産後ママの体形・体質の変化「これってどうしたらいいの?」
出産という大仕事を終えたママの体には、妊娠前と比べていろいろな変化が起こっています。体形の変化はもちろん、ホルモンバランスの変化で体質が変わることも。「増えた体重が戻らない」「肌質が変わった?」など、産後の体形・体質の変化に関するママたちの疑問・気がかりについて、産婦人科医の新村朋美先生に聞きました。
妊娠中に増えた体重が戻らない…どうしたらいいの?
出産後のママの体重は、赤ちゃんと羊水・胎盤などの重さが減りますが、それでも妊娠前より平均して5kg程度は増えているようです。完全母乳の場合、産後3ケ月ほどで元の体重に戻る例が多いですが、なかには「思うように減らない」と悩むママも。産じょく期である産後1ケ月を過ぎたら、軽い運動を始めてOK。育児で運動をする時間がとれないというママは、赤ちゃんとのお散歩ついでのウォーキングや家事の合間のストレッチなど、日常生活の中で体を動かす習慣をつけましょう。授乳中はしっかりと栄養をとることも大事なので、食事の量は減らさず、糖分や脂質が少なめの食事内容を心がけてみて。
Q 産後の筋トレやスポーツはいつからOK?(2ケ月・女の子)
A 1カ月健診で問題がなければ始めてOKです
1カ月健診でママの体調に問題がなければ、スポーツなどを再開してもOKです。まずはウォーキングなど軽い運動からスタートし、体が慣れてきたら徐々に筋トレなどを再開していきましょう。産院などで教えている産じょく体操は、骨盤の開きやゆがみ、筋力などを体に無理なく戻せるので、おすすめです。
Q 妊娠前の体重からプラス3kg。なかなか戻りません(1歳4ケ月・男の子)
A 日常生活でやせられる工夫をしてみましょう
卒乳した後も授乳中と同じ量を食べていると、体重がなかなか減らないことも。まずは食事の量をチェックしてみて。栄養バランスのいい食事をとり間食は避ける、通勤の際には早足で歩く、子どもとのお散歩も運動と思ってよく動くなど、日常の中でできることから始めるとよいでしょう。
出産・授乳で体形が変わっちゃった…どうしたらいいの?
出産後のママたちの多くが気にしているのが、骨盤の開きやゆがみ。妊娠~出産で開いた骨盤をそのままにしておくと、骨盤の間に内臓が下がってきて下腹がぽっこり出たり、骨盤の周囲の筋肉がうまく働かず脂肪がついてしまったりなど、体形の変化の原因に。骨盤ベルトをつけたり、骨盤矯正の運動をしたりして対策をしましょう。出産後のおなかのたるみは、肌のケアとエクササイズで改善を。育児で無理な姿勢が続いてつらい場合は、家事の合間にできる簡単なストレッチなどを取り入れてみて。
Q 骨盤の開きが気になります。姿勢などの注意点は?(3ケ月・男の子)
A 赤ちゃんを抱っこするときは腰に負担がかからないように
妊娠・出産で開いた骨盤は、約半年かけて自然に元に戻ります。それまでは、腰に負担をかけないような生活を心がけることが大切。赤ちゃんを抱き上げるときも、腕だけで支えるのではなく、ママの体に引きつけてから抱き上げましょう。腰痛の予防に、コルセットなどを着用するのも効果的です。
Q 育児を始めたら猫背に。まっすぐな姿勢に戻すには?(7ケ月・女の子)
A ストレッチがおすすめ。おんぶを取り入れてみても
猫背は肩こりや腰痛、頭痛の原因になることがあります。日ごろから肩を上げ下げしたり、腕を回したり、ストレッチをするとよいでしょう。家事のときはおんぶを取り入れると、一時的に姿勢がまっすぐになるのでおすすめ。また、鏡で自分の姿をチェックして猫背を正すことも繰り返しましょう。
Q おなかのたるみが気になります。ケア方法は?(2歳0ケ月・男の子)
A 保湿とビタミンB6で肌を整え、エクササイズをプラスして
妊娠中のおなかに脂肪がついて皮膚が伸びた状態が、産後に戻りきらないと、たるみになることがあります。まずは、おなか全体を保湿し、ビタミンB6をとって肌を元気にしましょう。加えて、腹筋運動などのエクササイズで引き締めると、たるみが改善されます。
妊娠前と体質が変わったよう…どうしたらいいの?
出産から授乳中は、ママの体のホルモンバランスが変化するため、体質にも変化が現れます。肌が荒れたり髪が抜けたりする例は多くありますが、しだいに治まってくるので大丈夫。出産からしばらくたっても肌や髪にトラブルがある場合は、生活環境や精神面に原因があると考えられるので、見直してみて。産後に生理が重くなったという例もよくありますが、あまりにつらい場合は婦人科などを受診して相談しましょう。
Q 卒乳後に生理が再開。痛みがひどく量も増えました(10ケ月・男の子)
A 出産や産後の疲れ、自律神経の乱れで重くなることも
出産後の生理は、重くなる人もいれば軽くなる人もいて、一概にはいえません。産後すぐの生理は、排卵がないため軽いことが多く、徐々に妊娠前に戻っていきます。出産による骨盤の損傷、出産の疲れ、自律神経の乱れなどが原因で重くなることも。つらい場合や、もともと筋腫や内膜症がある場合は、悪化していないか受診を。
Q 産後、ニキビやシミが増えて肌質が変わったような…(1歳5ケ月・女の子)
A 肌を取り巻く環境が原因かも。保湿と紫外線対策を
妊娠中から産後すぐは、ホルモンの影響で肌質が変わる場合もありますが、しばらくたっている場合は睡眠不足やケアの時間がないなど、ママを取り巻く環境が原因かも。外遊びが増えたことによる、紫外線や乾燥の影響も考えられます。保湿と紫外線対策を心がけ、スキンケアグッズを見直すなどしてケアをしていきましょう。
産後の体形・体質の変化には、多くのママが悩んでいるよう。日常生活の中で対策ができることもあるので、無理のない範囲で取り組んでみて。「絶対に妊娠前の体形に戻さなければ…」と考えすぎず、ゆったりとした気持ちで過ごすことも大切です。(取材・文/前田ユリ・ひよこクラブ編集部)
参考/「ひよこクラブ」2018年5月号「赤ちゃん39人のすくすく成長日記」より
育児中におススメのアプリ
アプリ「まいにちのたまひよ」
妊娠日数・生後日数に合わせて専門家のアドバイスを毎日お届け。同じ出産月のママ同士で情報交換したり、励ましあったりできる「ルーム」や、写真だけでは伝わらない”できごと”を簡単に記録できる「成長きろく」も大人気!
ダウンロード(無料)育児中におススメの本
最新! 初めての育児新百科 (ベネッセ・ムック たまひよブックス たまひよ新百科シリーズ)
大人気「新百科シリーズ」の「育児新百科」がリニューアル!
新生児から3歳まで、月齢別に毎日の赤ちゃんの成長の様子とママ&パパができることを徹底紹介。
毎日のお世話を基本からていねいに解説。
新生児期からのお世話も写真でよくわかる! 月齢別に、体・心の成長とかかわりかたを掲載。
ワンオペおふろの手順など、ママ・パパの「困った!」を具体的なテクで解決。
予防接種や乳幼児健診、事故・けがの予防と対策、病気の受診の目安などもわかりやすく紹介しています。
切り取って使える、「赤ちゃんの月齢別 発育・発達見通し表」つき。