大和田美帆さんに聞きました!「育児の鉄則はひとりで抱え込まないこと」
女優、タレントとして活躍する大和田美帆さん。
産後も精力的にドラマやバラエティー番組などに出演し、育児の悩みや楽しみをつづったブログを1冊にまとめた『ワガコ』も出版する等、さまざまなフィールドで活躍されています。
そんな大和田さんに、育児のコツについてたっぷりと話してもらいました!
“共感”が育児のパワーになる
「娘を出産後、病院から家に戻った私は、まず何をしていいかわからない状態でした。舞台にたとえるなら、台本もないのに舞台に立たされるような感覚!
とにかくあせって、この子をどうしたらいいのかと考えていたんです。
…と言いたいところですが、考える余裕さえありませんでした。すべてが不安で、何が正解かわからなかったんです。
当たり前ですよね。育児に正解なんてないのですから。そこで頼ったのが、母親でした。
でも母親も、私が赤ちゃんのころのことはまったく覚えていないようで、頼りにならず…(笑)。
2人でずっとあたふたしていました。
2時間おきに泣くたびに起きて、おむつを調べたり、おっぱいをあげたり…。
満足に睡眠もとれずイライラもしましたが、“私があげなくちゃ、この子は死んでしまう”と思い、必死にこなしていたように感じます。
そんなときに始めたのが、育児ブログでした。
最初はプライベートなことを書くのはやめようと思っていたブログですが、一度自分が不安になっていることをつづってみたら、いろんなところから共感のコメントをいただいたんです。そのときに、“私はひとりじゃない”って思えたんですよね。
それに何より、だれかに認めてもらえたという感覚がすごく強くて、すごくホッとしたんです。そこで、やっと世間と私はまだつながれていると思えたんです。
今度、このブログで知り合った方たちを集めたママ会を開催するんです。それが今からすごく楽しみ。一緒の悩みを話した“戦友”のようなママ友たちと、実際に会って話すことができる機会を、これからも作っていきたいと思っています」
育児の形は人それぞれ。比べることをやめたら気持ちが楽になりました
「先輩ママや、街ですれ違う人たちが、娘を見て話しかけてくれることが増えました。
多くの人が私にかけてくれた言葉が『あっという間よ』のひと言。
子育てにかなり大変さを感じていたときは、これが永遠に続くのではないかと思うことが多かったんですが、先輩ママたちは、振り返ると一瞬だったと言ってくださるんです。
にわかに信じられませんでしたが(笑)、少し楽になった1才を過ぎたあたりに振り返ると、確かにあの瞬間は一瞬。ゴールがあると思うだけでも、だいぶ違いますよね。
わが家は夫の仕事が忙しく、平日はほとんど私と娘だけで過ごします。献身的なほかのパパの話を聞くと、“いいな”と思うこともありましたが、家庭によって、子育てのしかたは違うもの。それなら、私の家族らしい子育てをしていこうと思えるようになったんです。
疑問に思ったらブログに書いて、そこでできたママ友と意見交換をし、近所の人たちと思いきり話す。そうやって気分転換を覚え、私らしい子育てができるようになってからは、『娘のすべての初めての瞬間を私だけが見ていて申し訳ない』と思うほどになり、だいぶ楽になりました(笑)」
保育園に入れるかどうか悩み、悩みきったからこそ答えが出た
「仕事に復帰する際、保育園に預けることに抵抗を感じ、すごく悩みました。
それこそ、まわりの『かわいそう』という声が、気になってしかたなかったんですよね。
でも、仕事は続けたい。
そんな葛藤の中、保育園が決まり、預け始めたのですが、慣らし保育の3日目、子どもが保育園で遊んでいる様子を陰からのぞいてみたんです。そうしたら、今まで私に見せたことのない表情で笑っていたんですよ。
そのときに、彼女はここで頑張っている。それなら私もしっかりと切り替えて働き、大好きな仕事をして心も充実した状態で迎えにこようと思ったんです。
実際に、仕事をしたあとは、気持ちもリフレッシュされ、満足感も感じ、育児に対するモチベーションもグッと上がります。それだけで、前より娘を愛せるように感じたんですよね。
保育士はプロ。だからこそ、ちゃんと信頼をして預けることが、私たちママのするべきことだと思うんです。
もちろん、人それぞれですから、いろんな考えがありますよね。そこで私は、育児に関しては、絶対に相手のことを否定しないという答えに行きついたんです。
たとえば、離乳食のレトルトを使うか使わないか、母乳がいいのかミルクがいいのか、保育園がいいのか嫌なのか、そんなの、その人次第。そんなことよりも、子どもを愛する気持ちがいちばんだと思うんです。だからこそ、自分を信じることも大事だと実感しました」
快活に、時に涙を流しながら答えてくれた大和田美帆さん。
愛する娘さんがかわいくてしかたがないという思いと、仕事が楽しいという思いにあふれた表情は、とてもキラキラしていました。
ひとりで悩まず、いろんな人と話し、頼れるところは頼る。そして、100%子どもを愛する。そう決めた大和田さんは、とても楽しく育児をしているように見えました。(取材・文/ひよこクラブ編集部)
Profile
大和田美帆●女優。2014年に結婚、翌年9月13日に女の子を出産。両親は俳優の大和田獏さんと女優の岡江久美子さん。今後は、舞台「アマデウス」(9/24〜、東京・池袋のサンシャイン劇場)に出演。
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。