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新型コロナ第7波が到来。夏休み、子どものマスク着用には注意が必要。窒息の危険性も【小児科医監修】

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インファント独立したプールサイド
●写真はイメージです
ziggy_mars/gettyimages

新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)が再び猛威をふるい始め、第7波に突入しました。2022年7月14日の時点で、政府は「新たな行動制限は考えていない」としています。子どもたちは第7波をどのように乗りきるといいのでしょうか。長崎大学大学院 小児科学教授 森内浩幸先生に2022年7月27日現在で、わかっていることを聞きました。森内先生は、日本小児感染症学会理事長を務めています。

2歳未満の子のマスクは不要。水遊びやプール遊びではぬれると窒息の危険があるのではずして

2022年7月14日、国内で新型コロナの感染が確認された人が累計で1000万人を超えました。
株もオミクロンの変異株BA.5に置き換わりが進み、全国的に感染拡大が広がっていますが、暑い中マスクをしていると熱中症が心配されます。とくに子どものマスクのつけどき、はずしどきに悩むママやパパは多いと思います。

「マスク着用は、2歳未満の子は不要です。具合が悪くても、顔がマスクで隠れているため気づきにくかったり、窒息の危険があったりするためです。
マスクがつけられる年齢の子でも、夏に外で遊ぶときや運動するときは、ソーシャルディスタンスを保ったうえで、マスクははずしてください。
室内でも冷房がない場所では、熱中症の危険があるためマスクははずしましょう。

水遊びやプール、海などでもマスクはいりません。不織布マスクもウレタンマスクも、布マスクも、水にぬれたものをつけていると息苦しくなり、小さい子だと窒息の危険もあります。
一度、ママやパパがぬれたマスクをつけて試してみると、どんなに息苦しいかがわかると思います。

ただしマスクをしていないときは、密を避けたり、換気をするようにしましょう。
全国的に新型コロナの感染が再び拡大していますが、冷房をつけているために、窓を開けないことも感染拡大の一因になっています。夏でも、窓を開けて換気を心がけてください」(森内先生)

感染対策を強化していくほど、子どもたちの心に影響が

小児科医からは、長引くコロナ対策が与える、子どもたちへの心や体への影響を心配する声が高まっています。森内先生もその1人です。森内先生は2022年6月に開かれた、第69回日本小児保健協会学術集会で、そうした課題について発表しています。

「新型コロナの感染対策は、どんなに強化しても徐々にその効果は頭打ちになり、感染リスクはゼロにはなりません。
しかし感染対策を強化していくほど、子どもの心の発達は損なわれ、心の健康がむしばまれます。

大人たちは、ワクチンの副作用を心配しますが、子どもたちにとっては過剰なコロナ対策も心にさまざまな副作用をもたらします。
今年の夏休みは、子どもの心の負担を少しでも軽減できるようにしてあげてほしいと思います」(森内先生)

心に負担がかかると、新型コロナを過剰に怖がるようになる子もいます。中には外遊びのとき「暑いからマスクをはずしなさい」と言っても、怖がってマスクをはずさない子もいます。

「子どもがマスクをはずしたがらないときは、無理強いは禁物です。
子どもを保育園や幼稚園に初めて預けるとき、子どもはママやパパから“離れたくない!”と大泣きしますよね? そのときママやパパはどうしますか? 少しずつ慣れさせていくのではないでしょうか。
マスクも同様で、少しずつはずすことに慣れさせてください。
たとえば人のいない道を歩いているとき“だれもいないから、ここで少しマスクをはずしてみようか? ママ(パパ)もはずすよ”と言って、ママやパパがお手本になって、はずしても大丈夫な場所があることを教えてあげましょう」(森内先生)

BA.5を含むオミクロン株流行で、熱性けいれんを起こす子が増加

日本での新型コロナの流行は、オミクロン株の系統であるBA.5に置き換わりが進んでいます。これまで新型コロナは、基礎疾患がない子どもたちには脅威とならないウイルスといわれていましたが、BA.5はどうなのでしょうか。

「BA.5は感染力が非常に強いのが特徴で、子どもたちにも感染しやすいウイルスです。ただ、まだわからないことも多いです。

BA.5もオミクロン株の一種ですが、オミクロン株に感染して、熱性けいれんを起こす子が増加しました。熱性けいれんを起こしやすいのは通常は1~4歳ですが、オミクロン株に感染すると小学生でも熱性けいれんを起こします。
香港ではオミクロン株に感染して4人の子が亡くなっていますが、そのうち2人はけいれんや意識障害などを伴う急性脳症で亡くなっています。日本でも、オミクロン株に感染して急性脳症を起こした子どもの報告が増えています。中には亡くなってしまった子もいます。
急性脳症は、インフルエンザのときにも起きますし、そのほかいろんな感染症に伴って起こります。
脳症の報告は欧米からはほぼないため、おそらくアジアの子どものほうが、リスクが高いのかも知れませんが、2022年7月27日の時点で、詳細はわかっていません」(森内先生)

子どもたちを感染から守るには、やはり新型コロナワクチンが有効でしょうか。

「子ども自身に基礎疾患があったり、同居家族に高齢者などハイリスクの人がいる場合は、ぜひ新型コロナワクチンを受けてください。健康な子どもでもまれに重症化することがあるので、それを防ぐためには受けたほうがいいでしょう。

また夏休み中の感染拡大を防ぐには、“少し風邪っぽいな”など気になる症状があるときは、無理せずに自宅で休ませることも大切です。無症状よりも、症状があるほうが感染を広げやすいことがわかっています」(森内先生)

お話・監修/森内浩幸先生

取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

夏に第7波が来たことで、熱中症対策とコロナ対策のバランスがより求められようになりましたが、子どもたちにとって熱中症は命にかかわるものです。マスクをはずしても、コロナ対策ができるように密を避ける行動を心がけましょう。また熱中症を防ぐために冷房は有効ですが、こまめに窓を開けて換気もしましょう。

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