出産直後に出た言葉1位は「生まれてきてくれて、ありがとう」じゃなかった! ベテラン助産師がママに贈る「とりあえず転がっていなさい」の真意は?
「たまひよ」アプリユーザーの産後ママに、「出産直後のひとことは『生まれてきてくれて、ありがとう』と、感動的で素敵な言葉を想像していた方も多いと思います。現実では、どんな言葉が出ましたか?」とコメントを大募集。1位は「やっと出た・やっと終わった」でした。2位は「生まれてきてくれてありがとう」、3位は「かわいい」でした。「そんな出産直後のママたちへ贈りたい言葉がある」という、ベテラン助産師の濵脇文子先生から金言アドバイスです。
出産って長い長い闘いなんです、「やっと出た」「やっと終わった」
「やっと陣痛が終わった。(放心状態&足がガクガク)」(おかちこ)
「『やっと生まれた。やっと(出産)終わった。(無事に産まれて)よかった。(赤ちゃん)大きい!疲れたな』です。疲労困憊で、頭の中ですら流暢に話せる感じではなかったです」(2人のママ)
存在そのものに感謝、「生まれてきてくれてありがとう」
「無事に、元気に、生まれてきてくれてありがとう!です」(みやぽん)
「顔を見た瞬間、涙が出てきて、心からうれしくて、ありがとうが止まりませんでした」(あおこ)
小さくて無垢な姿に、素直に「かわいい」
「『え、かわいすぎる。どーしよーっ』て、感じでした」(一休さん)
「本当は『生まれてきてくれて、ありがとう』と言いたかったんですが、人見知りを発動してしまい、産科医や実母の前で言葉をかけるのが恥ずかしくなって『わぁ…、かわいい…』しか言えませんでした(汗)」(いちご)
リアルな出産はシュールで、そして自由なのです。くすっと笑える産後の言葉
「1人目は『(3800gと大きくて)思ってたサイズ感と違う』です。2人目は、出産前の診察では3200g予想でしたが、出産直後の計測で『3500gです』と読み上げられて、『2人目も大きいんかいっ!』と、心の中でツッコんでました」(ai)
「口では『かわいい~、やっと会えたね~』と言いましたが、心の中では『パパに似すぎだろ…』でした(笑) 院長先生、助産師さんたちも口をそろえて『パパにそっくりだねー!!!』と言うほどでした!」(焼うどん)
「『戦意喪失』です。助産師から『抱っこしてみますか?』と言われたけど、『今はいいです。戦意喪失です』と言ってしまった」(ナッツ)
「『泣いた~』のあと、間髪入れず『痛い~!!』です。胎盤が剥がれなくて感動する間もありませんでした。赤ちゃんと感動対面している夫に『ズルい~!こっちは痛いのに~!』と、怒っていました(笑)」(あかりん)
「『今って何月何日何時ですか?』です(笑) トータル24時間かかり、痛みで時計を見る余裕もなく、まずは日付と時刻が気になりました…」(しょぴ)
「『え?今生まれたの??』です。自然分娩です。3900gもあったので、いきんでもいきんでもなかなか生まれず、よくわからないまま吸引され、ドゥルンという感じもわからず、まわりが『生まれた!』と言うまで気づかず、『え?今生まれたの??』となりました」(ねるママ)
「『うわ、本当に赤ちゃんがおなかに入っていたんだ…』です」(えびしおせんべ)
「『おなか凹んだ、人間ってすごい!』です。臨月のパンパンのおなかが、生まれた瞬間から急に凹んだ感じがして、びっくりしました」(みみ)
笑いあり、涙あり、痛みありのさまざまな言葉が集まりました。
「そんな出産直後のママたちへ、贈りたい言葉がある」とは、ベテラン助産師の濵脇文子先生です。
「助産師が産後ママへ贈る言葉は、“赤ちゃんをケアするように、自分のことも労わって”です」と、濵脇文子先生
みなさんの喜怒哀楽のコメントは素敵すぎます。
100人の妊婦さんがいたら100ストーリーあるのが出産です。
そんな出産直後のママたちへ、助産師として贈る言葉は「家に戻ったら赤ちゃんをケアするように、自分のことも大切に労わって」です。
「床上げ3週間」という言葉があるように、産後3週間は布団は敷きっぱなしで、ママは赤ちゃんのお世話以外は、なるべく心身を休ませることが大切です。
ところが多くのママが、家に戻ると赤ちゃんのお世話に張り切ります。
授乳して、おむつを替えて、着替えさせて、「そのついでにポチッとボタン押して洗濯機を回そうかな」「ついでに洗濯物を干しちゃおうかな」「ついでに掃除機をかけようかな」と、なっていませんか?
上にお子さんがいると「園へ送迎しなきゃ」「ごはんの準備をしなきゃ」と、日常に戻ってしまうことも珍しくありません。
でもね、産後のママの身体は、交通事故で言えば全治2カ月レベルの重傷なのです。
ママの体は赤ちゃんを宿すと、血液量が2倍になるなど、約10カ月かけて大きく変化し、出産では子宮や骨盤、骨盤まわりの靭帯や筋肉などが大ダメージを受け、出産後は約10カ月かけて変化した体をたった2カ月で、妊娠前の状態に急速に戻そうとします。
ホルモンのバランスもガッタガタで、心身ともに悲鳴をあげているような状態なのに、ママは「赤ちゃんのために」「上の子のために」と動いてしまう。安静にしていても「家事をしなくて申し訳ない」と思ってしまう方もいる。でもね、申し訳ないなんて思う必要はないのです。
ベテラン助産師としては、「家では遠慮なく、可能なかぎり、とりあえず転がっていなさい」と、言いたいです(笑)
ワンオペで自分がやるしかないママや家庭の事情で動かざるを得ないママもいるかもしれません。でも、助産師としては可能なかぎり、転がっていてほしいと思います。
そして、安静期間はスマホというか、SNSとは距離をとることをすすめます。
情報収集は大事ですが、SNSで見かけるキラキラ育児を信じて比較地獄に陥ったり、それが原因で寝不足になったりするママをときどき見かけます。
さらにスマホは交感神経を刺激するので自律神経を乱す原因となり、ホルモンバランスがガッタガタのときですから、影響も心配です。
産後3週間は、頑張る時期ではなく回復する時期。とりあえず転がっていましょう。
濵脇文子(はまわき ふみこ)
PROFILE)
助産師・保健師・看護師。はぐふるアンバサダー。大阪大学大学院医学系研究科招聘准教授。産前産後ケアセンターヴィタリテハウス施設長。母と赤ちゃんの笑顔が大好きで数千人の母子のケアに携わります。産前産後ケアセンターの立ち上げに参加したり、民間企業での事業開発など多方面で活躍。自治体の講演や各種メディア執筆では、ひとりひとりのペースにあわせた母に寄り添う姿勢と、明るく軽快な語り口で人気を博します。
(取材・文/和兎 尊美、たまひよONLINE編集部)
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2026年6月の情報で、現在と異なる場合があります。


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