ワンオペ育児でクタクタの心に染みる！『ちっちゃなやさしさに、今日も救われてます』著者・るしこさんにインタビュー

夫と息子・ジュニアくん（3歳）と3人暮らしをしている漫画家のるしこさん。育児や夫婦の日々の出来事を漫画にしているるしこさんですが、育児中に出会った優しい人々とのエピソードに「わかる」「ほっこりする」など共感が集まり、最大で24万いいねを記録しました。
『ちっちゃなやさしさに、今日も救われてます』の著者・るしこさんに、漫画を描くようになったきっかけや日々の育児について教えてもらいました。

他の人が描いた育児漫画に支えられた妊娠生活

――育児漫画を描くようになったきっかけはなんですか？

るしこ「もともと夫婦のマンガを投稿していて、妊娠中に他の方の出産レポや育児漫画に支えられた経験から、『わたしも描こう！』と描き始めました。おもに子どもが寝たあとに描いていて、わたし自身の気分転換にもなっています」

『一瞬でした』

＜自転車で颯爽と去っていくご婦人！＞

――育児の大変なところ、好きなところを教えてください。

るしこ「予測が付かないところです。『こう言ったらこう返ってくるだろうな……』みたいなのが効かない。そこが大変でもあり面白くもあります。また、ひとりの人間が徐々に育っていく過程を、一番最初から間近で見られるのはとても貴重な機会だなと感じています」

周りに親切にしてくれる人がいるとホッとする

――道ゆく人から親切にしてもらうことが多いという、るしこさんとジュニアくん。どんな時に話しかけられることが多いのでしょうか？

るしこ「とにかくいろんなところで声をかけていただきます。スーパーで買い物中や、駅での電車待ち、エレベーター内、道を歩いている時にも……。息子もわたしものんびり屋で、あまり急いでいることがないせいかもしれません」

――周囲の人に優しくしてもらった時、どのような気持ちになりますか？

るしこ「子どもとの外出中は常に気を張っているので、近くの人が敵ではないと分かるだけでものすごくホッとします。ここにいていいんだ、見守ってくれている人がいるんだ…という気持ちになります」

――るしこさんが一番印象に残っている“ちっちゃなやさしさ”はなんですか？

るしこ「ファミレスで店員さんに親切にしてもらったときです。当時、夫と家族3人で出かけることはありましたが、赤ちゃんと2人で飲食店へ入るのはなかなか勇気が必要でした。急に泣いたらどうしようとか、離乳食やミルクの時間とか、いろいろ懸念することがあって……。ワンオペ育児で疲れ果てているなかで、たまたま入ったお店で店員さんにやさしくしてもらったので、ものすごく救われて思わず泣いてしまいました」

『最強カード』1/4

＜夜泣き、ワンオペで疲れ果てていたるしこさん＞

『最強カード』2/4

＜ファミレスに入ってお座敷に通された＞

小見出し　『最強カード』3/4

＜運よくご飯にありつくことができた＞

『最強カード』4/4

＜店員さんの優しさに涙腺崩壊……！＞

「誰かに優しくされたニュースがもっとあってもいい！」

――最近の息子・ジュニアくんの成長を教えてください。

るしこ「最近、イヤイヤ期を抜けたのかお風呂やねんねがスムーズになりました。着替えも積極的に練習しています。またトイレも一人で行くようになり、なんだか急にお兄さんです」

――書籍『ちっちゃなやさしさに、今日も救われてます』に込めた思いをお聞かせください。

るしこ「わが家は車を持っていない家庭なので、公共交通機関を使っての移動がメインです。一時期『子連れ様と呼ばれ嫌がられるのでは？』『ベビーカーを蹴られるのでは？』『泣いたら迷惑になるのでは？』と妊娠中に見た怖いニュースが思い出され、不安ばかりつのっていた時期がありました。

産後、外に出ないわけにもいかないので少しずつ赤ちゃんと外出するようになりましたが、実際に出会ったのは子どもに優しくしてくれる方がほとんど。『誰かに優しくされたニュースがもっとあってもいい！』『子連れで出かけて嬉しいことがあったと大きな声で発信したい！』そして、『外に出るのが怖かった頃の自分に届けたい』そんな思いで描いたマンガたちです」

『たったひと言で頑張れちゃう不思議』1/2

＜買い物中のイヤイヤで疲れ果てていたるしこさん＞

『たったひと言で頑張れちゃう不思議』2/2

＜「大変だけど、かわいいよねぇ」店員さんのひと言に励まされた＞

――最後にたまひよの読者のみなさんと、これから出産・育児を経験するパパ・ママたちにひと言お願いします。

るしこ「現在子どもが夏休みで、毎日パワフル全開の3歳児を『4月の入園前までは毎日がこうだったはずなのに、一体どうやって過ごしてたんだ？？？』と遠い目で眺めています。予測不能な子育て、これからも楽しんでいきたいと思っています。一緒に頑張りましょう……！」

子連れの外出は周りの目が気になって何かと気を使いますよね。るしこさんの漫画を見ていると「世の中にはこんなにやさしい人たちがたくさんいるんだなぁ」とほっこりした気持ちになり、自分も誰かにやさしく接したいと思えます。

著書『ちっちゃなやさしさに、今日も救われてます』には、るしこさんが道ゆく人々から受けた“ちっちゃなやさしさ”がたくさん詰まっています。毎日大変なことはたくさんあるけれど、前向きな気持ちになれるポジティブな一冊です。（文・清川優美）