足の発達を妨げないキッズサンダルを選ぶポイント
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夏場など暑くなってくると足元から涼しくなりたいものですね。それは元気なキッズも同じです。快適に夏を乗り切るために涼し気なサンダルを選んであげましょう。
でもちょっと待って……!子どもの足が正常に発達するためには履物選びは慎重にしなければいけません。以下のようなポイントを押さえてくださいね。
健康運動指導士・日本体育協会公認水泳指導員 石本工
保健体育教員として30年余の勤務の後、さらに多くの人々の健康づくりに携わるべく、活動の幅を広げている。
子どもの体力向上、運動能力向上の指導を行う
子どもの足の発達と履物
子どもの足は小さくって、見ているだけでも可愛いものですね。
歩き始めると幅広の小さな足はどんどん発達してオトナの足のように細長く形が変化し、機能が発達していきます。
歩き始めから幼児期の足の発達の大きなポイントは、カカトの骨が出来上がっていくこと、土踏まずができることとです。
足の発達を促してより強くて機能的な足にするにはこの時期に適切な運動をすることと、足の発達を妨げない履物を選ぶことが大事なのです。
カカトの発達
カカトの骨はオトナは全部で7個ありますが、歩き始めの1歳ころではまだ4つしかなく未完成です。
だんだんと4歳ころまでに形成されていきます。また、足首周辺の筋肉も弱いです。
そのためカカトがアキレス腱の真下ではなくやや外側に位置しています。
成長発達に伴ってアキレス腱からまっすぐ下の位置、つまり正しい姿勢の土台になり身体をしっかり支えられる位置に固定されるのです。
土踏まずの発達
土踏まずは、個人差はありますが歩き始めから5〜6歳ころまでには形作られます。
土踏まずには体重や地面からの衝撃を吸収するクッションの役割があり、歩行やバランスなど運動に大事な役割を果たします。
キッズサンダルを選ぶポイント
子どもの足の発達を妨げないようにキッズサンダルは以下のポイントで選びましょう。
サイズ子どもの足に合ったサイズを選びましょう。
子どもの足はすぐに大きくなるから……と大きめのサイズを選んではいけません。
大きめのサイズでは、サンダルの中で足がずれるので靴擦れができてしまいます。
また、不安定なサンダルを無意識で指でぐっと押さえつけて固定するので、指が曲がってしまう変形が起きる危険性も高まります。
またブカブカで歩きにくく子どもの活動の意欲をそいでしまいます。とは言っても、ぴったりではいけません。指がしっかり動けるようにつま先の前に1センチ程度の余裕は必要です。
小さめのサイズを選ぶことはないとは思いますが、子どもの成長は速いため小さくなってしまったことに気づかないことはありがちなので気をつけてください。
小さなサイズを履き続けていると足の発達が妨げられ骨の変形など足の障害の原因になります。
足長、足幅、足囲を計測して正しいサイズ選びのアドバイスをしてくれるシューフィッターがいるお店もたくさんあります。
同じサイズでもデザインやメーカーによって微妙に大きさが異なるものです。
必ず試履をしてフィット感を確かめてくださいね。
固さ
歩いたときの後ろ足、つまり地面を蹴って前に進むときに、サンダル底の指の付け根の部分がしっかりと曲がる事が大事です。
サンダルの底の材質が固すぎると、子どもの体重と筋力で曲がらず、足を蹴り出すことができず、歩行の力が発達しません。
軽さ
できるだけ軽いものを選ぶことが大事です。
足、つまり身体の末端が重いと膝や股関節などに負担がかかります。
おそらくワンシーズンしか使わないので耐久性より軽さを重視したほうが子どもの足に優しい選択ですね。
デザイン
カカトが不安定のままたくさん歩くとカカトがアキレス腱の真下からずれた位置に固定されてしまい、扁平足や姿勢の悪さの原因になるおそれがあります。
つま先が覆われていても、それは窮屈ではなく幅広で少しの余裕があり足の指が動くことが大事です。
幼児の足の指は扇のように広がり、たくさん動きます。その動きを妨げないことが大事なのです。きちんとしたメーカーのキッズサンダルはこれらの基本は守りつつデザインを工夫しています。
浴衣や甚平で花火大会…なんてシーンでは粋に草履を履かせたいですね。
でも日本古来の草履はカカトの骨の形成が未熟な4歳過ぎまではオススメしません。
草履には、地面をしっかりとらえる足の指の力が発達し、土踏まずの形成が促進されるという利点はありますがカカトが不安定なのです。5〜6歳以上ならよいでしょう。
用途
どんな遊びのシーンでそのサンダルを履くのか、その用途によっても選び方は変わってきます。
海や川遊び、水遊びなどで履くのなら、速乾性の素材で、底面が滑りにくい加工をしてあるサンダルが向いています。
街歩きや普段履きならおしゃれなデザインや着脱のしやすさを考えてもよいでしょう。
ただしくれぐれも未熟な足の発達を阻害しないということを最優先して選んでくださいね。
キッズサンダルを履くときの注意点キッズサンダルをより快適に履くために次の点に気をつけましょう。
ケガに注意
サンダルは靴よりも露出部分が多いです。
擦り傷、靴ずれ、ちょっとした打撲など、足のケガには注意しましょう。
外出の際には救急絆創膏などを携帯しているとよいですね。
清潔に心がけましょう
夏は雑菌の繁殖も盛んです。
サンダルは靴よりも早く乾くのでこまめに洗って使いましょう。
同時に素足で履くサンダルは足も汚れます。
部屋に上がるときは足を拭いたり、できれば洗ったりする習慣も身に着けさせたいですね。
まとめ歩き始めから幼児期までの足の成長は親の責任と言っても過言ではありません。
お子さんがより元気にたくましく成長発達するキッズサンダルを選びましょう。
そしてそのサンダルを履いてたくさん一緒に遊んで、良い思い出を作ってあげてくださいね。