母乳育児に固執しすぎてノイローゼ気味だった妻を救った、夫の行動『ふうふう子育て #24』


ごめん、黙っていてほしい
「相手がしてほしいこと」をする
産前は「育児用ミルクでも母乳でもラクなほうでいいや~」と思っていた私が、産後は「母乳育児をしなきゃ!」と激変。しかし、私の母乳の出があまりよくないことに加え、娘のふーみんも吸うのが得意ではなく、毎日2人で泣きはらすことになりました。
そんな私たちを見ていて心配になった夫は、「僕も授乳を応援しよう」と決意。夜中でも授乳のたびに私の近くにきて鼓舞したり、私の頭をなでたり、ネット記事や人から聞いた話などをもとに「もっとこうしてみたらいどうだろう?」とアドバイスをしたり……。夫はやさしくて思いやりがあり、きっと嬉しく思ったり、気持ちがラクになる人もいると思うのです。
でも、私はわざわざ鼓舞するためだけに夜中に起きてくると「ちゃんと寝て気力と体力を回復してほしい」と思ってしまったり、頭をなでられても「今はそういう気分じゃない」とイラっとしてしまったり、何より受け取る余裕がないのにアドバイスされることで疲れてしまったり。自分の体だというのに思い通りにうまく授乳できないことが悲しく情けなく、怒りさえわいてくるようになってしまいました。
妊娠中に「夫婦で一緒に子育てしよう」と決めた通り、おむつ替えや沐浴など、ありとあらゆることを頑張る夫。当然、ふーみんの食事も責任感を持って「一緒に頑張りたい」と思ってくれているのは痛いほどわかりました。わかりました………が、受け取れないものは受け取れない!
そこで「授乳中は放っておいてほしい。1人で試行錯誤をしたいから。あなたはその間、別室で好きなことをしていてほしい。何か必要なら私からちゃんと伝えるから心配はいらない」と伝えました。よかれと思って自分の時間を削って、いろいろな工夫をしてくれていた夫からしたら、とても強い言葉だったと思います。口数少なく「わかった」とだけ言って、仕事部屋へ戻ってしまいました。
夫が気を悪くしただろうと思いながらも、私も限界を感じていたので「これでよかったんだ」と思うようにしました。もしも、これで夫がへそを曲げてしまってもしかたない……と。
でも、結果はきちんと伝えて大正解でした。私自身も手探りだった初めての母乳育児。夫は私以上に手探りで、何をどうしたらいいのかわからない状態だったので、私が自分の要望をはっきり伝えたことでラクになったと言っていました。
2人で子育てをしようと決めたけど、やはり何もかも半分こにしたり、同じ苦しみや気持ちを分かち合うことは難しいです。だからメインとなる人の要望や希望などを聞いて、「自分がやってあげたいこと」ではなく「相手がしてほしいこと」をして、あとは見守る姿勢でいることが応援になると、私も夫も身をもって感じました。
ちなみに、そこまで執着して頑張った母乳育児ですが、授乳相談に行ったり試行錯誤した結果、体質的にも難しかったようで、自分の納得できるラインとふーみんが満足できるラインの中間地点に落ち着きました。
私が早い段階で中間地点に落ち着いて着地できたのも、納得するまで試行錯誤できたことが大きかったので、私のニーズを汲んでくれた夫は、私にとってとても大きな「授乳の手助け」をしてくれたと思っています。
漫画家 青鹿ユウさんのプロフィール
漫画家。夫と娘と猫と暮らしている。自分の経験、専門家から学んだことを「気軽に楽しく読めて、ちょっとためになる」漫画にしたいと思っている。著書に『今日から第二の患者さん』(小学館)、共著書に『子どものアトピー性皮膚炎のケア』、『ほむほむ先生のアレルギー教室』がある。
X
http://aoshikayu.com/
※この記事は、過去に「マイナビ子育て」に掲載されたものです。