「ダメなものはダメ」「入る前に1個だけと念押し」子どものおねだり、どうかわすのが正解?
今回のテーマは「子どものおねだり」についてです。どのように対処するのがいいのでしょうか。「たまひよ」アプリユーザーに聞いた子どものおねだり事情とともに、子育てアドバイザーの高祖常子さんに、アドバイスをいただきました。
作戦は「1つだけ」と約束したり、言い聞かせたり…
最初にみんなの声からご紹介します。
「1回だけなどと制限をつけて、それ以上は買わないと何回も言い聞かせています」(ゆっな)
「値段の計算をさせます」(砂糖)
「どんなに泣いても『ダメなものはダメ』とつき通す。以前は、子どもが床に寝転んでダダをこねる図を、“うわー”と思って見ていたけど、次女で私も当事者になった(笑)」(いちご)
「スーパーについてくるのは、子どもにとって楽しいことではないと思うので、基本的にはお菓子1つ、ガチャガチャ1回など、子どもたちにとってのメリットを作っていました。
なので、子どもたちは『スーパーへ一緒に行くとお菓子を買ってもらえる!』『ガチャガチャやりたいからお菓子はやめよう』などと、自分で考えていました」(M)
「代替案を出すようにしています」(しろしろ)
「アンパンマンを見ると全て欲しがるので、子どもが見つけると『はーい、バイバイしとこうねー』とか言って誤魔化します。子どもがバイバイしているすきにその場を去ります」(あーちゃん)
「一度買ってしまうと毎回買えると思ってしまうので、絶対にガチャガチャやお菓子は買いません」(れもん)
「お店に入る前に『今日は〇〇だけを買いに来たから、お菓子は買わないよ』と念押しをする。お目当ての商品を探すお手伝いをしてもらい、そのまま『お手伝いありがとう! 助かったよー』と子どもの気持ちを持ち上げながら、ササッとレジへ行く。そして、お店を出てから、褒める」(まるまる)
みなさん、いろいろと考えて、接しているようですね。スーパーやお店などで子どもが「これ、買って〜」などとぐずリ出したときは、どのように対応するのがいいのか、家族の問題について多くの相談を受けてきた子育てアドバイザーの高祖常子さんに伺いました。
子どもの気持ちをきちんと受け取り、切り替えるきっかけを
「スーパーで子どもにおねだりされて、ぐずられると困りますね。大泣きしたり騒いだりとなると、手が付けられなくなります。
親の方も、買い物もあるし、子どもの対応もしなくちゃならない。スーパーで時間がかかると帰ってからごはん作りやお風呂などのいくつものミッションがあるのに間に合わなくなっちゃうなどと、いろいろな想いがよぎり、いっぱいいっぱいになってしまいます。
そうすると「うるさい!」「買わないって言ってるでしょ!」と怒鳴りつけてしまったり、その結果、さらに大泣き……という悪循環に陥ってしまうこともしばしばです。
そもそも、「お菓子買って」「おもちゃ買って」は、目の前のものに反応している子どもの気持ちです。毎回の買い物で困るなら、お菓子売り場やおもちゃ売り場を通らないように工夫するのも1つの方法です。スーパーへ行かずに八百屋や肉屋さんで買ったり、宅配を使ったりするなどの方法もあるでしょう。
Mさんのように「お菓子1つ、ガチャガチャ1回」と決めておくのもいいと思います。子どもも1つだけと思えば、「今日はどのお菓子にしようかな」と一生懸命選ぶでしょう。
子どもの年齢にもよりますが、まるまるさんの「お店に入る前に『今日は〇〇だけを買いに来たから、お菓子は買わないよ』と念押しをする」と事前に伝えておくのはとてもおすすめです。さらに買い物を手伝ってもらって、「ありがとう」と伝えるのは子どもの自己有用感がアップしますね。
買えないときには「お菓子、美味しそうね。でも今日はおかずを買いに来たから、お菓子は買えないよ」と、子どもの気持ちを受け取りながら理由をきっぱり伝え、その場を立ち去りましょう。
あーちゃんさんのアンパンマンにバイバイするというのもいいですね。「お菓子が欲しい」→「アンパンマンにあいさつする」と、子どもの気分の切り替えを手伝うことにもなります。また「今日はお菓子買えないけど、家に帰ってサラダ作りを手伝ってくれるかな?」と先の楽しいことを伝えるのも気分の切り替えに役立つでしょう。
子どもの気持ちを否定せず、どうやって切り抜けるか、楽しく考えていただけたらと思います」(高祖常子さん)
子どもが小さいうちは、お菓子やおもちゃが目に入らないようにし、少し大きくなったら、子どもの気持ちを受け止めながらうまく気持ちを切り替えさせるといいのですね。
(取材・文/メディア・ビュー 橋本真理子)
高祖常子さん
PROFILE)
子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント。保育士、幼稚園教諭、社会教育主事、ピアカウンセラーなどの資格を持つ。NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか。全国13万部発行の「育児情報誌miku」編集長として14年活躍。育児誌を中心に編集・執筆を続けながら、子どもの虐待防止と、家族の笑顔を増やすための講演活動、ボランティア活動を行う。3児の母。著書多数。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2023年8月の情報であり、現在と異なる場合があります。