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古賀紗理那さんと笹川友里さんが小児科医に聞く「赤ちゃんを感染症から守るためにできることは?」

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(写真左から)古賀紗理那さん、坂本昌彦先生、笹川友里さん

インフルエンザ、手足口病、ヘルパンギーナなどなど、赤ちゃんがかかりやすい感染症はたくさんあり、中でもRSウイルス感染症は、ほぼ100%の赤ちゃんが2歳になるまでに感染するといわれます。
「赤ちゃんを感染症から守るためにママ・パパができること」をテーマに、佐久総合病院佐久医療センターの坂本昌彦先生を講師に招き、座談会を開きました。
司会を務めたのは、6歳と1歳8カ月の子どものママでもあるフリーアナウンサーの笹川友里さん、レクチャーを受けたのは、元バレーボール女子日本代表キャプテンの古賀紗理那さん。古賀さんは2025年10月現在、妊娠9カ月のプレママです。古賀さんも以前から気になっていた、という感染症のこと、詳しく聞いてみました。

★記事の最後にアンケートご協力のお願いがあります。ぜひ最後までお読みください。

赤ちゃんがかかりやすい感染症とは?対策はどうしたらいい?

「ワクチンがある感染症は、かかると重症化しやすい怖い病気が多いですね」(坂本先生)

笹川さん(以下、敬称略) 私の子どもたちもいろいろな感染症にかかってきました。先生、まずは赤ちゃんがかかりやすい感染症について教えてください。

坂本先生(以下、敬称略) 一番かかりやすいのはいわゆる風邪です。色々なウイルスが原因となり、乳幼児は1年間に5~6回風邪をひくといわれています。0歳代、1歳代で保育園に入園した場合は、それを機に繰り返しかかります。ある研究では、入園して約2カ月後にピークを迎え、その後しだいに免疫がついていき、1年弱で落ち着くと報告されています。

百日せきは、今年は特に10~19歳の子どもの間で大流行しました。ワクチン未接種の赤ちゃんがかかると命にかかわる怖い病気です。
秋から冬にかけてはインフルエンザの流行がピークを迎えますし、新型コロナウイルスも依然として流行中。この2つは家族内感染も多いので油断できません。
RSウイルス感染症は従来、春~秋に流行しやすかったのですが、コロナ禍を機に流行時期が変化し、予測しにくくなっています。

笹川 赤ちゃんをそのような感染症から守るために、家庭でできることはありますか。

坂本 まず、ママ・パパ、上のきょうだいなどの家族が、感染症を家庭内に持ち込まないようにすること。手洗いや、外出時のマスク着用、アルコール消毒などを習慣にすると良いですね。それに加えて、ワクチンで防げる感染症は赤ちゃんに予防接種をすることが重要かと思います。

笹川 ワクチンで防げる感染症のことを「VPD」というとか…。

坂本 そうです。VPD (Vaccine Preventable Diseases)は命にかかわる恐ろしい感染症が多いのですが、予防接種を受けることで感染を予防できます。万一感染した場合も、重症化するのを防ぐことができるんです。
しかも、予防接種の効果を得るのは、接種した本人だけではありません。たくさんの人が予防接種を受ければ、その感染症が流行するのを抑えられ、免疫不全の病気などで予防接種ができない子どもも感染症から守ることができるんですよ。

古賀さん(以下、敬称略) 予防接種は自分の子どもだけではなく、ワクチンが受けられない子どもたちも守ることができるんですね! 知りませんでした。

ワクチンのある感染症は、ワクチンがなかった時代と比べて感染者数が劇的に減少

笹川 ワクチンは子どもを感染症から守ってくれるとても大切なものということがわかりました。その効果を示す具体的なデータはありますか。

坂本 アメリカのデータなのですが、ワクチンのない時代の麻疹感染者は年間53万217人で、最近のデータでは273人。実に99%以上の減少率です。ヒブも2万人の感染者が33人となり99%以上減少しています。ワクチンのある感染症は、予防接種によって感染者数が劇的に減っていることがわかりますねー。

笹川 すごいですね!! 改めてワクチンの重要性を理解しました。生後2カ月がワクチンデビューの月齢といわれています。古賀さんは予防接種がある感染症でご存じのものはありましたか。

古賀 ほとんど知りませんでした! 予防接種の数が思っていた以上に多くて驚いています。接種する順番が決まっているのは理由があるんでしょうか。

坂本 感染症ごとに、どの月齢でかかりやすいか、またかかると重症化しやすいか、という傾向が分かっているので、それに対応した順番で接種することになっています。

古賀 複数回受ける必要がある予防接種も多いですね。決められた時期にきちんと接種できるのか心配になってきました。

坂本 1歳までに受ける予防接種が多いから、初めてのお子さんのときはとくに心配になりますよね。1つずつ接種すると時間がかかってしまい、接種もれが起こりやすくなるので、なるべく接種の回数を減らすことが大切です。そのため同じタイミングで複数の予防接種をする同時接種が勧められています。

古賀 小さな赤ちゃんの体に、一度にたくさんの予防注射を受けるんですか。なんだか怖そう…。

坂本 そのお気持ちもよくわかります。でも、同時接種の安全性は確認されていますので安心してください。2カ月から始まる予防接種のスケジュールについて、事前にかかりつけの小児科の先生と相談しておくといいですよ。

笹川 予防接種には定期接種と任意接種がありますね。この2つは何が違うのでしょうか。

坂本 定期接種は法律に基づいて接種の努力義務があり原則無料です。任意接種は努力義務は定められておらず、原則自己負担という違いがあります。ただ、任意と聞くと、「任意接種は受けなくていいもの」と考えるママ・パパもいるのですが、任意接種のワクチンも非常に重要で、海外では定期接種になっているものも多いです。定期・任意という枠組みにこだわらず、すべてのワクチンをお子さんの接種スケジュールに組み入れてほしいですね。

健康な赤ちゃんも重症化するリスクがあるRSウイルス感染症。対策はある?

赤ちゃんが受ける予防薬の投与と、妊婦さんが受けるワクチン接種の2つの方法がある!?

笹川 先ほど先生からのお話しの1つにあったRSウイルス感染症ですが、下の子は3カ月で保育園に入園し、5カ月のときRSウイルス感染症にかかりました。幸い大事には至らなかったのですが、低月齢の赤ちゃんは重症化リスクが高いと知り、今さらながら怖いなと感じました。

坂本 重症化しなかったのは何よりでしたね。RSウイルス感染症は発熱や鼻水などの風邪症状から始まり、じわじわと数日くらいかけて悪くなっていきます。多くは軽症で終わるのですが、一部の子どもは重症化して細気管支炎、肺炎、中耳炎などを併発することも。
とくに1歳未満の赤ちゃんは重症化リスクが高いので注意が必要ですね。

3人に2人の赤ちゃんが1歳までに感染するRSウイルス感染症って?


笹川 お話を聞くほど、RSウイルス感染症は怖い病気だなと感じます。対策はあるのでしょうか。


坂本 予防薬(抗体薬)とワクチンがあります。予防薬は、ウイルスと戦う兵隊(免疫細胞)の武器(抗体)を直接注入する方法で、赤ちゃん本人に注射します。ワクチンは、ウイルスと戦う兵隊(免疫細胞)の武器(抗体)を、自分の体の中で作れるようにするもの。RSウイルス感染症の場合は、妊婦さんが予防接種を受けることで、妊婦さんの体で武器(抗体)を作り、それをおなかの中の赤ちゃんにわたすことで、生まれたあとRSウイルスから赤ちゃんを守る、というしくみになっています。

すべての赤ちゃんをRSウイルス感染症から守りたい。それが小児科医の切なる願い

笹川 RSウイルス感染症を予防する方法があるというのは、プレママ・プレパパにとって安心できる情報です。

坂本 乳幼児のRSウイルス感染症の予防は小児科医の悲願。予防する方法ができたことはとても喜ばしいです。でも課題もあります。
近年、RSウイルス感染症の流行時期が予測しづらくなっており、赤ちゃんへの予防のために注射するタイミングを見極めるのが難しくなっているんです。
また現状では、予防薬の1つである抗体薬は、健常児を含むすべての赤ちゃんに有効な予防法ですが、現在、早産で生まれた赤ちゃんと基礎疾患のある赤ちゃんのみ健康保険の範囲で使用できます。健康な赤ちゃんは健康保険などの公費対象外で、自費診療です。妊婦さん向けのワクチンも同じく公費の対象外で、自費診療です。
さらに、RSウイルス感染症を予防する方法があるということが、ママ・パパに十分に周知されていないという問題もあります。
海外では、すべての赤ちゃんをRSウイルス感染症から守るために、抗体薬や妊婦さん向けのワクチンを定期接種として組み込まれている国が増えてきています。
日本でも、一刻も早く抗体薬や妊婦さん向けのワクチンを定期接種として、受けられるようになってほしい、切にそう願っています。

予防接種時の受診は、小児科医との相性を見るいい機会です

笹川 今日の坂本先生のお話を聞いて、古賀さんはどのように感じられましたか。

古賀 予防接種の大切さがすごくよくわかりました。家庭内にウイルスや細菌を持ち込まないようにするなど、できることをしつつ、予防接種を計画的に受けるようにします。そして今日伺ったことをこれからの育児に生かしていきたいと思います。
坂本先生に1つ質問が。いい小児科の先生の見つけ方ってありますか。

坂本 ママ・パパが心配に思っていることをちゃんと聞いてくれて共感し、アドバイスしてくれる先生が「いい小児科医」だと私は考えています。

古賀 何回か通ってみて「何か違う」と感じたときは、かかりつけ医を変えてもいいものでしょうか。

坂本 もちろんOKです。ただし、1つの症状の受診の途中で違うクリニックに行くのは、できるだけ避けましょう。初期症状からの経過をしっかり診ることが、適切な診断・治療には必要だからです。
子どもの具合が悪いときは、先生との相性を考える余裕がないかもしれないので、予防接種で受診したときはいいチャンスかもしれませんよ。

古賀 なるほど~。おなかの子が生まれたら、さっそくかかりつけの小児科の先生を探します。そして生後2カ月になったら、必ずワクチンデビューします!

笹川 今日は、プレママ・プレパパはもちろん、育児中のママ・パパにもぜひ知っておいてほしいことをたくさん教えていただき、私自身も大変勉強になりました。
坂本先生ありがとうございました。

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【座談会にご参加していただいたのはこの3人】
坂本昌彦先生(講師)

佐久総合病院佐久医療センター小児科医長兼国際保健医療科医長。専門は、小児救急、公衆衛生。名古屋大学医学部卒業。ママやパパへの子どもの事故・病気の啓発や救急外来の負担軽減を目的に、一般社団法人佐久医師会による子育て支援プロジェクト「教えて!ドクター」のプロジェクト責任者を務める。

笹川友里さん(司会・ママ代表)
「NewMe」CCO、フリーアナウンサー、タレント、モデル。
2013年TBSテレビに入社し、情報制作二部で制作ADを経験。その後人事異動でアナウンサーに。8年在籍し独立。2023年NewMe株式会社を共同創業。TOKYO FMにてラジオパーソナリティ、ファッション誌「VERY」カバーモデルとして活躍中。プライベートでは、夫は元フェンシング銀メダリストの太田雄貴さん、二児のママ。

古賀紗理那さん(プレママ代表)
元バレーボール女子日本代表、タレント。1996年生まれ、身長180cm、熊本県出身、2024年パリオリンピックではキャプテンを務める。2015年~2024年はNECレッドロケッツ川崎に所属、2024年に現役を引退。2022年に、バレーボール男子日本代表・西田有志さんとの結婚を発表。2025年7月には初のエッセイ『後悔しない選択』(KADOKAWA)を発表。

提供/サノフィ
MAT-JP-2507083-1.0-11/2025

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