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世界に広がる日本の母子健康手帳が「ワンダフル!」と絶賛される理由

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ママの妊娠期から子どもが6才になるまで、予防接種や健康の記録をまとめた母子健康手帳。日本では妊娠したら市区町村から配布され、だれもが手にするものですが、今、日本の母子健康手帳が世界で高く評価されているんです。2017年11月には、日本の母子健康手帳がロシアに輸出されたというニュースも! 
当たり前のようにママたちが持っている母子健康手帳、いったいどんな所がすごいのでしょうか? 親子健康普及協会理事・管理栄養士の白崎ユミさんにお話を伺いました。

世界初!この一冊で妊娠期から6才までを網羅

日本の母子健康手帳が誕生したのは、戦後のこと。戦時中は、妊婦のために「妊産婦手帳」が配布され、妊婦さんは米や砂糖などを配給してもらうことができました。
その後、昭和23年(1948年)に母子共に健康を守れるようにと、母と子の記録ができるように母子手帳になり、昭和41年(1966年)に現在の「母子健康手帳」となりました。
母子一冊になったことで、医師が母親の妊娠期や出産時の状態に加え、子どもの健康状態も把握でき、適切な処置や治療ができるメリットが生まれました。

「1964年には、当時まだ発展途上だった日本が、医療の先進国であるアメリカの乳児死亡率を下回るまでに。それにはさまざまな要因がありますが、妊娠期から6才までをひとつの手帳で管理でき、母子健康手帳を見れば、母子の状態を確認できるという、他国にはない特徴を持った日本独自の『母子健康手帳』も乳児死亡率低下に大きく貢献したと考えられています」と白崎さん。

発展途上国がアレンジ。母子の健康推進に貢献

遠く海の向こうに目を移すと、海外には日本のように母子の健康記録を一緒に残せる手帳のようなタイプは数少なく、アメリカにはユタ州にあるのみ、ロシアでは子どもの予防接種の記録を残す程度で、それも生後約1年くらいまで。発展途上国の山村地帯やアフリカに至っては、記録さえ残せないケースもあります。
日本の母子健康手帳はアフリカやアジアなどの発展途上国で注目され、アジアでは留学生医師によりノウハウが持ち帰られ、その国に合うようにアレンジ、母子健康手帳を導入した国もあります。

「ガーナでは、3つの研究サイトで東大大学院・神馬征峰教授の研究チームが手帳を工夫して使用することにより、妊婦健診の受診率が8%だったのに対し、受診率を50%まで上げることができました」

母子健康手帳を通して母子の健康への意識が高まり、確実に成果が上がり、日本の母子健康手帳の貢献度は目を見張るものがあります。

今、注目!「20年をつづる母子健康手帳」

そんな中、妊婦さんやママたちの間で問い合わせが殺到するほど注目を集めている母子健康手帳があります。それは、親子健康普及協会が発行・販売している「20年をつづる母子健康手帳」。なぜこれほどまで注目されるようになったのか、編集を担う白崎さんは言います。

「自治体から配布される母子健康手帳は、通常6才までの記録しか記入できません。成人以降は健康の自己管理ができるとしても、従来の6才までの母子健康手帳だと、7才から10代の病歴などの健康状態が抜け落ちがちに。たとえば10代のころの喘息(ぜんそく)、アトピー性皮膚炎などの病歴がわかれば、完治していたとしてものちに病院での治療方針や検査方法に役立つこともあります」

病歴だけでなく、子育てに関する悩みや問題もケア

病歴の記録に限らず、ほかにも10代で迎える反抗期のこと、社会問題にもなっているいじめにあったとき最初に親が取るべき対処法やいじめられにくい子に育てるためのアドバイス、性の問題など、子育ての中で親がこれから直面するであろうさまざまな悩みや問題についても、年齢ごとに解説されているのも特徴。子どもの健康手帳としてだけでなく、親の心のケアにもなる、親と子のための一冊になっているのも従来の母子健康手帳との違いともいえます。

ロシアへの輸出が決定!その名も“BOSHI- TECHO”

「20年をつづる母子健康手帳」のほかに、協会では2016年に発展途上国向けの英語版20年母子手帳を制作。それがロシア人医師の手に渡り、そのクオリティーと完成度の高さに「ワンダフル!」と、絶賛。すぐにロシア語訳に乗り出し、法律的な面以外は英語版母子手帳をほぼそのままの形で妊婦さんたちに届けられることになりました。
表紙も含め、「日本型母子手帳」が輸出されるのは初めて。その手帳の名前は日本語と同じ“BOSHI- TECHO”。

「日本の治安のよさにならい、リオオリンピックでは“KOBAN”が導入されました。それと同じように、BOSHI-TECHOも日本が誇れるアイテムとして世界に浸透し、母子の健康を守っていけたらと願っています」

母子健康手帳は、その名のとおり、母と子の健康のデータを記す手帳ではあるけれど、その中には母の子どもへの愛もあふれています。

「子どもが20才になり、使い込んでボロボロになった母子健康手帳を手渡されたとき、子どもの心に何か響くものがあることでしょう。そして、その子どもが母親になったとき、母がしてくれたように慈しみ、思いやりを持った親になってくれると信じています。ママたちには、日本の誇りである母子健康手帳を、ぜひもう一度見直して活用してほしいと思います」と白崎さんは語ります。

世界に渡った日本の母子健康手帳。でも、ママたちのその手にあるのは、世界でたった一冊の母子健康手帳。いつかわが子に手渡す日まで愛をいっぱい注いでください。(取材・文/井上裕紀子、ひよこクラブ編集部)

■取材協力
「20年をつづる母子健康手帳」
親子健康手帳普及協会

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