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YouTuber関根りさ。生まれたばかりの長男のつめの生え際に異変が。治療法のない皮膚の難病だったなんて…【表皮水疱症・体験談】

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にこにこご機嫌な親子3人。

チャンネル登録者数127万人の人気YouTuber・関根りささん。2023年4月、夫で元YouTuberのジョージさんとの間に生まれた男の子が「接合部型表皮水疱症」という難病であることを公表しました。生まれてすぐから難病と戦い続けた息子さんは、2年7カ月でお空へ旅立ちました。りささんに、妊娠中のことや生まれた直後に感じた長男の変化などについて聞きました。全3回のインタビューの1回目です。

看護師からYouTuberへ。そして長男を出産

妊娠中のりささん。

――りささんはYouTuberの活動を始める前は看護師をしていたそうです。

りささん(以下敬称略) 高校2年生で16歳のとき、腸閉塞(ちょうへいそく)で入院した私の担当看護師さんがすごく優しくていい人でした。その看護師さんにあこがれて「あんなお仕事をしてみたいな」と思ったのが看護師を目指したきっかけでした。

国家試験合格後、都内の大学病院の消化器外科病棟で看護師として働き始めたんですが、1年目からかなり忙しく、とても大変な仕事でした。ひたすら働き残業して疲れ果て、帰宅したらすぐに寝てしまい、おふろに入る時間がない日が3日間続くようなことはよくありました。生活にまったく余裕がない毎日でしたね。

――看護師の仕事をしながらYouTube配信を始めた理由は?

りさ 仕事をして帰って寝て、起きて職場に行って・・・こんな毎日がこれからずっと続くのかな、とふと考えたんです。何か違うことを始めたくてYouTubeの投稿を始めました。当時はYouTuberとしての収入で暮らせるとは全然思っていなくて、副業の1つになったらいいなくらいの感じで。コンビニで買ったものを紹介するような動画から初めて、ヘアアレンジやメイクなどのビューティ系動画が増えていった感じです。2018年にチャンネル登録者数100万人を突破したこともあり、看護師の仕事を辞職して専業YouTuberになりました。

――その後、2020年にジョージさんと結婚し、第1子を妊娠したりささん。妊娠がわかったとき、どんなことを感じましたか?

りさ 気づいたときはすでに妊娠4カ月くらいだったので、自分でもすごいびっくりしました。「もうあと半年で生まれるのか!」みたいな。でも、とてもうれしかったです。

――体調の変化は感じなかったんですか?

りさ 気持ち悪さは少しはあったんですけど、ちょうど天気が悪かったりとか、気圧が変わりやすい季節だったのもあって、そのせいかな〜? と思っていました。おなかの調子がよくなったらジャンクなものが食べたくなって、海老カツバーガー食べたり。ちょっと下腹が太った気がしたけど「これが30代ってことかな?」みたいな。まさか妊娠してるとは思いませんでした。

――どういうきっかけで産婦人科受診をしたんですか?

りさ 「そういえば生理こないな」とは思っていて、もともと低用量ピルを飲んでいたんですけど、ちょうどシートが切れてもらいに行っていない時期だったんです。そろそろ見てもらおうかな、くらいの気持ちで受診したら、妊娠してました。
初めてのエコー写真の赤ちゃんは、SNSでよく投稿されてるような胎のうの写真じゃなくて、もうすでに人の形をしているくらい成長していて、驚きました。その後の妊娠中の経過はとても順調で、出産の1週間前くらいまで仕事をしていました。

――出産のときの様子を教えてください。

りさ 計画無痛分娩を選びました。2022年春の予定日に入院して陣痛促進剤を入れたけれど日中はなかなか進まなくて、夜に麻酔科の医師が退勤した時間くらいから陣痛が始まり、翌朝9時まで麻酔科の先生は来ませんと言われて。翌朝までずっと陣痛を耐え続けたのは、けっこうしんどかったです。翌朝、麻酔を入れてもらってからはもう天国! パックしたりアイマスクして動画を撮りました。

――出産して息子さんと対面したときどんなことを感じましたか?

りさ 息子は2900gくらいで生まれたんですけど「こんな大きいのが入ってたのか!」という驚きが第一印象です。私自身が体が小さいわりにはけっこう大きい赤ちゃんだなって。生まれた直後に、赤ちゃんを胸の上にのせてカンガルーケアしたとき、「こんなにふにゃふにゃであったかいんだ」と思ったのを覚えています。すごく感動的に「やっと会えたね!」という感じじゃなくて、「ふー、やっと出てくれた、これでもう苦しくないわ!」というのが最初の感想です。

生まれてすぐに感じた皮膚の異変

生まれて間もない息子さん。

――生まれた息子さんの様子に異変を感じたそうです。どんな症状が気になりましたか?

りさ 生まれてすぐに息子を見たとき、手足のつめがとても薄くて、つめの生え際がじゅくじゅくしていることが気になりました。皮膚科の先生が来てみてくれたけど、先生たちもだれもそんな症例を見たことがなくて「何だろうね」という感じでした。ひとまずワセリンを塗っておこうと処置してくれ、そのときはまさか重い病気があるとはだれも思っていませんでした。

生後4日目くらいで、へその緒をとめていたクリップがこすれたのか、おへそあたりにプチッとした水疱ができたことに気がつきました。それで、自分で水疱ができる疾患を調べてみたら、結構、数が少なかったんです。調べてみて、もしかすると「表皮水疱症」という病気かもしれないと思いました。つめのことも気になっていたので、水疱の中の液を検査してもらうことになりました。

息子は黄疸も出ていたので、産後4〜5日くらいで私は先に退院し、その4日後くらいに息子も黄疸が落ち着いて、退院しました。

――退院してから息子さんの症状はどうでしたか?

りさ 息子が退院してすぐ、産後ケアホテルを宿泊利用したんです。その間、おむつでこすれた刺激でおしりに水疱ができたり、ミルクを飲んだら口の中に水疱ができていると気がつきました。入院中にお願いしていた検査の結果は出ていなかったけど、その症状を見て「これは、いよいよ表皮水疱症に間違いないだろうな」と確信し、すぐに出産した病院の小児科で見てもらいました。

表皮水疱症は、皮膚のタンパク遺伝子に異常があって、日常生活で皮膚にわずかな刺激や摩擦などが加わると、表皮が真皮からはがれて水疱(水ぶくれ)やびらん(ただれ)ができてしまう病気です。難病に指定されています。

――どのように治療するのでしょうか。

りさ 表皮水疱症だとしても根本的な治療法はなくて、水疱や傷をガーゼで保護したり、ワセリンを塗ったり、といった対症療法しかないんです。傷が次々にできて、そこから栄養がもれてしまうし、感染症にもかかりやすくなってしまうけれど、ケアのマニュアルみたいなものはなく・・・。だから、試行錯誤しながらどういう素材のものを使って皮膚を保護したらいいんだろうってすごく悩みました。

息子が生後1カ月くらいまでに何回か入院もしました。入院中も自宅でも、毎日ジョージと2人で3〜4時間かけておふろに入れて、そのあとガーゼや包帯を巻いて、というケアをしていました。

夫婦交代で付き添い入院生活

新生児のころ。授乳するジョージさん。

――とても大変でしたね。

りさ 産後は母体もボロボロだし、夜間に授乳で起きたりする大変さもありました。さらに、息子はミルクを飲むときにも気道がむくんだりするので、苦しくて飲めなかったんですよね。飲ませても吐いちゃったりして・・・。だからできるだけこまめに、2時間おきにちょっとずつ飲ませていたけど、私も休めないし、息子も休めないし。飲めないから体重もなかなか増えないし・・・。

泣くとのどに負担がかかって腫れてしまうので、なるべく泣かさないようにしたいんですけど、赤ちゃんを泣かせないなんて無理なこと。なにもかもがうまくいかなくて、精神的にもその時期がいちばん苦しかったです。

――入退院しながら生後1カ月が過ぎたころ、息子さんは入院したのでしょうか?

りさ 生後2カ月くらいから長い入院生活になりました。私とジョージと5日間交代で、6カ月ほど付き添い入院しました。私は看護師時代の夜勤の経験もあって環境が変わってもパッと眠れるタイプで、それほど大変さは感じませんでしたが、慣れないジョージは付き添い入院が本当に大変だったようです。

付き添い入院する親は、食事が用意されるわけでもなく、入浴の時間も短かったりするし、簡易ベッドで寝起きして、ときには子どもと同じベッドで寝ることもあります。コロナ禍では病院外に出ることもできなかったので、子どもの長期入院に付き添う親も、けっこう負担があるかもしれません。

――付き添い入院中も息子さんの傷のケアも夫婦2人でやっていたんですか?

りさ 体の傷の感染を防ぐために、毎日おふろに入れて、ガーゼなどで保護するんです。保護するガーゼやテープの素材も、はりつきが強すぎないものとか、クッション性があるものとか、はがしやすそうなものとか、看護師さんからアドバイスをもらいながらいろいろと試行錯誤しました。
ガーゼも、息子の体の形に合わせていろいろ考えた結果、150パーツくらいを準備しないといけないということになり、ガーゼをカットするだけでも毎日1時間くらいかかっていました。

【ジョージさんより】つらい現実に大変な毎日。でも、息子はめちゃくちゃかわいかった

仲よくお昼寝中の親子です。

まさか自分の子どもに難病があるなんて・・・僕は受け止めるのにけっこう時間がかかりました。僕もりさも皮膚の病気なんて1つもないし、本当になんだかわからなくてとまどっていました。初めは考えないようにしていた時期があったと思います。“オートパイロットモード”のように、淡々と目の前のことをこなしていく毎日。じゃないと精神がぶっ壊れてしまいそうでした。
付き添い入院は、病院から出られないし、24時間モニターの音を聞くのもしんどかったし、よく眠れないし・・・、自分のルーティンは何もできないし、かなり大変でしたね。

だけど、息子はめちゃくちゃかわいかったんです。大変なことも息子を見ると忘れられる瞬間もありました。痛いことばかりでかわいそうだなと思ったけど、あるとき“かわいそう”と思うのも違うなって。それより今、この子を楽しませることを考えたほうがいいなって切り替えて、スピーカーで陽気な音楽を流したり、一緒に遊んだりして過ごすようにしました。

お話・写真提供/関根りささん、ジョージさん 取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部 

▼続きを読む<関連記事>第2回

生まれた直後の長男のつめの生え際の様子から、なんらかの病気を覚悟していたというりささん。元看護師で傷の保護などの手当には慣れていたとはいえ、水疱や傷が増え、ミルクもなかなか飲めない長男の状態に不安が募っていたようです。
第2回は長男の病気に寄り添い、治療法を探る日々について聞きます。

「たまひよ 家族を考える」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることを目指してさまざまな課題を取材し、発信していきます。

関根りささん

PROFILE
1989年生まれ、神奈川県出身。看護師として働きながらYouTubeチャンネルを開設。その後専業YouTuberとして活躍。チャンネル登録者数は約127万人。2020年10月に元YouTuberのジョージとの結婚を発表。2022年3月長男を出産。YouTubeでは自身のチャンネル「SekineRisa」のほか、「軍曹と歩兵」では家族の様子も発信している。

関根りささんのYouTube

YouTube「軍曹と歩兵」

Leona&Company. HAWAIIのHP

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2025年6月の情報であり、現在と異なる場合があります。

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