「2才過ぎても股スナップ肌着」は、おむつはずれが遅れる原因に!?
股の部分をスナップボタンで留めるボディスーツタイプの肌着やウエア。海外のかわいいデザインのものもたくさん販売されていて、赤ちゃんに着せるのが楽しいですよね。
でも、赤ちゃんが大きくなるまで着せていると、発達や成長、自立の妨げになることもあるって知っていましたか?
立っちを始めると、股スナップ肌着ではおむつ替えが赤ちゃんの負担に
「最近、赤ちゃんが2~3才になるまで、股の部分をスナップボタンで留めるボディスーツタイプの肌着を着せているママが増えているように感じます」と話すのは、さくらんぼこどもクリニック院長の三日市薫先生。
「ボディスーツタイプの肌着は、首がすわり、寝返りやはいはいをするようになった赤ちゃんにとっては、着せやすく、動いてもおなかが出ないので快適なウエアです。でも、つかまり立ちを始めて、赤ちゃんが立った姿勢でおむつ替えをするようになると、おむつ替えのときにスナップボタンを留めるのが大変。赤ちゃんにとっても着替えの時間が負担になります。おむつをパンツ型に替えたら、肌着も上下分かれたタイプのほうが、ママはお世話がしやすいと思います」。
さらに三日市先生によると、上下がつながった肌着は、立っちができるようになった赤ちゃんの、立ったり座ったりする動きを制限することもあるそうです。
おむつはずれをスタートしたとき、トイレに行くのが面倒に
三日市先生は、ボディスーツタイプの肌着は、おむつはずれの時期が遅くなっている原因の1つではないかとも言います。
「おむつはずれをしている時期の子どもは、まだ着替えもそれほど上手ではありません。そんな子どもがズボンを下ろし、さらにスナップボタンをはずし、紙おむつを脱いでトイレに座るのはとても大変なこと。ママがトイレに誘っても、行きたいと思わなくなってしまいます。トイレまで我慢できずに、失敗する確率も高くなりますよね」。
確かに、着替えにくい服を脱ぐのは、2~3才の子どもにとってはかなり面倒くさいこと。大人でも、着物を着ていたり、サロペットやオーバーオールを着ているときは、トイレに行くのを我慢したりしてしまうことがありますよね。
おなかが出て冷えても、下痢にはなりません!
「ボディスーツタイプの肌着は、おなかが出ないから安心。おなかが出る服だと、冷えて下痢になりそう…」と思っているママもいるかもしれません。でも、三日市先生は「『夏に寝冷えをしておなかをこわした』と言うことがありますが、夏に流行するウイルスや細菌感染が関係していることもあり、おなかを冷やしたことが直接の原因とはいえません。冬に寝冷えと言わないのは温かくして寝るためでしょう」。
また、「寝冷えを辞書で引くと、“睡眠中、冷たい空気に当たって体が冷え、体の具合が悪くなること”とあります。体が冷えると自律神経のバランスが崩れやすくなり体調を崩しやすくなります。また、冷たい水分を多く摂取すると体温が下がり下痢をすることもあります。おなかが痛いときや体が冷えて体調が悪いときは、温かくすると楽になります」とのこと。
上下分かれた肌着を着せていて、赤ちゃんが動き回っておなかが出てしまうことがあっても、それが原因で下痢になる心配はないようです。安心してください。
赤ちゃんらしくってかわいいボディスーツタイプの肌着。子どもに着せたい~!という気持ちもわかりますが、おむつ替えのときに脱ぎ着しにくいのも事実。赤ちゃんを立っちさせてのおむつ替えが大変になったら、遅くともそろそろおむつはずれを…と意識し始めたら、上下分かれたタイプの肌着に変えたほうが、赤ちゃんにとっても、ママもにとっても、ストレスフリーなのかもしれません。(取材・文:ひよこクラブ編集部)
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。
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