薄着になる季節がやってきた!低糖質な食事やおやつ、簡単に取り入れるには【管理栄養士が回答】
最近よく耳にする「低糖質」な食料品。ダイエットや体調のことなどを考えて、低糖質な食事をしている人も多いのではないでしょうか。でも、低糖質の食事っておいしいの?どうやって料理に取り入れるの?とわからないことも。そこで、口コミサイト「ウィメンズパーク」のママの声を紹介するとともに、管理栄養士の佐野ひとみさんにもアドバイスいただきました。
朝、パパッと食べられる低糖質のものはないかしら…
最初にあるママの悩みから紹介します。
「最近、糖質をまとめて食べると、その後にだるくなって眠くなり、いかにも血糖が急上昇してるな~って感じがするようになりました。でも、朝はパンの方が楽だし、何も食べずに仕事に行くのも落ち着かず(午前が長めで集中力もいる仕事なので)、おなかもそれなりに空くのでどうしようかと考えています。
もともと甘いものやパンが大好きで、チーズや豆腐などのたんぱく質豊富なものはあまり得意ではありません。低糖質の食べ物を取り入れている方、どのようなものを食べていますか? よかったら低糖質のアイディアを教えてください」
――血糖値を気にしている人や、低糖質なものがダイエットにいいと聞いたので詳しく知りたいという人のために、ママたちの実践例を紹介します。
■ 低糖質パンはコンビニでも買えます!
「低糖質のパンは今のところ、ローソンが一番充実してると思います。甘いパンもあります。最近はセブンイレブンでも取り扱うようになりました。
後は、お近くにあればシャトレーゼも低糖質商品を多数取り扱っています。ただ、いずれにしても、低糖質じゃない普通のものほどは美味しくないと思います。でも私には許容範囲です」
■ 糖質ゼロチョコとか、ナッツをおやつにしています
「私は血糖値が高めなので、低糖質の食事を心掛けています。
朝は全粒粉食パンを半分と、蒸し大豆とゆで卵、りんご1/4個、たまにヨーグルトがプラスされます。ゆで卵を食べると腹持ちがいいので、ほぼ毎日食べています。あと、食べる順番も気にしています。野菜とタンパク質を最初に食べて、炭水化物は最後。少しのご飯でも、最後に食べると満足感があります。おやつはナッツや高カカオチョコレートを食べて、たまにシャトレーゼやスーパーの糖質オフ・スイーツを食べています」
■ 血糖値が高めなので、ご飯を豆腐に変えました
「ダイエット目的ではなく、血糖値が高め(境界型ぐらい)なので、仕方なく低糖質を心がけています。とはいえ、ゆる~く、ですが。
朝は、納豆+めかぶ+ごはんが定番だったのですが、ごはんを豆腐に替えました。パンを食べたいときは、みなさんも書いているようにローソンやセブンイレブンにロカボのパンがありますし、パスコの低糖質パンシリーズも重宝しています。
おやつはどうしてもやめられず(仕事でかなりげっそりするので、心と体に必要…と言い訳)、ローソンのロカボシリーズや無印良品の低糖質のお菓子などを。ハイカカオのチョコも糖質は低いです」
■ 朝、時間がない人はプロテインなどもいいのでは
「食後血糖値を測ってみて、びっくりの数値であることがわかり、それから一念発起して高たんぱく・低糖質の食事に取り組んでいます。
実は肉も魚も嫌い。ギリギリ、チーズや卵は食べられるレベル。好きではないですが、高たんぱくの生活を続けていると、食後の怠さを感じないので、そのほうが楽になります。
朝、時間がないようなら、プロテインなどもいいのではないでしょうか」
■ パンなら全粒粉やライ麦のパン、ご飯なら玄米や雑穀米で野菜を山盛り
「パンなら全粒粉やライ麦のパン。ご飯なら、玄米や雑穀米がいいと思います。
キャベツを山盛りとか、もやしをたくさんとかもいいんじゃないですか。私は、朝は全粒粉のパン(6枚切りトースト1枚)に生野菜たっぷりのサラダ、卵やハム、ヨーグルト、ミルクティーなどです」
パンを食べる前にミニトマトを食べるだけでも効果が
ダイエット目的や血糖値の上昇などを心配して、低糖質や糖質オフを心掛けている人が多いようですね。
今はずいぶん、コンビニやスーパーでも手に入るようになりましたが、そもそも低糖質な食事やおやつにはどんなものがあるのでしょうか。
健康を考えて、正しい知識と食べ方を、管理栄養士の佐野ひとみさんにお聞きしました。
「糖質が低い食品は、肉、魚、卵、大豆製品などの主にたんぱく質を多く含む食品や、乳製品、油と、食物繊維を多く含むきのこ、海藻、野菜などが代表的です。
反対に、糖質が多い食品は、主食で食べる米やパン、麺類や、いも類、お菓子類、砂糖やはちみつなどの甘味料などがあります。見逃しやすいものでは、果物の缶詰やドライフルーツ、ジャム、スポーツドリンクや野菜ジュースなどの甘い飲み物にも糖質が多く含まれています。
糖質は気にしているけど、さつまいもやドライフルーツをよく食べていたり、無意識に甘い缶コーヒーを飲んでいたりすることもあり、お茶に変えただけで減量された方もいます。
低糖質の食事では、ご飯やパン、麺、いも類やかぼちゃなどの量を摂りすぎ、砂糖やみりんなど甘味のある調味料を控えめにしましょう。肉料理では鶏の照り焼きよりは塩コショウで味付けたチキンソテーのほうが、魚料理ではサバの味噌煮よりもサバの塩焼きのほうが、砂糖を使っていない分、糖質は少なくなります。
糖質が少ない間食には、ゆで卵やチーズなどがおすすめです。ナッツも噛み応えがあり、満腹感が得られるのでおすすめですが、エネルギーが高いので量は控えます。
果物も、甘いお菓子よりは糖質が少なく、ビタミンや食物繊維などの栄養も摂れるのでいいですね。無糖ヨーグルトに果物を入れて、果物の甘味だけで食べるのもいいでしょう。
どうしても甘いおやつが食べたいときは、市販の糖質を控えたお菓子やパンを利用するのも1つの方法です。
糖質は、食べた後に分解されてブドウ糖として血液中を運ばれます。それが血糖です。血糖は、インスリンというホルモンの働きでエネルギーとして利用され血糖値が下げられますが、インスリンの効きが悪くなっていたり、インスリンの量が少なくなっていたりすると血糖値が下がりにくくなります。
また、同じ糖質量でも糖質の種類によって血糖値の上がり方が違ったり、血糖値の上がり方がゆっくりな食品(低GI食品)を一緒に食べると全体の血糖値の上がり方がゆっくりになるなど、糖質の数値がそのまま血糖値に反映されないこともあります。
糖質と食物繊維からなる炭水化物には摂取する目安量が決められていて、必要量以上に摂りすぎているときは、主食の量を適正にしたり、おやつや飲み物を見直したりするだけでもダイエットや血糖値コントロールに良い効果があるかと思います。
しかし、糖質にはエネルギー源としての働きもあり、不足すると筋肉のたんぱく質を分解してエネルギーとして使おうとするため、筋肉量が減り基礎代謝量が減少し、やせづらい体や太りやすい体を作ってしまいます。
なので、極端な過不足がないようにしながら、食事のときに野菜などの食物繊維を先に食べて血糖値の上がり方をゆるやかにするなどの工夫ができるといいかと思います。
パンだけの朝食よりは、ミニトマトをつまんでからパンを食べたり、白米よりは玄米や精製度の低いご飯を、白いパンよりは全粒粉などを使った茶色いパンを選んだり、栄養成分表示を見ながら低糖質のものを選ぶなど、できることを無理なくできるといいですね。
また体を動かすと血液中の血糖をエネルギーとして使うので血糖値の上昇を抑えられます。エレベーターではなく階段を使ったり、歯磨きしながらスクワットをしたりと、運動とまではいかなくても、こまめに体を動かすことを意識できるとなお良いかなと思います」
(お話/佐野ひとみさん)
できる工夫はいろいろとあるようですね。無理をせずに健康的な食生活をしていきたいと思います。(取材/文・橋本真理子)
※文中のコメントは「ウィメンズパーク」(2022年1月末まで)の投稿を再編集したものです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
佐野ひとみさん
PROFILE
管理栄養士として、病院や福祉施設、保育園に勤務。エネルギー制限食をはじめとする治療食の献立作成、コーチングを使った栄養相談・健康教室、メタボリック症候群の方への特定保健指導などに携わる。これまでの経験と知識を伝えるために、フードコーディネーターとしても活動中。高校生と中学生の2児の母。