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複数の病気と向き合いながらモデル活動を続ける娘…6人きょうだいの末っ子を支える家族の思いとは【ヒルシュスプルング病類縁疾患体験談】

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nonちゃん

東京都在住のnonちゃんママは、長男(24歳)、二男(21歳)、三男(18歳)、四男(17歳)、五男(15歳)、長女(10歳)の6人の子どもがいます。末っ子のnonちゃんは生後1カ月でヒルシュスプルング病類縁疾患と診断を受け、その後も合併症や膝蓋骨軟化症(しつがいこつなんかしょう)など、複数の病気を患いながらも、家族と笑顔で病気や障害と向き合ってきました。

そんなnonちゃんは、現在モデル活動をしています。今回は、nonちゃんを支えるママと、nonちゃんご本人にモデル活動や病気と向き合う日々についてお話を聞きました。全2回のインタビューの後編です。

▼<関連記事>前編を読む

「笑顔で助けてもらったから、今度は私が」nonちゃんがモデルを志す理由

5歳でオーディションを受けたnonちゃん
5歳でオーディションを受けたnonちゃん

「病気や障害の有無にかかわらず、子どもたちのやりたいことをやらせる」という信念のもと、育児を続けてきたnonちゃんママ。nonちゃんがモデル活動を始めることとなったのも、その信念に基づいたものでした。

「娘が5歳ごろのこと。大好きなお洋服屋さんがあったんですが、そこでたまたま『専属モデルを募集しているので応募してみませんか』というお話をいただき、オーディションを受けることに。一次審査は通って二次審査まで行ったんですが、落ちてしまって…。

審査のあと、娘は『もう2度とやらない!』と言って号泣しながら帰ったんですが、家に帰るころにはすっかり泣きやんで『やっぱりもう1回やってみたい』と言い出したんです。

二次審査のとき、まわりの子たちはレッスンを受けているような子が多かったのですが、初めて受けたオーディションだったこともあり、娘はまさに“素”の状態で挑戦したんです。それに、そのときつえを使っていたので、もしかしたらそれが落選の理由の1つになったのかなと、モヤモヤとした気持ちがありました。

再度オーディションを受けたとしても、同じような状況になるかもしれない。それでも本人が『もう1回やりたい』と言ったので、『じゃあモデル教室にレッスンに行くところから始めてみよう』と挑戦したのが、モデル活動のきっかけです」(nonちゃんママ)

nonちゃんに障害があることで、モデル教室を探すのもひと苦労だったというnonちゃんママ。何件も問い合わせをして、ようやく障害を受け入れてもらえるモデル教室を見つけました。

「モデル教室に通うことを決めた当初、『本気でやるのかどうか』を娘とじっくり話し合いました。

『芸能関係は楽しいことばかりではなく、大変なこともある。障害に偏見もあると思う。嫌なこともあるかもしれない。それでも耐えられるか?』という話をしました。それでも本人が『本気でやりたい』と言って。

どうしてそんなにモデルになりたいのか理由を聞いてみると、2~3歳のときに余命宣告をされた時期のことが関係していました。あのとき、娘のためにみんなが笑顔で過ごして、娘の症状がよくなったことを日ごろから伝えていたんです。『私は笑顔で助けてもらったから、今度はみんなを助ける番。私の笑顔でみんなが元気になってくれるようなモデルさんになりたい』と。

その言葉を受けて『本気ならば、家族みんなで協力しよう。ただしnonも練習を頑張ること』と約束し、本格的に活動をスタートさせました。教室でレッスンを受けながら、その教室の講師主催のファッションショーなどにも出演するようになり、練習と出演を繰り返していきました。

上のきょうだいたちも本当に協力的で。私が家を空けるときは、兄たちが練習を見てくれたり、『次のショーで必要なものある?』と聞いてくれたり、衣装合わせで意見をくれたり。家族みんなで娘のモデル活動を支えています」(nonちゃんママ)

遠征できることが特別。夢に向かって活動を広げる真最中!

CAN KIDS MAGAZINE に掲載されたnonちゃん
CAN KIDS MAGAZINE に掲載されたnonちゃん

モデル活動を始めてしばらくたったころ、nonちゃんのInstagramを開設。それがきっかけで、海外からも声がかかることに。現在、モデルの活動を広げている真最中です。

「娘が8歳のときのことです。Instagramのメッセージを通して、カナダの“芸能で頑張っている子どもたちを特集する雑誌”『CAN KIDS MAGAZINE』から声をかけていただき、掲載していただきました。そこから国内外いろいろなところからオファーをいただき、ファッションショーや撮影モデル、海外雑誌にもいくつか掲載していただいています。

最近では、遠征の仕事にも挑戦するように。これまでは、病状が悪化したときに行ける病院が見つからないかもしれないという不安があって、遠方からのオファーを断っていたんです。でも、最近はわりと症状が落ち着いていることもあり、昨年11月に初めて親子2人で2日間、兵庫県まで行ってきました。

体調のことだけでなく、車いすでの遠征というのもネックになっていて。たとえば新幹線は1本につき車いす対応座席の数は限られるので、すでに座席が埋まっていたら乗れません。
今回移動手段として選んだ長距離バスも『自分たちで車いすを載せられる場合に限る』という条件つきでした。娘が使っているのは小さめの電動車いすだからなんとかなるけれど、フル電動の車いすだったら持ち上げるのは難しいと思います。

リフトつきのバスもありますが本数が少なく料金が高い。車いすというだけで追加料金がかかることもあります。『みんなと同じように移動できない』『同じ金額で生活できない』という現実があります。

そんなこともあり、“遠征できる”というのは、私たちにとっては特別なこと。遠征中、慣れないバスの長時間移動で2人とも足がむくんで痛くなって。『そっち大丈夫?』『無理かも…』なんてやりとりをしながらお互いマッサージして笑いあっていました(笑)。人からしたら、たいしたことない出来事かもしれませんが、私たち親子にとって最近でいちばんの思い出です」(nonちゃんママ)

人を笑顔にできるモデルになりたい!

ランウェイを歩くnonちゃん
ランウェイを歩くnonちゃん

現在10歳になったnonちゃん。病気やモデル活動に対する思いと将来の目標を、本人に聞きました。

「ものごころつく前から病気とつきあっているので、病気に対してはもう“慣れ”のような感じ。当たり前にあったものなので、特別に深く考えてはいません。

『今日はおなかの調子が悪いな』『気分が重いな』など、今は自分でもわかるので、急変しそうなことがあったらすぐママに伝える。そのように過ごしています。

外部疾患については、『私、ほかの人とは違うんだ…』と気になったときもありましたが、骨盤ベルトやインソール型の装具だけを使っているときは見た目にはわからず、人にも気づかれないので、なるべくそういった装具を使用して普通に生活をしたい。病気や障害があっても、なるべく笑顔で、前向きに考えるようにしています。

でもやっぱり悲しいこともあって…。以前所属していた事務所では、『障害や病気があるのでご迷惑をおかけすることがあるかもしれない』と最初に伝えていましたが、どうしても体調が悪くて休まざるを得なかったときに、心ない言葉を言われました。その出来事が原因で、精神的に不安定になってしまって…。漢方の薬を飲むなどしながら現在も治療しています。

それでもやはりモデル活動は楽しい!仕事では、大好きな洋服を着てランウェイを歩いているときがいちばん楽しいです。撮影も好きだけど、ランウェイはとくにワクワクします。また、モデル仲間と趣味や憧れのアイドルの話をして遊ぶ時間も大好きです。

将来の目標は、人を笑顔にできる存在になりたい。私はモデルのアンミカさんが大好き!アンミカさんのようにいつも笑って、人を笑顔にできるモデルになりたいです。

あとは車いすでDJをされている方にも憧れていて、今は自分でもDJの練習をしています。そして可能であれば…いつかこの病気が治ってくれたらうれしいです」(nonちゃん)

お話・写真提供/nonちゃんママ、nonちゃん 取材・文/安田萌、たまひよONLINE編集部

病気や障害にかかわらず「やりたいことをやる」。きょうだいや家族と共に大変な時期を乗り越えてきたらからこそ、前向きに未来を見つめるnonちゃん親子の姿が印象的でした。

最後に、これからお子さんを育てるママやパパに伝えたいことをnonちゃんママに聞きました。

「もし子どもに病気や障害があったとき、病院のケースワーカーさんや同じ病気のコミュニティの方に相談するのがおすすめです。同じ症状を経験している人の『うちはこうしてるよ』という言葉は、とても具体的で参考になるし、気持ちが軽くなるんです。難病は原因も治療法も確立されていないことが多く、調べても口コミのような情報しか出てこないことも。だからこそ、病院とコミュニティを頼ることがいちばんだと思います。

また、出産を終えてこれから育児が始まるママ・パパには『よく頑張ったね』と伝えたい。おなかの中にいるときと、生まれてからの楽しみはまた別物。これから子育ての楽しみをたくさん見つけてほしいです」と、話してくれました。

「たまひよ 家族を考える」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることを目指してさまざまな課題を取材し、発信していきます。

nonちゃんママ

PROFILE
6人きょうだいのママ。ヒルシュスプルング病類縁疾患、膝蓋骨軟化症(しつがいこつなんかしょう)など複数の病気を患いながらも、モデル活動をする長女のnonちゃんを支えている。

nonちゃんのInstagram

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2026年1月の情報で、現在と異なる場合があります。

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