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「職場で『またかよ』と思われそう」「復帰後すぐに2人目産休に入るのは申し訳ない」共働き家庭の2人目問題

更新

自宅でラップトップを使用しながら電話で話す若い母親。
Drazen Zigic/gettyimages

今回のテーマは「共働き家庭の2人目問題」についてです。
「たまひよ」アプリユーザーに聞いた現状とともに、子育てアドバイザーの高祖常子さんに、アドバイスをいただきました。

「経済的理由」「余裕のなさ」「職場・仕事への不安」などの声が

最初にアンケート結果をご紹介します。

Q「共働き」家庭の方に伺います。仕事復帰のタイミング、上の子が保育園を退園しなければならない、1人目復帰後にすぐ2人目の産休に入るのは気がひける等、仕事や保育園が理由で2人目をためらったことはありますか?

ある 35.4%
ない 55.6%
その他 9%

約35%が「2人目をためらったことがある」と回答。
その理由について聞いてみると…。

「金銭的な理由」(雨だぞ)

「2人目を考えていた時期に、職場の人間関係が悪くなり転職したばかりだったこともあり、新しい職場に迷惑をかけるのではと思って」(みはるママ)

「復帰後すぐに産休に入るのは申し訳ないので、計画的にしないといけないなと思っています」(M)

「ただでさえ保育園へ入れないのに、2人目はさらにハードルが高そうだから躊躇してしまう」(凪)

「復帰後、社内で別の人が産休に入ることになって人手が足りなくなり、仕事が回らなくなったので、なかなか2人目って難しいなと思いました」(ゆっな)

「職場に子持ちの人がいないので、2人目ができたら『またかよ』と思われないかと気が重いです」(ゆりりん)

「総務の部署に在籍しているので、社内の産休・育休にまつわるいろいろな部分を見てきたため、気を遣います」(むむ)

「2人目を育てられる自信がない」(砂糖)

「1人目がすごく病気がちで休みが多く、病児保育の登録はしてるものの、極力自分でみたいと思って仕事を休むことが多くなり、肩身がせまい。だから2人目となると…」(まじゅ)

「子どもが幼稚園入園の年齢になるまで、2人目は産もうと思いませんでした。家に上の子がいる状態で赤ちゃんを見るのは、自分のキャパオーバーと思っていました」(はゆん)

「1人目の復職後、どのくらいで2人目を考えるか迷っています。周りに迷惑をかけるかもと思うだけでなく、自分自身、仕事が好きで成長したいという気持ちもあり、復職して2人目を考えるとまたキャリアが中断されてしまうという怖さがあります」(かずみず)

「複数回、産休をとるのは出世にかかわると思うので」(ソレイユ)

どの理由も切実ですね。2人目を躊躇する理由は、「経済的理由」「自分の余裕のなさ」「職場から理解を得にくい」「自分のキャリアの心配」が多いようです。
2人目出産はただでさえ、いろいろと考えてしまいがちですが、共働き家庭の場合、職場への配慮や自分のキャリアなど、どのように考えればいいのでしょうか。
子育てアドバイザーであり、キャリアコンサルタントでもある高祖常子さんにお話を伺いました。

周囲への配慮や感謝は必要だけれど、「どうありたいか」を大切に。と専門家

「2人目をためらう方が35.4%いるというのは結構大きな数字だと思いました。

Mさんは職場の状況も考えて『計画的にしないと…』ということですが、計画的に子どもを授かることが難しい方もいます。今は平均の初産年齢が30歳を超えていますから、2人目となるとさらに年齢が上がり、妊娠する割合は年齢と共に下がってきます。1人目はスムーズに授かったのに、2人目不妊で悩んでいる方も少なくないのが現状です。

もちろん職場への配慮も必要ですが、『自分と家族がどうありたいか』ということが一番大事です。職場に配慮して2人目を考えるのが2~3年先送りになったら、それだけ妊娠しにくくなる可能性もあります。また親の具合が悪くなるなど介護の可能性もありますし、コロナの流行のように、職場自体も1年先はどのような状況になるのかわからないのが今の世の中です。

2人目を持ちたい気持ちを先送りしているうちに、自分やパートナーが病気や事故に遭うことだってあるかもしれません。先のことはわかりませんから、配慮しすぎるよりも、まず自分は、そしてわが家は、どうしたいのかを優先して考えるといいでしょう。

自分がいないと回らないと思っていても、職場は意外とどうにかなるものです。男性育休の推進が叫ばれていますが、取得者や企業から聞こえてくるのは、『仕事の棚卸しができた』『チームワークが培われた』『取得者は仕事の優先順位をつけるようになり、効率が増した』など、いいことばかりです。

出産は出産予定日があるので、育休取得開始時期や、どのくらいの期間取るのかを事前に相談したり把握しやすいのですが、介護となると、親が急に倒れることもあり、それがどのくらい続くのかということは予想がつきません。子どもは成長と共に年々お世話の手が離れていきますが、親が倒れると急激に回復するということは基本的にないのです。
このようなことから、育休を取得できる体制が整っていない企業は介護離職も多くなっている傾向があり、働き手が減少していく今の時代、企業としての存続が難しくなっていくと思われます。

妊娠・出産や産休・育休に対し、職場や上司が批判したり仕事の待遇を悪くしたりすることなどは、ハラスメントにもなります。妊娠・出産しても、子どもが何人いても働きやすい、力を発揮しやすい職場であることが、選ばれる企業として欠かせないことになりつつあります。

周囲への配慮や感謝は必要ですが、あくまでも自分の生き方の問題と考えてみましょう」(高祖常子さん)

希望したからといって、必ず授かるものではないので、ぜひ、後悔のない選択をしてほしいです。
(取材・文/メディア・ビュー 橋本真理子)

高祖常子さん

PROFILE
子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント。保育士、幼稚園教諭、社会教育主事、ピアカウンセラーなどの資格を持つ。NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか。全国13万部発行の「育児情報誌miku」編集長として14年活躍。育児誌を中心に編集・執筆を続けながら、子どもの虐待防止と、家族の笑顔を増やすための講演活動、ボランティア活動を行う。3児の母。著書多数。

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2023年6月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです(有効回答数144人)
※記事の内容は2023年8月の情報であり、現在と異なる場合があります。

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