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美容や健康に欠かせない「たんぱく質」に注目! 良質なたんぱく質の選び方と気をつけたいNG行動【管理栄養士】

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健康や美容に欠かせない「たんぱく質」。最近では、お菓子やパンにも「高たんぱく質」をうたった商品を多く見かけます。

しかし、たんぱく質は選び方を間違えたり、多く摂り過ぎたりすると、からだの負担になることを知っていますか?

そこで今回は、たんぱく質の働きや、気をつけたいポイントを管理栄養士がお伝えします。

三大栄養素「たんぱく質」とは?

たんぱく質は、炭水化物、脂質と並ぶ三大栄養素のひとつ。複数のアミノ酸から構成される、からだを作る材料となる栄養素です。

筋肉や肌だけでなく、臓器や骨、血液、髪、爪、ホルモンや酵素、免疫物質もたんぱく質を主材料に作られます。
人のからだを構成する栄養組成は以下の通りです。


【身体の栄養組成(成人・体重60kgの場合)】(※1)
水分:62.6%
たんぱく質:16.4%
脂質:15.3%
ミネラル:5.7%
糖質:1%未満


水分を除くとたんぱく質の割合が大きく、重要な役割を担っていることがわかります。
また、自然界には約500種類のアミノ酸が発見されていますが、人のからだを構成するのは20種類です。そのうち11種類は体内で糖質や脂質から作り出すことができますが、9種類は合成できないので、食べ物から摂らなければなりません。(※2)

1日の推奨摂取量

年齢や性別に応じて、1日の推奨たんぱく質量が「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(※3)に示されています。

普段、よく使う食品に含まれているたんぱく質量は以下の通りです。

>以下の数値は厚生労働省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(※4)を元に、筆者(管理栄養士)が計算した実測値となります。

たんぱく質の不足は、髪や肌が乾燥する、貧血になりやすい、筋肉が衰えて怪我をしやすくなる、免疫力の低下で感染症にかかりやすくなる、集中力が低下する、など全身に影響します。

「アミノ酸スコア」に着目しよう

※画像引用元:厚生労働省「特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム(図Ⅲ-1-8 制限アミノ酸の考え方-必須アミノ酸の桶-)

アミノ酸スコアとは、人のからだを構成するアミノ酸のうち、体内で合成できない9種類のアミノ酸のバランスをあらわした指標です。

バランスがなぜ大切かは、アミノ酸ひとつを桶板のひとつに見立てた「桶の理論」で考えるとわかりやすくなります。桶の水は桶板の大きさがバラバラだと1番低いところまでしか貯められません。

同じように必須アミノ酸も、量の少ない種類に合わせて他の種類が活用されるため、それ以上の量があっても排泄されてしまうのです。

たんぱく質はたくさん摂ればいいというわけではなく、含まれるアミノ酸のバランス、つまり、質にも意識する必要があります。

必須アミノ酸とは

必須アミノ酸とは、体内で合成できない9種類のアミノ酸のことをさします。
具体的には、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン(スレオニン)、トリプトファン、バリン、ヒスチジンです。必須アミノ酸は食事から摂らなければなりません。

アミノ酸スコアの高い食材

よく使う食品のアミノ酸スコアは以下の通りです。(※5)

大豆以外の植物性食品からも、たんぱく質が摂れることに注目しましょう。

また、最近ではアミノ酸のバランスにくわえて、体内での消化・吸収・利用のしやすさを基準にした「消化性必須アミノ酸スコア」という概念も生まれました。
国際連合食糧農業機関(FAO)で推奨されており、日本でも健康意識の高い人たちに注目されています。

大人も子どもも、たんぱく質を上手にとりいれよう!

たんぱく質はママ・パパはもちろん、お子さんにも大切な栄養素で、毎日必要量を摂るのが理想です。ここからは、献立を考えるときに意識したい、たんぱく質を摂る際のポイントをご紹介します。

日々の食事で効率よく摂り入れるには?

幅広い食品から栄養を摂る

じつは、たんぱく質だけをとっても体内で細胞にはなりません。細胞を形成するにはたんぱく質以外にも脂質やミネラル、ビタミンも必要です。
さらに、合成する際のエネルギーとなる炭水化物も欠かせません。

体内でたんぱく質を効率的に活用するには、さまざまな食品から幅広く栄養を摂る必要があります。肉や魚(たんぱく質・脂質)を含むおかずの他に、ごはんやパンなどの主食(炭水化物)と、野菜やきのこ、海藻(ビタミン・ミネラル)などを使った副菜も用意しましょう。

たんぱく質をチョイたしする

朝食であれば、ごはんに納豆や味噌汁を添える、パンの場合はヨーグルトやクリームチーズを組み合わせる、といったちょっとの工夫でたんぱく質を確保できます。
他には、汁物に豆腐を入れる、野菜の和え物にツナを混ぜる、常備菜に肉味噌を用意するのもおすすめです。

幼児も食べやすいたんぱく質メニュー例

伝統的な和食のスタイルである「ごはんと味噌汁」は、良質なたんぱく質を摂ることができる組み合わせです。ごはんと味噌はお互いのアミノ酸スコアの不足部分を補い、一緒に摂ることでたんぱく質の質を高められます。

肉や魚を主とするおかずだけでたんぱく質を確保しようとすると調味料の使用量が増え、脂質が過剰になり、栄養のバランスが崩れやすくなります。
「ごはんと味噌汁」で土台を整えたうえで、良質なたんぱく質をくわえると、からだに負担をかけず、効率的に摂ることができますよ。

まだ食べるのが上手ではないお子さんでも食べやすく、忙しいママ・パパでも簡単にとり入れられるたんぱく質源になる食材が卵です。

いくつかまとめてゆで卵を作って置けば、すぐに食べられます。
目玉焼きやスクランブルエッグ、かき玉汁、落とし卵の味噌汁など、アレンジしやすく飽きづらいのも卵の魅力です。

おやつでとりいれるのもひとつの手

1回の食事で十分な量が食べられない場合は、おやつでたんぱく質を確保するといいでしょう。その際は普段の食事ではとりづらい食材を選ぶのがおすすめです。

おにぎりに鮭を混ぜ込んだり、小魚アーモンドを利用したりすれば魚が食べられます。
牛乳やヨーグルト、チーズトーストからは乳製品、プリンやカステラなどからは卵が摂れます。
また、豆腐やおからを使ったスイーツやきな粉をトッピングすると、大豆製品も摂りやすいですよ。

気をつけたいNG行動

たんぱく質はママ・パパだけでなくお子さんにも大切な栄養素ですが、何となく食べているだけでは意味が半減するばかりか、からだに負担をかける場合もあります。
たんぱく質を効率的に摂り、利用するために気をつけたいポイントをご紹介します。

同じ食材ばかりでの摂取はさける

アミノ酸スコアを見ると動物性食品の方が優秀なのですが、肉類はたんぱく質だけでなく脂質も含んでいるため、多く摂り過ぎると生活習慣病の発症リスクを高める心配があります。
普段食べている肉類の一部を植物性のたんぱく質に置き換えるだけで、心血管リスクを低下する可能性がある、との報告もあります。(※6)

ただ、植物性たんぱく質ばかりで必要量を確保しようとすると、膨大な量を食べなければならず、食費や調理時間、食事時間の増加が懸念され、継続が難しいと感じることも。
たんぱく質は動物性、植物性のどちらかに偏るのではなく、両方からバランスよく摂ることが大切です。

たんぱく質を過剰摂取するとどうなる?

たんぱく質は重要な栄養素である一方、消化に時間がかかる性質があります。消化に時間がかかるということは、胃にとどまる時間が長く負担になりやすいということです。
日常的に胃に負担をかけ続けると、胃の機能が低下し消化不良を起こします。

未消化のたんぱく質がそのまま腸へ送られると悪玉菌が増殖しやすくなり、腸内環境を悪化させるおそれも。
胃の機能が低下し、腸内環境が悪化すると、他の食べ物の消化・吸収もうまくいかず、食べているのに栄養が吸収できないという事態になりかねません。

たんぱく質の過剰摂取は胃腸機能の低下につながり、ひいては全身の栄養状態にも影響を及ぼすので注意が必要です。

賢くたんぱく質を摂って元気を手に入れよう!

たんぱく質は生きていくうえで欠かせない大切な栄養素のひとつです。
動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の両方からバランスよく摂ると、効率的にからだで利用できます。

毎食、たんぱく質源となる料理を出すのが難しいときは、間食で補うのも選択肢のひとつ。
ただ、摂り過ぎは胃腸に負担をかけ、全身の栄養状態を下げてしまう心配もあるので注意しましょう。

<参考文献>

※1 P77,78  厚生労働省「特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム」
※2 厚生労働省「e-ヘルスネット」アミノ酸」
※3 P126 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
※4 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※5 P89,90 厚生労働省「特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム」
※6 一般社団法人 日本肥満症予防協会「肉やソーセージなどを食べ過ぎると健康リスクが上昇 植物性食品に置き換えるとリスクは減少」

おすすめ動画:【鶏胸肉のレシピ】疲れてる人これ食べて! 鶏むね肉のアクアパッツァ

PROFILE

あんしん漢方 管理栄養士
小原水月(おはらみづき)

管理栄養士・健康食育シニアマスター。社員食堂で300以上の料理を修得、ダイエット合宿所・特定保健検診の業務に携わり600人以上の商事と生活習慣改善を個別サポート。自身の出産後の体調不良から食事と漢方で体調改善/増進の経験を生かし、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。「心も体も食べたものだけで作られる」をモットーに簡単で時間もお金もかけずに元気になれるレシピを発信中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211332f2tmhy00010005

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