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あっという間に流行するから!インフルエンザ予防接種は10月がおすすめ

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毎年冬になると大流行するインフルエンザ。とくに小さい子どもはインフルエンザにかかると重症化しやすいので、予防接種を受けておくと安心です。大人は1回の接種ですが、子どもは2回受ける必要があるため、接種時期を考えておかないと流行の時期に間に合わないかも。
上手な予防接種の受け方と、インフルエンザの予防&治療について、埼玉県吉見町の『たばた小児科』院長・田端裕之先生にお聞きしました。

必要な免疫ができるのは、2回目接種の2週間後から

「インフルエンザはインフルエンザウイルスによって起こる呼吸器の感染症で、毎年11月頃から流行し始め、1〜3月にピークになることがほとんどです。普通の風邪と違い、気管支炎や肺炎のみならず、小児では脳炎・脳症を併発して死亡したり後遺症を残すこともあるので、十分注意する必要があります。

インフルエンザウイルスには3つの型があり、いずれもウイルスの形や性質が毎年少しずつ変わるので予防が難しい病気です。
現在、最も有効な予防法は、ワクチン接種。接種しても発症することがありますが、症状が軽くなることが知られていますので、うまく利用すべき手段の1つです。
毎年、流行するウイルスの型は変異します。変異を予測して毎年新たにワクチンが作られるので、予防効果を上げるためには毎年新しいワクチンを接種する必要があります」

1回目の接種は10月頃がベスト

「インフルエンザの予防接種は、生後6カ月以上12歳までは2回接種します。小さな子どもは1回の接種だけでは十分な免疫ができず、重症化を予防するのに必要な免疫ができるのは、2回目を接種して2週間ほどたったころからです。1回目と2回目の間は2〜4週間(できれば4週間)空ける必要があります。

インフルエンザの流行前に2回目の接種が終わるように、1回目は10月頃、2回目を11月中に接種するのがおすすめです。
大人の接種は1回ですが、そのスケジュールで考えていると子どもの接種が間に合わないこともあるので気をつけましょう」

接種した後30分は病院にいて様子を見る

「インフルエンザ予防接種の副反応は、昔より少なくなっています。比較的多く見られるのは接種部位の腫れですが、大きく腫れても2〜3日で自然と治まりますから心配はいりません。

また、インフルエンザワクチンには鶏卵の成分が含まれているため、お子さまの卵アレルギーを心配される親御さんもいらっしゃいます。でも、卵を食べて部分的にじんましんが出るなどの皮膚症状のみのお子さんは、受けられる可能性が高いです。卵を食べるとゼイゼイする、嘔吐する、ぐったりするなどの多臓器にわたる症状が見られるようなお子さんの場合は、あらかじめかかりつけの小児科医に相談しましょう。

いずれの場合も、接種後30分ほどは病院で様子を見るようにすると安心です。30〜40分たって何もなければ心配はいりません」

6カ月未満の赤ちゃんは家庭での予防が大切

「6カ月未満の赤ちゃんはインフルエンザの予防接種を受けられませんが、ママからもらった免疫が残っていると考えられますし、外に出る機会もまだ少ないと思います。
まずはママとパパをはじめ、ご家族が予防接種を受けて、家庭での感染予防をしっかり行うようにしましょう」

うつる原因は飛沫感染。普段の生活での予防も忘れずに

「飛沫感染がインフルエンザウイルスの主な感染ル-トです。
感染すると約1~4日の潜伏期の後、約38~40℃の熱が2~5日ほど続き、熱が下がり始めると咳、鼻水などが目立つようになります。風邪に比べて、発熱のほかに頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などの全身症状がより強く出るのが特徴です。

合併症としては、熱性けいれんや中耳炎、肺炎などがあります。また、忘れてはならない合併症に脳炎・脳症があります。毎年、数名から数十名の小児がインフルエンザで死亡していますが、その多くが脳炎・脳症によるものです。
脳症の起こるメカニズムは未だ解明されていませんが、インフルエンザが軽く見てはいけない病気であることは確かです。
インフルエンザの感染を防ぐために、普段の生活では以下の点に注意しましょう」

予防の基本はやっぱり「うがい」・「手洗い」

「インフルエンザにかかった人の唾液や鼻水がついた場所に、知らない間に触れてしまい、そこから感染することがあります。外から帰宅したら、手やのどについたウイルスを洗い流すために、うがい、手洗いを行うのが基本です。
マスクではウイルスをシャットアウトすることはできませんが、他人のくしゃみのしぶきを吸い込まないためにはとても有効です。
また、できるだけムダな外出を控えて人混みを避け、ウイルスに接触する機会を減らすことも大切です」

エアコンと加湿器を上手に使ってかかりにくい環境づくりを

「インフルエンザウイルスは低温・低湿を好みます。室温を20〜23度くらいに保ち、加湿器などで部屋の湿度を上げて、ウイルスが繁殖しにくい環境をつくりましょう。
体の抵抗力を保つために、充分な睡眠とバランスのよい食事を普段から心がけることも忘れずに」

かかった、と思った時の受診のタイミングとホームケア

「予防接種を受けていても、気を配っていても、インフルエンザにかかってしまうことはあります。
インフルエンザかどうか判断に迷ったときは、検査が役に立つ場合があります。しかし、発症してからあまり時間が経っていないと陽性にならないことも多いので注意が必要です。
余裕があれば、熱が出始めてから8時間以上たってから受診していただくと, 正確な診断ができる確率が高くなります。

インフルエンザの治療は1分1秒を争う必要はありません。夜中や日曜日に発症してもあわてずに、意識が正常であれば一晩様子を見てから、翌日受診しましょう。
ただし、意識がない、けいれんが10~20分以上続く、またはけいれんを繰り返すようなときは、迷わず救急車を呼んでください。

治療は咳、鼻水など種々の症状に対して対症療法を行います。
熱に対して、私どもの医院では、大人や年長児には解熱剤を使用することがありますが、年少児や幼児には解熱剤は原則として使用しません。
発熱時には体の免疫力が増強されており、ウイルスをやっつけるのに都合のよい状態になっているからです。子どもは熱に強く、40度くらいではまだ余裕があります。解熱剤を使って熱を下げた分だけ回復が遅れるため、6歳くらいの小児への解熱剤は、当医院では不要と考えています」

タミフルやリレンザを使っても大丈夫?

「タミフルやリレンザといった抗ウイルス剤は、発症してから48時間以内に使い始めれば約1日で解熱し始め、 発熱期間が短縮できます。
お子さまはもちろん、授乳中のママが使用しても問題はありません」

発熱に合わせて服装や布団を調整しつつホームケアを

「家では、赤ちゃんの様子を見ながら衣服や布団を調整してあげましょう。
熱の出始めは顔色が青くなり、寒がって震えることがあります。衣服や布団を1枚プラスして暖かくしてあげます。
数時間後には熱が上がりきって、今度は顔が赤くなり、暑がるようになります。そうしたら1枚脱がせて熱を発散させ、下がりやすくしてください。布団もかけすぎないことが大切。
同時に、室温を20〜23度に保ち、加湿器で湿度を上げるようにしましょう」

40度以上の熱があっても、できるだけお風呂は毎日入れましょう

「鼻水や咳、発熱がみられていても、できるだけ毎日入浴させましょう。とくに冬は皮膚が乾燥して、アトピ-性皮膚炎のお子さまはただでさえ皮膚症状が悪化しやすい時期。ここで何日も入浴できないとなると、皮膚炎はさらに悪化します。皮膚の清潔を保ち、皮膚に水分を供給するという意味においても、入浴は非常に重要です。

ただし、子どもが疲れない程度の短時間入浴が基本です。清潔に保ってさっぱりさせることが目的なので、湯船にサッとつけて、体もササッと洗って、5分程度ですませましょう。出た後にすぐ乾かせれば、洗髪もOKです。

食事は、食欲があれば普通に食べさせて大丈夫。

食欲がないときは、ヨーグルトやスープ、すりおろしたりんごなど、のどごしと消化がいいものがおすすめです。こういうときは栄養のバランスは考えず、子どもが食べたがるものを食べさせてあげてください。
赤ちゃんの場合は母乳やミルクなどの水分がとれていれば、2〜3日離乳食を控えても問題ありません」

ワクチン接種をすることで、発病しても重症化を予防できるケースが多く、結果として脳炎の予防にもなります。効果的な時期に上手に予防接種を受けて、赤ちゃんをリスクから守ってあげたいですね。

プロフィール
田端 裕之(たばたひろし)
日本小児科学会認定小児科専門医。 群馬県立小児医療センタ−勤務を経て,現在は埼玉県比企郡吉見町に「たばた小児科」を開業。
埼玉県小児科医会理事、比企医師会小児科担当理事などを歴任。10年前の「比企地区夜間こども救急センタ−」設立に大きく貢献した。
現在は比企医師会副会長、埼玉県医師会代議員を担当し、医師会の運営に尽力している。
地元医療の底上げに熱心に働きかけていて、患者さん達から『子ども特有の体質や病気に対する知識と経験が豊富』と大きな信頼を得ている。
日本小児科学会、日本小児循環器学会、日本川崎病学会、日本小児救急医学会、日本小児アレルギ−学会に所属。

院ホームページ:http://www.tabata-clinic.jp/

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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