【専門家監修】保育園の年間行事やイベントはどのようなものがある?
我が子が保育園に入園したら、1年を通じてどんな年間行事があるのでしょうか。「保育園ではどんな楽しい行事が行われているの?」「その中で親が参加する行事は年間、どれくらいあるの?」「認可と認可外、公立と私立で年間行事に差があるの?」など、入園してからじゃないとなかなかわからない保育園の行事について紹介します。
親はどのくらい参加するの? 季節別イベント紹介
「子どもには、いろいろな経験をさせたい」と思う一方で、「保護者参加のイベントがあまりにたくさんあったら負担かも…」というのは、ワーキングマザーのかくれた本音かもしれません。
でも大丈夫。保育園は仕事をしながら子育てをする家庭と二人三脚で子どもを育てていく存在。だから仕事に大きく影響があるような予定にはなっていません。保護者に参加を呼びかけているイベントのほとんどは土曜日や夕方などに行われます。
保育園行事一覧 (★印は保護者参加のケースが多い)
4月 入園式・進級式★
身体測定
5月 端午の節句
遠足(親子遠足の園も)
7月 プール開き
夏祭り(七夕)★
9月 敬老の日
10月 運動会★
11月 発表会★
12月 クリスマス
1月 もちつき
2月 豆まき(節分)
3月 ひなまつり
卒園式★
このほか、お誕生会、防災訓練、身体測定は毎月、保育参加(参観)★が年に2〜3回、保護者懇談会★が年に2〜3回、個人面談★が年に1回程度行われています。園によっては、給食の試食のできる給食参観を行うというところも。
ある公立認可保育園の例を見てみると、上記の★印のうち、土曜日開催が運動会、発表会、入園式、卒園式。夏祭りと保護者懇談会は平日夕方に開催されていました。保育参加と個人面談は5日ほどの期間の中から都合のいい日を選んで保育園に行くといったペース。年に数回ある保護者参加の行事は年度のはじめに配られる年間予定表でチェックをしておきましょう。比較的に平日に行事の多い保育園もあるようなので、そこは入園前に確認しておきたいことのひとつ。
どうしてもパパやママが参加できないときは、おじいちゃんやおばあちゃんに行ってもらうというのもひとつの手。あらかじめ、今回はパパやママではなく、おじいちゃんやおばあちゃんが行くことを子どもにも伝えておきましょう。
春に行われる保育園行事
年度のはじまりと終わりになる春。歓迎やお別れなどの行事とともに季節にあったイベントが行われます。
ひなまつり 3月
別名「ももの節句」。女の子の行事ですが、保育園ではみんなで一緒に楽しみます。ひな人形をみんなで作ったり、飾ったり、ひなまつりに関わる紙芝居や人形劇などを行うところも。おやつなどで出されるひなあられは、子どもの楽しみのひとつともいえるでしょう。
進級お祝い会 4月
保育園の入園式と同じ日に全体の進級をお祝いする会をする園も多いようです。歌の発表をしたり、年上のクラスが劇や楽器演奏を発表したりする園も。演し物の練習のほか、発表で使う小道具やセットを園児たちが保育士とともに作るなど、準備にも関わるので、子どもたちにとって思い出になったという声も聞かれます。
端午の節句 5月
ひなまつりが「ももの節句」なら、子どもの日は「端午の節句」。子どもが病気やケガをすることなく、元気に成長しますように」という願いをこめる儀式を行います。こいのぼりやかぶとなどをみんなで作ったり、飾ってお祝いします。
遠足 5〜6月
進級して少し落ち着いたら、遠足のある園も多いもの。年齢の低いうちは近くの公園などに歩いて行くケースが多いですが、年中組くらいからバスなどで動物園や博物館へ行くことも。遠足のときは給食がないので、水筒とお弁当の用意が必要です。屋外で食べることを想定して、食べやすいメニューにしましょう。
ママたちが意外と心配しているのが親子遠足だとか。どこの園でも行っているわけではありませんが、平日に行われることが多いということと、ママ友がいない場合、不安に思う人が多いようです。
とくにほかの家族と一緒に過ごす必要はありません。子どもの仲良しがいれば、一緒にまわってもいいし、自由時間は親子だけで楽しんでもOK。輪の中に入りにくそうにしている親子にはだいたいは保育士が声をかけたりして、楽しめるよう誘導してくれます。小分けのお菓子などを持っていったら、それがきっかけで知りあいが増えたというママの体験談も。
誰でもはじめては不安ですから、「その日は親子で楽しめればいいわ」くらいの気持ちでのぞんで。
夏に行われる保育園行事
水遊びや夏祭りなど、その季節ならではの行事があり、風情があります。
プール開き 6月
6月下旬から9月のはじめくらいまで、保育園ではプール遊びが行われます。ほとんどの子どもは水遊びが大好き。多くの園では大人の膝くらいの幼児用プールやビニールプールで水遊びを楽しみます。プールに浮かべたボールを取りあったり、じょうろで水をかけっこしたり、子どもたちはこの時期にしか味わえない水の感触を全身で味わいます。下着とTシャツで遊んでしまう園もありますが、水着が必要になる園もあります。
夏祭り(七夕祭り) 7月
7月初旬~中旬の平日午後か土曜日に夏祭りを催す園も多いでしょう。規模は園によって異なりますが、保育士と園児たちが模擬店の用意をして出店したり演し物を発表したりします。園児が甚平や浴衣などを着て参加する園なども。
その日は、保護者や地域の人がお客様。幼児プールに浮かべられたヨーヨーすくいや子どもたちが作った手作りの品、飲み物やお菓子などが売られます。先生の指導のもととはいえ、ごっこ遊びではなく売り手側になる子どもたちはとてもうれしそう。ホールでは、人形劇や紙芝居などが年長や年中組をメインに行われ、小さな園児たちを楽しませます。保護者も子どもの成長が垣間見れる楽しいイベントです。
秋に行われる保育園行事
過ごしやすい気候になり、保育園行事の中でも大きなイベントが行われます。
敬老の日 9月
敬老の日前後に園児のおじいちゃんやおばあちゃんを呼んで、日頃の感謝を伝えたり、一緒に遊んだりするイベントです。多くが平日の午前などに行われます。
敬老の日は、生活の知恵をたくさん持っている人生の先輩を敬うための日。当日は、普段、孫たちがどんな生活をしているか見てもらう機会でもあり、園児たちからすれば、成長している姿を見せるいい機会でもあります。園によっては、子どもたちがおじいちゃん・おばあちゃんに記念の品を手作りして渡したりもします。また園児たちから歌のプレゼントなどもあります。
運動会 10月(春開催の園もあり)
保育園行事の中で、一番盛り上がるイベントかもしれません。土曜日開催のところが多く、パパママだけでなく、おじいちゃんやおばあちゃんも応援に駆けつけることが多いようですね。
乳幼児もいる保育園で、一体どんな運動会をするのでしょうか。園庭のある保育園では園庭で行われ、園庭のない園では近くの運動場を借りて実施されます。5~6歳児はかけっこや玉入れ、ダンスなど、小学校で見られるような競技が多いのですが、幼稚園の運動会との違いが出るのは年齢の小さなクラス。保護者が抱っこしての障害物競争やパン食い競争、ハイハイレースなんていうのがあるところも。またクラスごとにお遊戯もあり、年齢ごとの可愛らしい姿が見られます。
保護者による綱引きやリレーなども行われるので、パパやママの勇姿を我が子に見せられますね。
子どもたちの体力の関係から、運動会自体は午前中で終了するところがほとんです。終わったら、子どもの活躍をぜひ讃えたいですね。
生活発表会 11月
運動会と同じく、1年間の行事の中でもビッグイベントといえるでしょう。保育園のホールまたは地元のホールなどを借りて行われます。クラスごとに発表に向けて、劇や歌、ダンスなどを練習し、みんなの前で発表します。発表会の衣装は、保育園にあらかじめ用意されているものを使う園、家にあるものを持ち寄る園などさまざまですが、ほとんどの保育園では家庭の負担にならないよう考慮されています。多くの人の前で発表する我が子の姿に成長を感じられます。0~1歳児は制作物のパネル展示になることが多いようです。
冬に行われる保育園行事
1年の締めくくりと新年を迎える冬。保護者参加の行事はないですが、国の文化を味わえるイベントが続きます。
クリスマス会 12月
園児たちは三角帽子などを作ったり、クリスマスツリーの飾りつけをしたりする園も。当日はクリスマスにちなんだ歌や劇を行います。ケーキやチキンなどを食べて、クリスマスらしい雰囲気を味わいます。
もちつき 1月
どこの園ももちつきをするとは限りませんが、新年を祝うイベントは何かしら行われます。日本の伝統行事であるもちつきを体験し、もち米がおもちになることを実際に見て触って実感することは「食育」ともとらえられています。年長組などは実際に杵を持たせてもらうことも、楽しみのひとつ。
豆まき(節分) 2月
悪いものを追い払って、福を呼び込むために豆まきをする節分。そうした由来を紙芝居や絵本などで説明して、豆まきをしたり、節分や鬼にちなんだ歌を歌ったりします。
保護者懇談会・保育参観・個人面談はどんな感じ?
これまで子どものイベント中心に見てきましたが、そのほか、家庭と保育園がうまく連携していけるように保護者を対象にしたものもあります。大まかに、以下の3つのものがあります。
保護者会(保護者懇親会)
クラスの保護者が集まって、担任の先生の話を聞いたり、保護者同士の親睦をしたりする会です。現在、どんな保育をしているのか、日頃の子どもたちの様子、この時期の子どもにはどんなことが必要かなどが担任の先生が話してくれます。日頃、気になっていることを先生やクラスのパパやママたちに聞くチャンス。
土曜日に行う園もありますが、平日の夕方など行う園もあります。我が子以外の子どもの様子を聞くことのできる機会なので、仕事を少し早退して出席している人が多いようです。
保育参観・保育参加
子どもの日頃の園での様子を見られるイベントです。子どもと一緒に遊んだり、お散歩に行ったりするときもあるようです。開催時間については、「子どもの生活は見たいけれど、そうそうは仕事を休めない」という保護者にも配慮されています。午前中いっぱい参観時間として、「その中の好きな時間に参加してください」という方法をとったり、保護者会の前の時間を保育参観にあてて実施したりしている園が多いようです。
個人面談
担任の先生と保護者が1対1で話をする機会です。個人面談期間の中で希望する日時を出して、面談日を決定します。ここでは普段の生活の様子などが担任の先生から説明されるとともに、保護者からも困っていることや心配事があれば相談できます。もちろん、個人面談の日以外でも悩み事があればいつでも保育園では時間を割いてくれるはずですので、気になることなどは抱え込まずに共有しましょう。
まとめ
保育園では、子どもたちにさまざまな体験をさせようと、四季折々のイベントが考えられています。幼児の場合は準備から関わって達成することの喜びが味わえるようにするのも教育の一環と考えられています。保護者も参加する行事の場合、仕事との調整がむずかしくても少しでも顔を出せるようにしましょう。保護者も参加する行事の場合、仕事との調整がむずかしくても少しでも顔を出せるようにしましょう。パパやママの都合がつかないときは、祖父母や親戚など誰かしらが行けるようにするといいですね。
保育園の行事も園によってさまざまです。公立保育園よりも私立保育園のほうが行事は派手な傾向にあります。市民ホールを借りきって、舞台衣装も立派な園もあれば、ほとんどが家にあるものや手作りのもので行う園などいろいろ。ただ、行事の立派さにばかり目を向けるのは疑問です。ハレの舞台に立てるのは子どもにとって素晴らしい経験ですが、そのための準備や練習が厳しすぎて子どもに負担がかかったという体験談も聞かれます。
行事を保育園選びの参考にする際、立派さよりも、子どもたちの楽しみを第一にしているか見たほうが子どもにやさしい保育園選びができるのではないでしょうか。
(取材・文/bizmom編集部 橋本真理子/メディア・ビュー)
参考文献
『はじめての保育園』(主婦と生活社)
初回公開日 2017/8/15
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
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