、今は状況が状況。
なので、皆さんのアドバイスは正しい方法かと思います。
まずは、狙っている学校のHPを頻繁にチェック!
さらに、たくさんの学校がFacebookなどネット上で発信を続けています。特に生徒発信のものは、学校の様子がリアルに伝わってくるのでお勧めです。LINEで友達になって、情報を伝えてくれる学校もありますので、受験の可能性がある学校を中心にまずはネットサーフィンですよ!
学校が塾に出張してきて、ミニ説明会をなさるケースもたくさんありますし、今のところ、各合同説明会は対面式で実施予定なので、情報収集してみてくださいね。
さらに、ママのアドバイスにありましたが、意外と個別対応可です。アポを取った方が確実ですが、学校に電話してみて『学校を案内お願いします』と言ってみる、先生が1対1で、あなただけのために懇切丁寧に校内ツアーを実施してくださることも珍しくはないので、レッツトライ!
もちろん、登下校を実際に見てみるだけでも、生徒の様子はダイレクトに伝わってきます。
中学受験は積極的に動いてみると、これが結構楽しくてハマったりもしますので(沼化とも呼びますが)、どうせやるならば、エンジョイしましょう! 頑張れ、中学受験母!」
(お話/鳥居りんこさん)
学校側も伝えたいことがあるのに、その場が作れずに困っているのかもしれませんね。
鳥居さんや先輩ママのアドバイスを参考に、いい情報収集をしてください。
(取材/文・橋本真理子)
※文中のコメントは「ウィメンズパーク」(2022年1月末まで)の投稿を再編集したものです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
鳥居りんこさん
PROFILE
エッセイスト、作家。2003年、学研より『偏差値30からの中学受験合格記』でデビュー。実体験に基づいた『中学受験シリーズ』が人気。その他、著作として『親の介護をはじめる人へ伝えておきたい10のこと』(学研プラス)、『増補改訂版 親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ』(双葉社)近刊に、『女はいつも、どっかが痛い がんばらなくてもラクになれる自律神経整えレッスン』(小学館)など。執筆・講演活動などを通じて、子育てや受験、就活、介護、あるいは生き方に悩む女性たちを応援している。

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