年末年始や連休、深夜も!小児科が休みのとき、赤ちゃん・子どもが急病になったらどうする?
休日や夜間に子どもの具合が悪くなったときに相談できる「子ども医療電話相談事業(#8000)」を知っていますか?知っているけど使ったことはない…というママやパパも多いのではないでしょうか。現在、47都道府県すべてで実施され、1カ月あたり150人に1人の子どもが利用しています。かかりつけの小児科が休診になる年末年始に備え、上手な使い方を知っておきましょう。
適切なアドバイスを得られるようにするには?
全国同一の短縮番号「#8000」にかけると、住んでいる都道府県の相談窓口に自動転送され、すぐに受診すべきか、ホームケアで様子を見るべきか、どこの医療機関を受診したらいいかなどを相談できます。
#8000の相談員は、小児科医療に精通した看護師さんが担当していることが多いようで、ママやパパの強い味方になってくれます。相談員から的確なアドバイスをもらうには、子どもの状態を電話できちんと説明する必要があります。
「ママやパパの『いつもと違う』という感覚は、救急受診の重要な目安になりますが、子どもの普段の様子をわかっていないと、『どこがどういつもと違うのか』がわかりません。具合が悪くなったときだけ子どもの様子を観察するのではなく、元気なときの様子もきちんと観察して、『いつもと違う』をキャッチできるようにしておくことが大切です。
#8000での相談時間は「3〜6分が多く、中央値4~5分」とのこと。その時間内で相談員に子どもの状態を理解してもらうためには、電話をかける前に、「いつもと違う」ポイントを整理したメモを作ったり、発熱の推移をまとめたりして、わかりやすく説明できるようにしておくといいですね。
#8000をはじめとする4つの小児救急医療情報ツールを活用しよう
時間帯や時期によっては、#8000に電話しても「話し中で相談できなかった」ということもあるようです。つながらなかったときの対応法についても確認しておきましょう。
相談の電話がピークを迎えるのは19~21時。この時間帯はどうしてもつながりにくくなってしまいます。この時間帯を避けて電話をするのが1つの方法ですが、日本小児科医会では『4つの小児救急医療情報ツール』を活用することを推奨しています。
「4つの小児救急医療情報ツール」について、簡単に説明します。
【1】#8000
休日や夜間に、電話で子どもの病状について相談できる。実施時間帯は都道府県によって異なる。
【2】子ども救急ガイドブック
都道府県や市が作成する冊子で、都道府県や市が開設するサイトからダウンロードできる。現在、県単位で31県、市の作成を含め45県で作成されている。
【3】子どもの救急(ONLINE QQ)
上記サイトに挙げられている子どもの主な症状19項目から該当するものを選び、さらにこまかい症状をチェックすると、すぐ受診すべきか、ホームケアで様子を見るべきかが表示される。生後1カ月~6才が対象。
【4】救急医療情報システム
都道府県ごとにサイトを開設しており、夜間や休日に受診できる医療機関を探せる。広域災害情報と医療情報を統合して情報を発信。
#8000がつながらないときは、まず、ほかの3つのツールで解決できないかトライしてみてください。欲しかった情報が見つかるかもしれません。ほかのツールでは解決できず、やはり電話でアドバイスが欲しいと感じた場合は、再度#8000に電話をかけましょう。
多くの病院が休診となる年末年始は、休日・夜間救急外来に行くか悩むことが多くなる時期です。夜間や休日に子どもの様子を相談できる場所があると知っていると、かかりつけの小児科が休診になる年末年始の心配を減らせます。赤ちゃん・子どもの具合が悪くなったとき「いつもと違う」ところを見つけ、#8000の相談員に説明できるように、今、元気にしているときの様子もしっかり観察しておきましょう。
構成/たまひよONLINE編集部