意外に気を遣う義姉妹の「おばちゃん」呼び問題。子どもには何て呼ばせてる?
義理の兄弟姉妹など、家族間での呼び方が難しいこともありますよね。口コミサイト「ウィメンズパーク」に「義姉を呼ぶときは『お義姉さん』。でも子どもを介するときはどう呼べばいい?」という疑問が寄せられました。ママたちの回答は? また、家族関係に詳しい鳥居りんこさんにお話を聞いてみました。
ママたちの義姉の呼び方は?
まずは、ママたちの義姉の呼び方についてご紹介します。。
■あとで「お姉さん」呼びに
「子どもたちは義姉を『おばちゃん』と呼ぶので、子どもに義姉へ〇〇しなさいと促すときは、そのまま『おばちゃんに〇〇は?』と言います。その後すぐに私から重ねて義姉に『お義姉さんありがとうございました』とか、『お義姉さんすみません』などと言っています」
■おばちゃん呼びはないかな
「子どものいない義姉がいますが、子どもに対しては『おばちゃん』呼びですね。義姉も子どもたちからおばちゃんと呼ばれても怒ったりしません。私自身はお義姉さん呼びですが、夫が姉さん呼びなのが大きいです。そうでなければ名前呼びだったと思います。私の叔母ではないので、おばちゃん呼びはなしです」
■名前呼びで、相手がよければおばちゃん呼びに
「私は頻繁に親族に会うし、そういうのが面倒だったので、実兄も義弟の嫁もみんな○○さんと名前呼びです。私もみんなから○○さんと名前で呼ばれていて、子どもたちにも○○さんと名前にさん付けで呼ばせています。『子どもにお義姉さんのこと、○○さんって呼ばせていいですか?』と聞いて、『おばちゃんでいいよ』と言ってくれば問題ないと思います」
■未婚の時は気を使ってもらったのか「お姉ちゃん」呼び
「兄のところに子どもが生まれたときは、私はまだ若く独身だったので、○○お姉ちゃんと呼ばれていました。弟も○○お兄ちゃん、です。今は私も弟も中年ですが、いまだにそのまま。別に若くてもおばちゃんでよかったのですが、義姉が気を遣ってくれたのでしょう。後から生まれたうちの子は、○○(いとこの名前)のお母さん、と呼んでいます」
■統一すれば問題なし
「普通に名前で呼びます。『○○さんにお礼を言いなさい』で統一しちゃえば、○○さんはいとこのお母さんで、おばちゃんと、子どももそのうち理解すると思います」
呼び方は、親族間の文化風土によって変わってくるもの
子どもができると義姉妹をどう呼べばいいのか迷うことがあるようです。義姉妹の呼び方について、家族関係に詳しい鳥居りんこさんにアドバイスいただきました。
「親戚の子どもから『おばちゃん』と呼ばれることの是非ですが、これは、それぞれのご親族間の文化風土で違ってきますよね~。
法律的にも『伯母・叔母』だと思えば、甥姪が「おばちゃん」呼びするのは当然と思う人もいるでしょうし、それぞれのファーストネームを呼ぶ習慣があるご家系でしたら、そちらのほうが自然。子どもはその環境の中で育ちますから、そういう空気を絶妙に読んで発語していくと思います。
問題は『おばちゃん』という呼称に人知れず傷ついている(または「傷つけているのでは疑惑」を持つ)ケースですかね。見も知らぬ通りすがりの人から『オバ』呼ばわりされたならば、一大事かもしれませんが、親戚の子どもが『オマエはもう若い女性とは認められてないんだよ!』という意味で発する言葉であるわけがないのですから、それで自己否定をしなくてもよくない?とは思いますが、まあね、『おばちゃん』と言われてショックを感じる乙女心は分からんではないです。
そう言えば、私は未だに70代の叔母を『あっこ姉ちゃん』と呼んでいます。母の妹に当たる叔母ですが、母とは年齢が離れていたせいで、私が赤ちゃんの頃は学生の彼女。子どもの目から見て『お姉ちゃん』だったわけです。
つまりね、一度、そう決まってしまうと、どんだけ年を重ねようが『お姉ちゃんは、お姉ちゃん』なんですね。『あっこお婆ちゃん』にはならずに、我がきょうだいにとっては『永遠のお姉ちゃん』です。
もし、親戚の子どもから呼ばれる名称が嫌だ!と思っているならば、早期発見、緊急提案一択ですね。
そこはニッコリと『これからは〇〇って呼んでね!』とバシッと通告です。逆に、義姉義妹をどう呼べばいいのかと迷ったとしたら、本人に直接、聴けばいいだけ。
ハイ、問題解決ですね。
とにかく定着する前に、手を打つって話になりますが、『おばちゃん』くんだりでギャーギャー騒いでいられる内は、まだ全然余裕ですわ。今や、ワタクシの周りはお孫ラッシュですので、皆さん、真剣に『お孫様からどう呼ばれるか問題』で頭を悩ませておられますのよ。
『りんこ!最初が肝心らしいわ。1回「おばあちゃん」って呼ばれちゃうと、生涯「おばあちゃん」が定着するのよっ!』と鼻息荒い。
興味があったので『お孫がいます!』という十数人に聞き回ってみましたら、『自分の名前からくる愛称呼び』がトップで、『あーちゃん(おばあちゃんの“あ”を取った)」が2位という結果が。
意地でも『ばー』が付く呼称にはしないのが流行りみたいですね~。
『お嬢さん』→『お姉さん』→『おばさん』→『おばあさん』と進化を遂げるニッポン女性の人生。あなただったら、その時々で、どう呼ばれたいですか?って、もう私は、いろいろメンドーなので、いっそのこと、すべて『ファーストネームで呼ぶ』という条例が要るんではないか!?と、最終形態呼称問題でモヤり出しました……。
それに比べたら『おばちゃん』なんて、まだ全然、若くて、お花の時代です!」(鳥居りんこさん)
(取材・文/酒井範子)
鳥居りんこさん
PROFOLE)
作家、介護・家族アドバイザー。2003年、学研より『偏差値30からの中学受験合格記』でデビュー。実体験に基づいた『中学受験シリーズ』が人気。近著に『増補改訂版 親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ』(双葉社)『女はいつもどっかが痛い がんばらなくてもラクになれる自律神経整えレッスン』(小学館)など。執筆・講演活動などを通じて、子育てや受験、就活、介護に悩む母たちを応援している。
◆ブログ「湘南オバちゃんクラブ」
※文中のコメントは「ウィメンズパーク」(2022年1月末まで)の投稿を再編集したものです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。