産後百人一首「ママの腹 産後にみれば かすかなる 山と言ったら 正拳突きかも」
ひよこクラブ編集部に届いた1冊の本を紹介したいと思います。
「産後百人一首」(自然食通信社発行)という、埼玉の産前産後の家事サポート「ままのわ」を事業展開している、アイナロハの代表渡辺大地さんの著書です。
渡辺さんのブログで展開していたものを書籍にまとめたもので、ブログで発表された百首の中から51首がセレクトされておさめられています。渡辺さんいわく「産後の過程をイメージしながら読むと趣深いことこの上ないのです」とのこと。あまりのおもしろさから、本になりました。
編集部で気になったいくつかをご紹介します。
「ママの腹 産後にみれば かすかなる 山と言ったら 正拳突きかも」
参考にした首が「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも(安倍仲麻呂)」。
渡辺さんたちの解説もついています。
この首の場合「『アザラシみたい』と言ってしまった後に慌てて『ゴマちゃんとかかわいいじゃん』と言っても、傷口を広げるだけです。ちなみにわが家は、2人目の産後に、息子(当時2歳)が『ママおおなかにまだ入ってんの?』と聞いてしまい、ママの洗礼を受けておりました」と続きます。
「あまつさえ 目元似すぎて 抱きづらし 養父母の姿 しばしとどめむ」
こちらの参考首は「天つ風 雲のかよひぢ 吹きとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ(僧正遍昭)」
「だじゃれじゃん」なんて思わずに、ちょっとした息抜きに手に取ってみてはいかがでしょうか。
ユーモアにくすりとしたり、共感したり、思わずほろりとしたり、短い文字の組み合わせがいきいきと心に飛び込んできます。
ちなみにブログで公募をした作品もおさめられ、その作品について産婦人科医 宋美玄先生との誌上対談もあります。
(ひよこクラブ編集部)
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。