横浜DeNAベイスターズ・戸柱選手「子どもとの時間は削れない」その理由とは？

子どものころから人一倍の努力をしてきた人たちだけがなれるプロ野球選手。自身がパパとなったときに、子どもたちとどのようにかかわっているのでしょうか。日々の子育てで心がけていること、家族のことなどについて、2女1男の父・横浜DeNAベイスターズの戸柱恭孝選手に聞きました。

野球で成長させてもらった実感があるから、子どもにも野球をやってほしい

――2女1男のパパでもある戸柱選手ですが、子どもたちとはどんなことをして遊んでいますか？

戸柱選手（以下敬称略）　縄跳びをしたり野球をしたり。長女は今テニスにハマっていて、それを見た二女も一緒に遊びます。僕も一緒に公園についていって、ボール拾いをしています。末っ子の長男はまだ小さいのでそこまでの遊びはできませんけどね。

――子どもたちは、パパがプロ野球選手だということを認識しているのでしょうか？

戸柱　上の2人はわかっていて、試合でヒットが打てたときとかには「パパ、打ったね」などと話しかけてくれますし、試合を見ているときなどに「パパ～打て～」などと声をかけてくれていると聞いています。
「パパ、パパ」と寄ってくるくらいの長男も、僕がテレビに映ったときに、パパだということはわかってくれているみたいです。

――子どもたちにも野球をやってもらいたいですか？

戸柱　希望としては野球に取り組んでくれたらうれしいな、と思っています。だからどうしてもおもちゃなどは野球のものを与えています（笑）。
実は僕自身、小さいころは野球があまり上手ではなく、中心選手ではなかったんです。でもあきらめの悪さといいますか、へこたれずに頑張って練習して、プロの世界で勝負できるようになりました。野球を通して精神的に強くなった実体験があるので、野球をしてくれればうれしいですね。

――野球以外はどうなのでしょうか？

戸柱　僕自身は野球一筋でしたが、30歳を過ぎてからですかね、ラグビー、アメフト、サッカーなどの大きい大会を見ていて、「このスポーツもおもしろいな」と思うことが増えています。なので、あくまで子どものやりたいことをやってもらうのがいちばんだとは思ってもいます。
いろいろなことに挑戦してほしいと思います。

親が子どもを育てるのではなく子どもが親を育てていると感じる

――子どもたちとのかかわり方で、何か気をつけていることはありますか？

戸柱　言葉選びに気をつけています。というのも、子どもは小さい約束ごとでもしっかり覚えているからです。子どもが喜ぶ姿が見たいがために、たとえば「今日はこの時間には練習終わるから、お迎えに行けるよ」と言ってしまうことがありましたが、実際にはその時間のとおりに終わらないこともあります。そうなると子どもは、「なんでパパいないの」となって機嫌が悪くなってしまいます。約束を破っているのだから当然ですが･･･。

――どのようにリカバリーしていますか？

戸柱　全力で、すぐに謝ります（笑）。そして後日埋め合わせをするのではなく、その日のうちに「自転車で出かけよう」とか「縄跳びをしようか」といったように、後のばしせずにできることをするようにしています。

――野球と子どもたちが中心の生活になっていると思いますが、自身の時間は取れてますか？

戸柱　私はポケモン世代で、子どものころはゲームをずっとしていました。実は今も、子どもたちが寝たあとにポケモンの新作で遊んでいます（笑）。

――よいリフレッシュになっているんですね。戸柱選手にとって、できるだけ子どもたちとの時間を取ることは、野球にもいい影響があるからでしょうか？

戸柱　それはもちろんあります。育児も生活の一部なので、野球を頑張れば家族もハッピーになるし、家族といい時間を過ごせば野球も頑張れる。相互にいい影響があります。それに、親は子どもを育てながら、子どもに育ててもらっている側面もあるのかなと思います。人間としては先輩でも、親としては1年目からスタートしているので子どもと同じです。それは父親になって、ものすごく感じていることです。

――最後に、2023年の目標を教えてください。

戸柱　家ではかっこいいパパでいたいですね。野球では、2022年は個人的に後悔している場面があるので、2023年は後悔のないようにやり切りたい。チームも優勝して、家族みんなで喜びたいですね。

お話・写真提供／戸柱恭孝選手　取材・文／香川誠、たまひよONLINE編集部