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60歳で子育て真っ最中。「敵だと思ってたママ友たちは、実は味方でした」漫画家・渡辺電機(株)さんインタビュー

更新

渡辺電機(株)さんのnote連載『還暦子育て日記 その1』より

「このまま1人で人生を終えるはずだった」という漫画家の渡辺電機さん。55歳の時に16歳年下のシングルマザーと結婚して2人の姉妹のパパになり、還暦を迎えた今では3歳の息子も加わって家族5人、にぎやかな毎日を送っています。

長女アユちゃんとの2人暮らし生活をつづった単行本『父娘ぐらし 55歳独身マンガ家が8歳の娘の父親になる話』(KADOKAWA)が話題の渡辺さんに、現在のステップファミリーの暮らしや、姉弟3人の育児で心がけていることなどを伺いました。

「新しいパパ」が「ほんとのパパ」になった

『父娘ぐらし 55歳独身マンガ家が8歳の娘の父親になる話』第5話より

――ママの仕事の都合で、当時8歳の長女アユちゃんと渡辺さんが東京で2人暮らしをしていた頃のお話が『父娘ぐらし』に描かれています。今回はその後にみんなで暮らし始めてからのお話を伺いたいのですが、アユちゃんだけでなく妹さんもすぐになついてくれたそうですね。

渡辺 そうですね。次女は、新しいパパという呼び方から、すぐ「ほんとのパパ」と言うようになりました。「いや、本当のパパじゃないよ」って言ったんですけど。

――本当のパパと言われるのは、どんな気持ちですか? じーんときそうですが…

渡辺 いや、「ほんとのパパは言い過ぎやで」と思ってました。じーんとは来なかったですね(笑)。

――新しい家族と暮らすようになって、独身時代と比べていちばん変わったのはどんなことでしょう。

渡辺 それまで子どもに関わることがなかったので、こんなに作り笑いを浮かべる生活になるとは思わなかったですね。大人にはどう思われようが構わないから別にいいんですけど、子どもたちと目が合ったり、何かするときには、悪意がないことを示すためにニコッと笑うじゃないですか。それが毎日ですからね。よその子どもたちも、ちゃんと笑って接すればこんなに寄ってくるんだって知らなかったです。

――大阪から東京に転校してきたアユちゃんのために、学校のクラスメイトとも積極的にコミュニケーションを取ったというお話がありましたが、漫画のエピソードでもすごく子どもたちになつかれていましたよね。

渡辺 あの頃はコロナ前だということもあって、まあ、みんなすっ飛んできましたね。たぶん、(子どもたちの輪に)寄ってくるお父さんが他にいないこともあると思うんですけど。普通は、遠慮しちゃってなかなか輪に入っていけないと思うんですよね。

ウザがられるほどかわいがるようにしています

渡辺電機(株)さんのTwitterより。にぎやかな日々が絵日記でつづられています。

――3人のお子さんとの生活で心がけていることはありますか。

渡辺 やっぱり、差をつけないことですね。末っ子の息子は、いちばん小さいし初めての男の子だということもあってかわいがりがちなんですけど。だから上の2人には、ウザがられるくらいにこのままガンガンいこうと思ってます。

 ただ、2人とも女の子だから、さじ加減が難しいですね。長女のアユの場合は、思春期なのでドアを開ける時にこっちの気配を感じさせたりしてます。次女は、3年前まで末っ子だったのが、弟が生まれたことでそうじゃなくなって「弟に気を使いつつも、なんかキライ」という葛藤が本人にあるのが分かるので、なんとかストレスが残らないようにしたいと思ってます。

――普通のきょうだいでも末っ子が生まれることで関係性が難しくなると思うのですが、ステップファミリーだということもさらに加わっての大変さがあるのでしょうか。

渡辺 そうですね。本人たちも本当の親じゃないみたいなことを意識していると思うので、ベタベタしてきたらできるだけ応じるようにしています。次女は仕事中でもなんでもスマホを持って寄ってきて「見て見て、面白いよ!」って来るので、これから“仕事中は話しかけない”ってことができるようになったらいいですね。

――そういう時も渡辺さんは怒らないんですね。

渡辺 怒ってもしょうがないので子どもには腹は立たないですね。ただ、そういう時は僕も話をちゃんと聞いていないんですけど(笑)。頭をつかんで「うるさいな〜!」とかイジったりすると、それで子どもはある程度満足する部分もあるので。

「絶対面白いから育児漫画を描いて!」と妻に背中を押された

渡辺電機(株)さんのTwitterより。朝の送りは渡辺さんの担当。

――育児漫画を描こうと思ったきっかけは。

渡辺 面白い体験をしているので形にしたいとは思っていたんですけど、自分の子どもをネタにするのは嫌だなという部分はありました。結局他に何やってもお金にならないので最後の手段みたいなところはありましたが、奥さんは「絶対に面白いから描きなさい」と。

――子ども時代から渡辺さんの漫画を読んできた、ファンでもある奥様ならではのお言葉ですね。実際の奥様の反応はいかがでしたか。

渡辺 うーんそうですね、「まあ、いいんじゃない?」ってだいたい褒めてくれますけども。面白くない時は黙って「ああ、なるほど、いいんじゃないですか」という反応なのでスン…となりますが、僕の漫画を昔から読んでくれてるのでダメ出しも参考になります。

 とにかく今は漫画を描く時間を作るのが大変です。せっかく時間ができても眠すぎて気絶してしまったりするので。奥さんが朝早く出勤して、次に長女のアユが中学校に登校して、その後で次女と長男を学校と保育園に送り出して。朝の送りが終わって「やれやれ」とご飯を食べて、さーて仕事をするか、その前にちょっと横になって考えよう…って、そのまま寝ちゃって3時間経ってたりします。

――漫画『父娘ぐらし』でも、夜にアユちゃんと一緒に寝落ちしてしまって仕事ができない描写に共感しました。60歳で育児の日々は私たちの想像以上に大変だと思うのですが…。

渡辺 手塚治虫だったらもう亡くなってる年齢ですからね。無理したら死ぬ歳なので、睡眠と食事はおろそかにしないようにしています。ただ、奥さんが専業主婦をやれるくらいにならないとこの先つらいなと思ってます。今は漫画が話題になったからといって、そんなに売れているわけではないので。

「ママ友=敵の戦闘員」のイメージでした

『父娘ぐらし 55歳独身マンガ家が8歳の娘の父親になる話』第18話より

――独身時代と今の自分を比べてみて、どう思われますか。

渡辺 年とったなあと…。でも、結婚前は絶対無理だと思っていたことが全部クリアできたので「意外にできたな」と思います。

 今までは地域社会とほぼ無縁で暮らしてきたし、子ども連れの前を通るときは「不審者通りまーす!ごめんなさい!」ぐらいの気持ちでいたし、“ママ友”っていうのは敵の戦闘員くらいのイメージでした。でも、役所にもほぼ行ったことなかった自分が、今では役所の人たちとすごく話すようになって、いろいろ特殊な家庭なので向こうも気にかけてくれるようになりました。

 ママ友たちも、僕みたいにガンガン学校に来るパパが珍しいっていうのもあると思うんですけど、めちゃくちゃ親切なんですよね。みんな子どものことを第一に考えていて。僕が見えてないだけかもしれないけど、よく言われるママ友同士のドロドロも全然ないですし。

――そんな周囲との良好な関係性も伝わってきて、漫画を読んでいるうちに泣きそうになることもあります。これからも楽しみにしています。

渡辺 泣かせようと思って、あざとくやらせていただいています(笑)。でも、こっちもリアルタイムで結構じんわり泣きそうになることもあるんですけど。

渡辺電機(株)

東京都出身。明治大学在学中の1980年代半ばより、複数のペンネームでマイナー誌の仕事をする傍ら、石ノ森章太郎の仕上げスタッフに参加。1991年『クソゲー戦記』月刊コミックコンプにて初連載。主な作品に『ダンジョン退屈男』『土星のプリンセス』『はたらくねこ』『クソゲー星人』『(株)~かっこかぶ』『ゾンビな毎日』など。2022年4月、エッセイ漫画『父娘ぐらし』(KADOKAWA)発売。

渡辺電機(株)さん note

渡辺電機(株)さん Twitter

(取材・文 武田純子)

父娘ぐらし 55歳独身マンガ家が8歳の娘の父親になる話

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