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「いい親でなければ」と思うほど自己肯定感が低下する…?!子育てにつらさを感じたら【専門家】

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アジアの母と赤ちゃんの青い背景に分離
※写真はイメージです
itakayuki/gettyimages

子どものために「いつも笑顔でいなきゃ」「きちんとしつけしてあげないと」…など「いい親でいなければ!」と思っていませんか? 実はその思い込みが親自身の自己肯定感を下げ、子育てにつらさや苦しさを感じる原因になっているのかも。青山学院大学教授で小児精神科医の古荘純一先生に話を聞きました。

いい親かどうかを決めているのは親自身だと自覚しよう

――子どもを持つと「いい親でありたい」「いい親でなければ」と思ってしまうのはなぜでしょうか。

古荘(以下敬称略) かわいい子どものために「いいことをしてあげたい」「見本となるべき親でありたい」と思うのは当然ともいえますが、実は「いい親」かどうかを決めているのは親自身であるのではないでしょうか。実際に赤ちゃんを育てるとうまくいかないことばかりですが、子育てに対して自分の信念があると、うまくいかないとき「しょうがないか」と開き直れなかったり、できない自分をダメだと責めてしまったり…。

日本人の場合は、文化的にも一度決めたことはやり通すことや、妥協しないことをよしとする面があって、その刷り込みがあるのも一因だと思います。自分の親から「あなたも親になったんだから…」と価値観を押しつけられてしまったり、他人の評価を気にし過ぎてしまったりして、「いい親でなければ」と思い込んでしまうこともあるでしょう。「いい親」「いい子」じゃなくても大丈夫、と考え方を変えることができれば、子育ての楽しみは増えるはずですが、実際なかなか簡単にはいかないかもしれません。

――最近「自己肯定感」や「セルフエスティーム(自尊感情)」という言葉をよく聞くようになりましたが、違いはどのようなことですか?

古荘 心理学的には「セルフエスティーム」は「自己に対する肯定的、または否定的な態度」という概念で、いわゆるポジティブな思考だけでなく、ネガティブな側面も包括した概念に近いと思います。
一方、「自己肯定感」という表現は、自分自身を肯定するということに重点が置かれています。ありのままの自分を肯定的に受け止め「自分はこれでいいんだ」と思えれば、子育てのエネルギーにもなると思います。

――自分を肯定できずに「ダメな親だ」と考え続けると、親自身の自己肯定感が下がってしまい、育児困難につながるのでしょうか?

古荘 実は自己肯定感が下がるということは、うつの尺度と非常に関係が強いです。
子育て中のできごとに対して、一般的には「こんなこともある」とやり過ごせたり、「まあよくできた」と思えたりすることも、自己肯定感が低いと「こんなこともできない」「ダメな親だ」と思ってしまうこともあります。

たとえば、赤ちゃんが母乳を飲んでいることについて「いつもより時間がかかってしまった」「赤ちゃんが満足していないんじゃないか」とネガティブなことだけ頭に残ってしまう。このようにすべて否定的にとらえることが続くと、結果として自己肯定感も低くなり、抑うつ度も高くなり、育児困難につながっていくと考えられます。

今の自分を認めることからスタートしよう。リフレッシュも大切

――親が自分の自己肯定感が低くなっているな、と気づく目安のようなものはありますか?

古荘 これは抑うつの尺度を目安にするといいかもしれません。子育てを楽しいと感じられない、子どもと過ごすのがつらい、体の調子が悪い、だれにも相談できない、などの状態では、自己肯定感が低くなっている、あるいは育児が困難になっている目安になると思います。

自分でもパートナーでも「ちょっと様子が違うな…」と気づいたら、少し子どもと離れてみたり、リフレッシュする時間を持つことが必要です。

――親自身の自己肯定感を高めるために、具体的に取り組むといいことはどんなことでしょうか?

古荘 まず、日記を書く習慣をつけることはおすすめできます。日記を書くと、事実を客観的に見つめられるからです。ただ、口でいうのは簡単ですが、育児中は時間的余裕がなくて実行するのは難しいですよね。スマホのメモ機能などに、簡単に気持ちを書きとめると意外とスッキリするかもしれません。

そして「現実を肯定的に受け止める」ことも大切です。認知行動療法の方法でもあるんですが、事実をマイナスにとらえていたら、そこで一度考えることをストップして、起きた事実だけを確認する。事実をゼロとして確認できたら、今度はプラスにとらえられるように変えていく、という方法です。

――具体的にはどのようなことでしょうか。

古荘 たとえば、忙しくて夕食におかずを作れず、うどんの1品だけになったとします。「おかずを用意してあげられなかった」と考えることはマイナス。ここで考えることをやめないと「そういえばあれもできなかった」「自分はダメだ」と、どんどん悪いほうに考えが進んでしまいます。
この場合「うどんを作った」ことが事実です。それを「うどんを作ってあげられた」とプラスに考えたり、「うどんにとき卵を入れてあげた」「おかずは作らなかったけど好きなベビーフードを食べさせてあげた」などの、代替法という形をとったりするのもいいでしょう。

まずは「ちゃんと用意してあげられなかった」とマイナスに受け止めている自分に気づくことが第一歩です。そして、今の自分を認めてあげること。それがやがて、少しずつ自分や自分の子育てを肯定的に受け止めることにつながっていくと思います。

育児困難の解決にはパートナーの支えも大切

――「いい親であるか」に悩むのはママが多いイメージがあります。将来的にパパの育児参加が進むことによって、育児困難を抱えるママは減ると考えられますか?

古荘 男女のジェンダーの問題や雇用機会に関して、日本は世界的にみて非常に遅れていますし、パパ自身もわかってはいてもどうしていいかわからない、ところもあるでしょう。パパの育児参加を進めるためには、単純に時間や仕事量を分担するだけではなく、家庭や教育環境から整備する必要があると思います。

現状では、育休を取得することや、赤ちゃんのお世話や家事を交互に分担することもいいと思いますが、産後女性の身体面や精神面でのストレスについての知識、それをサポートする気持ち、ママの心の困難さを支えてあげたい気持ちをママに伝えてあげる、などのことも大切です。ママへの「ありがとう」「よかったね」などの一言が心の支えにつながります。パパが意識的にママの状況を理解することも、ママの育児に関するつらさを助けてあげることにつながると思います。

お話・監修/古荘純一先生

取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

子育てに関する情報があふれる中で、「これでいいのかな…」と自信を無くしてしまうときには、ちょっと肩の力を抜いてみては。赤ちゃんを産んで育てている、自分自身を認めることから始めてみましょう。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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