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風疹第5期定期接種スタート。ママとパパ、自分の母子健康手帳を持っている?「親のワクチン接種歴」を確認できない実情について

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母の手は、生まれたばかりの赤ちゃんの足を保持します。
paulaphoto/gettyimages

予防接種の記録、乳幼児健診の結果など、大切なことが記録されている母子健康手帳。けれど、ママ・パパ自身の母子健康手帳を自分で持っている人は少ないよう。小児科医太田先生が、パパ世代を対象にした風疹の接種時に感じたこととは…。「小児科医 太田文夫先生からママ・パパへ、今伝えたいこと」第3回

関連:麻疹で脳炎、おたふく風邪で難聴、赤ちゃんの死・・。防げる病気で苦しむ親を診続けた、ある小児科医の思い

「何の予防接種をいつ受けたのか?」にきちんと答えられますか?

今年度から風疹第5期定期接種の実施が始まりました。対象になっているのは、昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性です。必要に応じて予防接種(使用するワクチンは麻疹・風疹混合ワクチン)を受けることが勧奨されています。
ママとパパは知っていると思いますが、妊婦さんが風疹に感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群(先天性心疾患・白内障・難聴 などが特徴)をもって生まれてくる可能性があります。まずはパパや、まわりの人が風疹の予防接種を受け、風疹を流行させないという意識を持つことが大切です。
私のクリニックにも対象のパパが風疹抗体検査(風疹の免疫があるかどうかを確認するための検査)に来られますが、その時に自主的に自分の母子健康手帳を持って来られる方はごくわずか…。
母子健康手帳がないため、過去の接種歴を不明とせざるを得なくなってしまうことが多く、とても残念に感じています。
記録がなく、記憶で確認するしか方法がないと“接種歴不明”(接種していないのと同じ扱いになること)となってしまうのです。

予防接種の接種記録は 母子健康手帳でしかわからない

ほとんどのママは妊娠がわかった時に風疹抗体検査を受けており、その結果はお子さんの母子健康手帳に張りつけられます。けれど、自身のワクチン接種歴は自分の母子健康手帳がないとわかりません。実は、日本ではワクチンの接種記録は母子健康手帳がなければ確認できないというのが実情なのです。

成人後は、接種証明書を発行してもらい 記録に残しておいて

予防接種は、何をいつ接種したのかということをカルテに記録に残す義務はありません。ですので、かかりつけ医に問い合わせてもほとんどの場合記録は残っておらず、結局“接種歴不明”になってしまうという状況です。

成人後の場合、予防接種ごとに、接種したことを証明するもの(接種証明書など)を発行してもらい記録に残しておきましょう。そうしないと、せっかく接種しても“接種歴不明=予防接種の記録なし”になってしまうのです。
かつての風疹流行時に、ご夫婦でMRワクチンを接種された方から、今回の風疹第5期接種が必要かどうか聞かれたときも、接種を証明するものをもらっていなかったため、結局接種記録なしの“接種歴不明”にせざるを得ませんでした。

ママ・パパの幼少期の接種記録は 残っていないことも多い

ママとパパが子どものころには、母子健康手帳の接種記録欄は、小学校に上がるまでに済ませる定期接種分しかありませんでした(※平成24年1月以前まで)。それ以上の年齢での接種では、接種のたびに予診票の接種記録の、保護者管理用の接種済証を渡されていました。それを母子健康手帳と一緒に保存していないと、”接種歴不明”となってしまうというわけなのです。
今は麻疹も風疹も発症した人は全数報告で一人残らず報告されることになっていますが、その発症者(成人)の多くは“接種歴不明”と報告されています。

自治体の予防接種記録は 定期接種しか記録がない

各地の自治体では麻疹や風疹の感染拡大抑制のためにHPに患者の発生状況を一覧表にして載せていますが、それを見ても接種歴は“不明”もしくは“記憶”という記載が目立っています。
けれど、乳児期のBCGや三種混合など、幼児期の麻疹、風疹、日本脳炎のほか、任意接種の水ぼうそう(水痘)やおたふくかぜの接種歴は確認できます。
居住地の自治体が、接種歴を電子化して管理する法律ができて、数年前から予防接種台帳が整備されています。ただし、対象は定期接種のみ。任意接種歴は母子健康手帳に記載がなければ不明です。

ぜひ、母子健康手帳を探し出し、 自分の記録を確認してみて

外国では予防接種の記録だけの「予防接種手帳」を発行しています。一方、日本の母子健康手帳は予防接種の記録だけではなく、ママのプロフィール、妊娠経過、出生時の様子、乳幼児健診の結果など、子どもの成育歴だけでなく、予防接種の手帳の役割も果たす、独自に発展した優れたものといえるでしょう。
探し出して読み返すと、予防接種歴が確認できることはもちろん、親の愛情を感じる記載に触れることができるかも。「これは母親である私のものよ」とおっしゃるおばあちゃまもいらっしゃるのですが、子どもが自分で家庭を築いたあとは、自分で管理できるよう、実家から探し出して子どもの手元に置いておくことをおすすめします。
母子健康手帳探しが懐かしい思い出話をするきっかけになるかもしれません。
最近は、ママとパパからワクチンについての相談を受けたとき「ご自身の母子健康手帳をお持ちでしたら、予防接種歴を確認させてください」と話し、ワクチンを接種した方には接種証明書を発行し、「母子健康手帳と一緒に、大切に保管しておいてください。」と伝えるようにしています。

関連:産後はすぐに準備を! 赤ちゃんに予防接種はかわいそうじゃない!今、小児科医が伝えたいこと

「子どものときに受けた予防接種の種類を親に確認してもあいまい…」ということはけっこうあるのでは? 自分自身の母子健康手帳を見つけて予防接種歴を確認するとともに、わが子の様子と共通することなどを探してみましょう。
(構成/ひよこクラブ編集部)

太田文夫先生(おおた小児科院長)

ワクチンで防げる感染症から子どもを守りたい小児科医。NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会副理事長。B級グルメめぐりが趣味。広島生まれのカープファン。先生が着ている赤いTシャツには、「ワクチン打って麻疹・風疹撲滅」と書いてあります!

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