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子ども向けの市販薬は使って大丈夫?注意が必要な市販薬って?薬剤師が解説

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大人になると、軽い不調なら病院へ行かずに市販薬を使うことも多いですよね。しかし、子どものことになると「市販薬を飲ませていいの?」と悩んでしまうママやパパは多いのではないでしょうか。今回は、子ども向け市販薬を選ぶ際のポイントを薬剤師がご紹介します。

子ども向け市販薬を選ぶ前におさえておきたいポイント

前提として、市販薬は自己判断で使うものです。子どもが3か月未満の乳児、アレルギーの有無がわからない、基礎疾患がある、症状が重いなどの場合は自己判断が難しいため、市販薬を使わずにまずは病院を受診しましょう。1歳未満の乳児も、基本は受診して症状に合わせた成分や量の薬を処方してもらうことが推奨されています。

また、子どもは大人と比べて内臓の機能が未発達です。市販薬を使う場合は、大人用の薬の量を減らして子どもに飲ませることはできません。

なかには、大人と子どもがいっしょに使える市販薬もありますが、年齢によって適切な服用量は異なります。兄弟姉妹がいる場合でも同じ薬が使えないこともあるため、飲ませる前に使用可能年齢や服用量を必ず確認しましょう。

子ども向け市販薬を選ぶ際のポイント

子ども向け市販薬を選ぶ際は、薬の使用可能年齢と薬の形状をチェックしましょう。

薬の使用可能年齢

市販薬には、1〜2歳から使用できるものや生後3か月から使用できるものなど、薬によって使用可能年齢が異なります。購入する前に、パッケージに記載されている使用できる年齢を確認しましょう。

使用可能年齢を守らなければいけない理由は、子どもに使ってはいけない薬の成分があるためです。
たとえば、解熱鎮痛剤のロキソプロフェンやイブプロフェン、アスピリン(アセチルサリチル酸)、イソプロピルアンチピリンなどは15歳未満の使用はNGです。

同じ解熱鎮痛剤のサリチルアミドやエテンザミドも、水ぼうそうやインフルエンザの可能性があるときは15歳未満は使えないことがあります。(※1)咳止め成分のコデイン類は、12歳未満は使用禁止です。(※2)

また、子どもに使える成分でも、服用できる量が大人と異なるものもあります。市販薬を選ぶ際は、使用可能年齢を必ずチェックしましょう。

薬の形状

子ども向け市販薬を選ぶ際のもうひとつのポイントは薬の形状です。飲み薬の場合、シロップ剤や粉薬、チュアブル錠(口内で溶ける薬)などの子どもが飲みやすい形状のものを選びましょう。

子ども向け市販薬のなかにはカプセルタイプもありますが、うまく飲みこめないと喉につかえる危険性があります。5歳以下の子どもや体調不良で飲みこむ力が弱くなっているときは避けたほうがいいでしょう。

子どもが飲み薬が苦手な場合、坐薬や塗り薬で代用するのもおすすめです。しかし、症状によっては飲み薬以外の選択肢がないことも。そのような場合は、後ほどご紹介する『子どもに薬を飲ませる際のポイント』を参考にしてください。

市販薬選びで困ったときの対処法

「たくさんの種類がある市販薬、何を選べばいいかわからない」と困ってしまうこともありますよね。そのようなときは、お店にいる薬剤師や医薬品登録販売者に相談しましょう。

相談するときは、以下の項目を伝えるとスムーズです。
  ●子どもの年齢
  ●症状
  ●アレルギーの有無
  ●いつも服用している薬の有無
  ●苦手な剤型があるか
子どもに合う薬を見つけやすくするために、いつ頃からどのような症状が出ているのか詳しく伝えましょう。

たとえば、「5歳の子どもで、1日前から横になると咳が出て寝つきが悪い」というように伝えると、症状に合った薬が見つかりやすくなります。

飲んでいる薬があるときは、薬の名前や成分、何の目的で飲んでいるかなどを伝えて併用可能な薬を提案してもらいましょう。

子どもに市販薬を飲ませる際のポイント

子どもに市販薬を飲ませる際のポイントは主に2つです。

1つ目は、薬が気管に入らないように注意して飲ませることです。体調が悪いと、「なかなか起き上がらない」「飲みこむ力が弱くなっていて粉薬でむせてしまう」ということがあるかもしれません。

寝転がったまま薬を飲ませたり無理に粉薬を飲ませたりすると、薬が気管に入って、呼吸困難や肺炎の原因になる誤嚥(ごえん)を引き起こす危険性があります。薬を飲ませるときは、必ずからだを起こしてから飲ませるようにしましょう。水なしで飲める薬も寝ながらはNGです。

粉薬でむせてしまう場合は、少量の水で溶いて団子状にし、頬の内側や上側に塗りつけたあとに水で流しこむと飲みやすくなります。(※3)

2つ目は、子どもが薬が苦手な場合は好きな食べ物や飲み物に混ぜることです。好きな食べ物や飲み物、服薬補助ゼリーなどに混ぜると、味や感触がわかりにくくなるので薬が苦手でも飲みやすくなります。

ただし、薬のなかには混ぜるものによって苦味が増すものや吸収が悪くなるものがあります。何に混ぜるのがおすすめか薬剤師や医薬品登録販売者に聞いたり、服薬補助ゼリーをいっしょに購入したりしておくと安心です。

また、子どもが主食を嫌いになる可能性があるため、薬を母乳やミルク、おかゆなどの主食には混ぜないようにしましょう。

子ども向け市販薬をうまく活用しよう

子ども向け市販薬は、休日や夜間などの病院が開いていない場合や軽度の不調のときに役立ちます。もし市販薬選びに困ったら、薬剤師や医薬品登録販売者に相談して年齢や症状に合ったものを選びましょう。今回ご紹介したポイントを参考に、子ども向け市販薬もうまく活用してくださいね。

<参考文献>
※1 厚生労働省「市販の解熱鎮痛薬の選び方」
※2 厚生労働省「コデインリン酸塩等の小児等への使用制限について」
※3 一般社団法人愛知県薬剤師会「Q1.子供が薬をいやがるがどうしたらよいでしょうか?」

PROFILE

あんしん漢方薬剤師
中田 早苗

デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211332f2tmhy00010094

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