チャイルドシートのNG装着率は半数以上![乳幼児~学童用まで]ミスの多いポイントは?
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自家用車に赤ちゃんや子どもを乗せているママ・パパに質問です。
「車にチャイルドシートを装着していますか?」
2000年4月より、6歳未満の乳幼児を車に乗せる場合は、チャイルドシートの着用が義務付けられています。にもかかわらず、いまだチャイルドシートを使っていないケースは、「3人に1人」というデータがあるのです!
「すぐ近くの移動だから」
「もう赤ちゃんじゃないから」
など、理由はさまざまあるでしょう。しかしチャイルドシートを装着していないと、していたときより7.9倍も死亡する確率が高いと言われます。また正しく装着していないと、チャイルドシートが凶器となってしまう場合もあるとか!?
JAFのチャイルドシート全国調査の結果は?
毎年、JAF(一般社団法人日本自動車連盟)と警察庁が合同で、4月に全国99カ所で6歳未満の子どもが乗車している自動車を調査し、チャイルドシートの装着率、装着の様子をチェック、その結果を公表しています。結果は、毎年向上しているそうですが、意外と低くてびっくりです!
1才未満のチャイルドシート使用率は84.4%
2018年の調査結果では、6才未満のチャイルドシートの使用率は、66.2%。今年は過去最高の使用率だったとのこと。とはいえ、いまだ3割強の人はチャイルドシートを使っていませんでした。
子どもの年齢別のデータでは、1才未満の赤ちゃんの使用率は、84.4%。全年齢別の結果の中では、もっとも使用率は高いですが、それでも2割ほどの人は、使っていないという結果に驚きです。
ちなみに、1~4才の使用率は67.9%、5才の使用率は44.1%。年齢が上がるにつれて使用率が低くなっていくのは毎年変わりません。
チャイルドシートの取り付けが正しくないケースが、半数以上!
また、チャイルドシートが説明書通り正しく取り付けられているかどうかの調査では、正しい取り付け率が低いことにも驚かされます。
乳児用のチャイルドシートでは、間違っているケースが51.7%、幼児用では71.0%、合計61.6%という結果でした。
多くが、シートベルトの締め付けが不足して、チャイルドシートがきちんと固定されていない状態だそう。チャイルドシートがしっかり固定されていないと、事故のとき、チャイルドシートごと投げ出されてしまう心配があり、たいへん危険です。
チャイルドシートに子どもが正しく着座していないケースも半数以上!
また、子どもがチャイルドシートに正しく着座しているかどうかの調査では、乳児用で50.7%、幼児用で68.7%と、半数以上に間違いが見られました。間違いの内容としては、
・ハーネス(チャイルドシートの子ども用ベルト)の高さが合っていない、
・締め付けがゆるすぎる、
・ハーネスによじれ・ねじれがある、
などが挙げられます。ハーネスがきちんと体を支えていないと、チャイルドシートから体がすり抜けることもあり、チャイルドシートの用をなさないことになってしまいます。
チャイルドシートのつけ方チェックポイント
チャイルドシートを一度つけてしまうと、車に乗るたびに確認はしない、という人が多いのでは? けれども、JAFインストラクターとして講習会を長年行っている谷さんは、「月に一度はチャイルドシートの取扱説明書を見ながら、状況を確認してほしい」と言います。ここでは、状況確認のときに、念を入れて確認してほしい、ミスの多いポイントを紹介します。
シートベルトのチェック
「車本体のシートベルトをチャイルドシートに通し、固定させますが、その際、シートベルトが『ピンと張っている』状況であるかをチェックしてください。ゆるんでいたり、ねじれていると、ちょっとした衝撃でチャイルドシートが動いてしまうこともあります。とくにベルトにねじれがないかどうかはしっかりチェックを」
バックル・固定具のチェック
「車本体のシートベルトがバックル・固定具で正しく止まっていないと、チャイルドシートの安全性が確保できません。必ず触って確かめることが大事です。またチャイルドシートのサポートレッグがしっかり固定されているかどうかも必ず確認を」
ハーネスのチェック
「幼児、学童のチャイルドシートでは、ハーネスのベルトの出口が肩の高さと同じか、少し高い程度に。
乳児の場合は、ハーネスのベルトの出口が肩の高さと同じか、少し下になるように調節します。またハーネスの締め付け具合も、乗るたびにチェック。子どもの体とハーネスの間に、大人の指が滑り込む程度が最適です」
チャイルドシートを装着してしまえば「もう安心」という気持ちになりがちですが、正しく装着して、正しく乗せることが大事なんですね。ぜひ、すぐにチェックをしてみてくださいね。(取材・文/ひよこクラブ編集部)
■監修:谷 宗一郎さん
一般社団法人 日本自動車連盟<JAF> 東京支部事業課交通環境課。JAFインストラクターとして、チャイルドシートや交通安全の講習会で長年活動されています。
■参考:『ひよこクラブ』2017年9月号「チャイルドシートを正しく使っていますか?」より
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