猛暑を乗りきる[0~1歳児の水分補給]月齢ごとの注意点&NG飲料を小児科医が解説
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災害級の猛暑と言われる今年の夏。心配なのは、赤ちゃんの水分不足です。赤ちゃんは体が小さいうえに体内の水分量が多いので、大人より脱水症状を起こしやすい傾向があります。
何を、どのくらい飲ませたらいいのか、心配な脱水症状のことも含めて、さくらんぼこどもクリニック院長 三日市先生に聞きました。
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水分は、様子を見ながらこまめに与える
赤ちゃんは、一度にたくさん飲むことができません。そのため、起床後、おふろ上がり、お出かけ後など、汗をかいたり水分が不足しやすいタイミングで、こまめに与えることが大事だそう。
離乳食スタート前の赤ちゃん
「離乳食スタート前は、母乳やミルクでOK。水分不足が心配なときは授乳の間隔をいつもより短くするなどして、赤ちゃんが欲しがるだけ飲ませましょう」(三日市先生・以下同)
離乳食スタート後の赤ちゃん
「母乳やミルクのほかに、湯冷ましや麦茶を与えましょう。麦茶は、1歳6ヶ月ごろまではベビー用を使用するか、大人用は湯冷ましで薄めて。9ヶ月ごろからは、外出時に赤ちゃん用の飲み物を携帯し、水分補給を」
夜ねんね時間の睡眠補給
「夜中にのどが渇いて起きた場合、離乳食前の赤ちゃんには、母乳・ミルクを与えます。離乳食後の赤ちゃんのためには、麦茶や湯冷ましを枕元に置いておくと、さっと水分補給ができていいでしょう」
水分補給に飲ませていいものダメなもの
「離乳食スタート後に飲ませる飲み物の中には、赤ちゃんの水分補給に向いているものと、向いていないものがあります」
飲ませていいもの
○麦茶・ほうじ茶・番茶
「ベビー用を選んで。大人用を飲ませるときは、1歳6ヶ月ごろまでは湯冷ましで薄めて」
○水道水・ミネラルウォーター
「ミネラルウォーターは軟水を選び、11ヶ月ごろまでは沸騰させて冷ました湯冷ましを飲ませます。水道水も6ヶ月ごろまでは湯冷ましにして」
注意して飲ませるもの
△ベビー用イオン飲料
「普段の水分補給には向いていませんが、ベビー用なら商品表示に合わせて飲ませてもいいでしょう」
△牛乳
「普段の水分補給には向いていませんが、飲み物としては1歳以降なら飲ませてもいいでしょう」
飲ませたらダメなもの
×大人用シェーク・乳酸菌飲料・紅茶・コーヒー・大人用イオン飲料
「糖分や脂質、カフェインなどが含まれているため、赤ちゃんには飲ませないようにしましょう」
「脱水」ってどんな状態?症状のサインは?
汗をたくさんかいたときや、発熱があるとき、下痢をしているときなどに起こりやすい「脱水」。いったいどんなもので、どんな症状なのか、知っておきましょう。
体内から水分・塩分が失われた状態
「脱水とは、体内の水分とともに塩分も一緒に失われた状態です。赤ちゃんは失われる水分量が多く、腎機能が未発達なため、大人に比べて脱水になりやすいのです」
脱水のサイン
「おしっこの量がいつもより少ない、おしっこの色が濃いといった症状が現れ、肌や口の中がカサカサしている、よだれが少ない、暑いのに汗をかいていないなどの症状に進行していきます」
脱水が疑われるときは経口補水液を
「基本は、母乳やミルク、離乳食を開始していたら湯冷ましや麦茶を飲ませます。下痢や嘔吐で一気に水分を失った時は、医師の指示のもと、経口補水液を飲ませるといいでしょう」
エアコンを使っていても室温が高い今年の夏、水分不足は本当に心配ですよね。赤ちゃんの様子を見ながら、こまめに飲ませてくださいね。また、授乳中は母乳に水分をとられるのでママもこまめに水分補給を! 『ひよこクラブ』8月号の巻頭大特集には、初めての夏育児を乗り切るためのポイントが満載です!(取材・文/ひよこクラブ編集部)
■参考:『ひよこクラブ』2018年8月号「猛暑を乗り切る#キーワード100」より
■監修:三日市 薫先生
さくらんぼこどもクリニック院長。医学博士。小児科専門医。東京大学医学部附属病院、日本赤十字社医療センターなどを経て現職。3人のお子さんのママ。