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スウェーデンの家庭内での性の話、ジェンダーレスな子ども服売り場・・・多様な価値観のために息子に伝えたいこと【YouTuberふたりぱぱ】

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スウェーデンの自宅のバルコニーで、親子でのんびり語らう時間。

2011年に結婚し、男の子を育てる国際同性婚カップルのYouTuberふたりぱぱ。日本人のみっつんさんとスウェーデン人のリカルドさんは、現在7歳になる息子くんと家族3人でスウェーデン・ルレオで暮らしています。みっつんさんにスウェーデンでの家庭内の性の話や、ジェンダーの考え方、今後の息子くんとのことについて話を聞きました。

学校で学ぶ性教育の内容に合わせ、家庭でも包み隠さずに伝える

息子くんの音読の宿題を見ているリカパパ。

――みっつんさんとリカルドさんは、息子くんが生まれたときのことについて、息子くんにどんなタイミングで、いつごろ話そうと考えていますか?

みっつんさん(以下敬称略) 性については本人の理解に合わせて説明することを大事にしています。スウェーデンでは幼稚園や学校で教わってくるので、そのタイミングで家庭でも教えるようにしています。息子は、4歳のときに「赤ちゃんは女性のおなかで育てられて生まれる」と教わって「僕はどこから生まれたんだろう?」という疑問を持ったので、「アメリカにあなたを産んだステファニーという人がいるんだよ」という話をしました。

子どもと対話していると、子どもがどこまで理解できているかわかると思うので、それに合わせて伝えています。性の話は大人が恥ずかしがってしまうと、子どもも恥ずかしいものだと思ってしまいますから、包み隠さず、ふざけず、きちんと答えることを大事にしています。うちの場合は、大きくなったら僕が書いた本を読んでもらうのもいいかな、と思っています。

――これまで息子くんと家庭内で性器のことなどについて話をしたことはありますか?

みっつん 去年日本に行ったときに、サファリパークに遊びに行ったんですが、まだ幼稚園児だった息子がある動物を見て「あの動物は女の子だね、スニッパがあるから!」って言ったんです。「スニッパ」はスウェーデン語で女性器を表す俗語です。スウェーデンの幼稚園で学んだんだと思います。日本語の俗語を叫んでいたら大注目だったと思うので、僕は「スウェーデン語でよかった・・・」と、正直ホッとしたんですけど、でも息子としては単純に「おちんちんがあるから男の子」というのと同じく、ただ生物学的に当然の話をしている、というニュアンスの発言でした。

―― スウェーデンでは家庭内でも、性器や性交についてカジュアルに話し合える環境でしょうか?

みっつん それは、スウェーデンでも家庭によると思います。近所のふたりママの家に遊びに行ったとき、ティーンエイジャーの長男と、当時人気だった「セックス・エデュケーション」というドラマの話題になりました。「性の悩み」をメインテーマにしたNetflixの青春ドラマで「あのドラマよかったよね〜」「おもしろかったね」なんて話をしていたら、ママの1人が「ちょっとその話は私はまだ苦手かも・・・」と言っていて驚いた出来事がありました。あとから聞いたら彼女の宗教の問題のようでした。スウェーデンでは子どもたちは学校で性教育を受けますが、家庭によって考え方が違うんだな、と感じました。

子ども服売り場は「女の子」「男の子」の表記がない

スウェーデンのショッピングモールの子ども服売り場は、「男・女」で分けられていません。

――日本の子どもたちの間では最近でもお友だちの外見に対して「女みたい」「男みたい」というなどのジェンダー差別があると感じます。

みっつん そういうことはスウェーデンの子どもでもあると思います。子どもは親の影響を強く受けますし、スウェーデンは移民の多い国でもあるので、もともと暮らしていた国の文化的な価値観があると、そういうジェンダー差別をする子がいるのも事実です。でも、学校でそのような子どもの発言があったら、先生が違う言い方を提案すると聞きます。

スウェーデンの幼児教育では「教える」のではなく学べる環境をどう整えるかを大事にしているのですが、それは性教育にも当てはまります。たとえば男性の先生が髪を伸ばしてみたり、ひげを長く伸ばして三つ編みにした先にリボンをつけていたり。ジェンダーにとらわれない言葉や話し方をすることも心がけているそうです。普段から差別や決めつけをしない態度を見せることで、子どもはその大人の姿を見て学ぶ、という考え方なんですね。

――ふたりぱぱのYouTube動画では、息子くんの洋服を買いに行った売り場でもジェンダーを固定しない様子が配信されていました。

みっつん 色味的になんとなく、ピンクっぽいもの、青っぽいものとセクションは分かれていますが、子ども服売り場で「男の子」「女の子」という表記はありません。一見、男児用かなと思われる売り場にも、女の子のモデルが起用されていたりと、既存の「らしさ」にとらわれないようにしていると感じます。また、グラデーションになっている部分もあるので、子どもが自分の好きなものを選びやすいと思います。

実際、女の子だからってピンクが好きとは限らないですよね。息子は以前はピンクが好きだったけど、今はマインクラフトの影響で金色と緑が好きです(笑)。マインクラフトの開発者はスウェーデンの人ですが、あのゲームの世界ではジェンダーがないことを意図しているそうです。ゲームに登場するスティーブとアレックスというキャラクターについて「あれは男の子かな?女の子かな?」と息子と一緒に話して楽しんでいます。マインクラフトのTシャツを着ている女の子もいるし、息子は女の子と一緒にゲームをして遊んだりもしています。

正解は一つじゃないことや、「無知の知」に気づいてほしい

2023年の冬に子連れでロンドン旅行へ。家族でライオンキングを観劇!

――ふたりぱぱファミリーは、アメリカ、日本、スウェーデンなどいろんな国での生活を経験しています。

みっつん 息子にはさまざまな文化や価値観に触れてほしいという思いは強くあります。その理由は二つ。一つは、いろんな国を旅していろんな価値観に触れることで、正解は一つじゃないと学んでほしいからです。僕自身、海外で生活してたくさんのことを学べました。幸せになる選択肢はたくさんあると知っていれば、生きやすい道を自分で選べるし、ときには逃げるという選択肢を取ることもできると思います。彼が生き延びるための選択肢を多く持っていてほしいんです。

二つ目の理由は「無知の知」に気づける人になってほしいからです。「無知の知」は哲学者ソクラテスの有名な概念ですが、僕は大好きです。僕は海外で12年ほど生活してきましたが、その中でいろんな経験をさせてもらって、世界のことを知れば知るほど知らないことがあるとわかる、と実感しています。今年43歳になるけれど、昔だったら「これはこうだよね」と断言できていたことも断言できなくなってきました。
自分が知らないことがあると知っているからこそ、新しいことを知ろうとするし、勉強しようとするし、もしかしたら自分は間違っているかもしれないと考えられると思うんです。

だから息子には、刺激が多くて大変かもしれないけど、世界のいろんな国のいろんなことを実際に見て、聞いて、感じて、学んで、成長していってほしいな、と思っています。

親業は18歳まで、と自分に言い聞かせている

雪が降らない春から夏の時期は自転車で通学する息子くん。

――みっつんさんは2024年の2月に日本での舞台にチャレンジされるそうです。3カ月ほどリカさんと息子くんと離れて暮らすことに心配はありますか?

みっつん あんまり心配はないかな。いずれ離れていく息子との、第1弾の練習じゃないかぐらいにとらえています。
僕は、親業は18歳までと思っているんです。彼が生まれてすぐそのかわいい姿を見た瞬間から、この子といられるのは18年間だけだ、と自分に言い聞かせています。この子は僕とは別の人格だし、いずれ離れていく人だ、と。18年間、この子を守り、自立した人間に導いてあげることが僕たち親の仕事だと思っています。そして息子が18歳になったあとも、僕は僕の人生を歩いていけるように、社会での仕事も大事にしています。

僕は長期間息子と離れるのは初めてだけど、2023年の春に日本に3カ月ほど滞在して息子が日本の小学校に通っている間、リカパパは仕事の都合で1カ月半離れて暮らしていました。
そのとき発見したのは、親が片方だけになると意外と息子が成長する、ということ。「パパ1人だから助けなきゃ」と思うのか、いつもより自分のことは自分でできるようになりました。今回もその逆パターンで、僕がルレオに帰ったら成長した息子の姿を見られるんじゃないかな、と期待しています。

お話・写真提供/みっつんさん 取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部

これからを生きる子どもの未来、より多様な価値観の人たちとの交流する社会になると考えたとき、今親である私たち自身が、常に学び、考え方をアップデートしていくことが必要なのかもしれない、とみっつんさんの話から感じました。

「たまひよ 家族を考える」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることを目指してさまざまな課題を取材し、発信していきます。

YouTubeチャンネル『ふたりぱぱ FutariPapa』

みっつんさんが2024年2月に出演する舞台、うずめ劇場第40回記念公演『地球星人』について

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2023年11月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

ふたりぱぱ

PROFILE
スウェーデン人のリカと日本人のみっつんと息子くんの同性婚ファミリーYouTuber。みっつんとリカは結婚後、代理母出産により息子くんを授かり、リカの故郷スウェーデンへ移住。スウェーデンで現在7歳になる息子の子育てに奮闘する様子をYouTubeやブログで発信している。

『ふたりぱぱ ゲイカップル、代理母出産(サロガシー)の旅に出る』

スウェーデン人男性と同性婚をしたみっつんの人気ブログ『ふたりぱぱ』の連載「サロガシーの旅」の書籍化。ゲイが子どもを授かる方法、サロガシー(代理母出産)のプロセスなど、ゲイカップルが子どもを授かるまでの“旅"をリアルに語るエッセイ。みっつん著/1870円(現代書館)

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